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天使の探究者  作者: はなり
第二章 前日譚

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20/32

再開

ここから続く数日間は、ツグハにとって夕凪家にとって、運命とやらが動き出す夜であった。そんなこと当人たちはもちろん知らない。知るのは観測している者のみ。

少しばかり季節外れの冷たい雨が降る夜、一つのサイレンが鳴る。季節は三月下旬。きっとこの夜から始まったのか。たまたまが、偶然が、重なる夜。そんな夜、志貴から引き受けたヘルフェブルでの仕事終えた帰り道、ツグハは路上で倒れている人物を見つける。最初はただの生き倒れかと思っていた。その人物に近づき、顔がはっきりと見えたその瞬間、ハッと気づき、その者へと駆け寄ってそっと抱きかかえる。


「まさか・・・・」


抱きかかえる人物の顔には見覚えがあった。

それは四年前のあの日から探していた人物。突如消えた主人の忘れ形見だった。

 

「糸音様!?どうしてこんなところに、いやそれよりもこのままでは・・とにかく病院へ!」

 

ツグハは急ぎ、夕凪家御用達の病院へと向かった。

雨は止まず、豪雨は続く。これは糸音が学園に通う二週間と少し前の話。



「昏睡状態ね・・」

 

志貴はツグハの連絡を受け、仕事を早々に切り上げてヘルフェブルにある病院へと駆けつけた。そして夕凪家の専属医エオールから診察結果を聞いていた。

 

「あぁ、彼女はかなり危険な状態だった。私の異能でも完全には治らなかった。こんなのは初めてだ。こればかりは本人の生命力次第かな。いや、生きる意志ってやつか。悔しいが私にできるのはここまで。あとはあんたらが傍にいてやれ。それにしても死んでいてもおかしくない状態だったぞ。まさに死と生の間。いったい何があったんだか」

 

エオールは診察結果を伝えると病室を去った。病室には静かで重い空気が漂う。

 

「志貴様、涼香様達には・・」

 

「連絡はしておいたよ。涼香の方は明日にでも一度戻るそうだ、火憐も同様にね。あの二人は常に一緒だからな。風見の方は連絡がつかなかったが、涼香に聞いた話によると、もう、こっち側にはいないらしい。どうやら大陸に渡ったそうだ」

 

「大陸ですか」

 

「仕方ない。アイツだけは風来坊だからな。それに自由にさせたのは僕たちだからね」

 

「そうですか。志貴様、ここは私が見ていますので、一度屋敷の方へ戻られてゆっくり休んでください」

 

「そうだね。たしかに学園を長く空けておくのはまずいからね。すまないがここは頼むよ。兄ながら面目ない、今後は交代で糸音の傍にいよう」

 

「わかりました」

 

志貴は病室を去り、再び静寂が訪れる。

 

「糸衛さん、見つかりましたよ。どうか糸音様をお守りください」

 

それから一週間、糸音は目覚めることなくただただ何事もなく日常が過ぎていく。そんな時折、事件が起こる。真夜中、病院前、暗闇の中で男達数人が病院の前で蠢いていた。そんな有象無象の中から一人の男が前へ出る。


「ここが例の病院か」

 

そんな有象無象の前にツグハは一人立っていた。


「無粋ですね」

 

「ほう、アンタはたしか夕凪家のメイドだったな。知ってるぜ、確か齢十七のころから夕凪家を陰で支える、絢爛の姫と呼ばれている暗殺者。如何にあんたでも、この人数なら厳しいだろ」

 

「はー、絢爛ですか。久しい名ですね。っんであなた達はいったい何者ですか?」

 

「俺たちは夕凪家当主様の弱点がここにあると聞きつけた者だ。それを連れ去りにきたんだよ」

 

「弱点?」

 

「この病院にいるだろ、件の人物が」

 

「それはどこからの情報ですか?」

 

「アンタに教える義理はないね!」


「そうですか。ところで、私を夕凪家のメイドと知っていながらこの人数・・・なめてますか?」


「いいや、十分だろ」


「雑魚どもが、恥を知りなさい。一人だけ生かして、あとは皆殺しです」

 

男達は一斉に動き出した。ありとあらゆる得物を手にツグハに襲い掛かる。しかし、ツグハは無表情で冷酷に徒手空拳で男達を一瞬で一網打尽にする。

  

「くそっ!」

 

男が一人、逃げようとしたところで闇の中からメスが飛んできた。

 

サクッ

 

メスは男に命中し倒れる。今しがたメスが飛んできた木陰からスーツを着たエオールが現れる。


「全く物騒だね」

  

「はぁ、相変わらず気配を消すのがうまいですね。それはそうと医者が殺していいんですか?」

 

「そりゃ駄目だろ。でも今は殺し屋エオンだからね。んで、何者なんだいコイツら」

 

「わかりません。一人捕まえようと思っていたんですが、殺してしまいましたから」

 

「そいつは悪かった」


「糸音のことが外部にもれています。もしかしたら、院内に内通者がいるかもです」


「それは困ったな。面接はしっかりやってるんだけど。まぁこっちでも調べてみるよ」

 

「よろしくお願いします。私は志貴様に報告をしに屋敷に戻ります」

 

「なんだ、代わりに誰か看病に来ているのか?」


「はい。今は涼香様と火憐様が来ています」

 

「なに、火憐が来てるのか。はぁ、ようやく会える。あいつにはずっと定期健診に来いって言っているのになかなか来ないから」


「病院は嫌いだそうです」


「まったく子供か。ならなんで来ているんだ今日は」


「妹がたいへんなのにそんなこと言ってられないそうです」


「あぁそう。あいつら姉妹もシスコンだったな。あー、死体は片付けとくから。丁度、実験で何体か欲しかったから」


「ありがとうございます。では、また」


ツグハは早々に去り、エオールはたばこに火をつけ一服する。


「ふー、それにしても内通者か。いたとして一体誰なんだか・・」


またまた新キャラなんで容姿とか説明補足すると。

エオールの容姿は一見美人だが、目にクマがあって肌色が白いせいでお化けに見える。

病院職ということもあって中々寝れないらしい。

夕凪家が融資している病院の医院長で殺し屋もやっている。

ちなみに咲夜遊とは仲が良い。お酒好きで良く飲みに行っているらしい。

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