幼馴染の補佐
「お前は女だから、仲間に入れられない」
ずっと友達だと思っていたマルクスからそう言われ、私はショックだった。
自分が女であることが嫌だった。
だけど性別は変えられない。
だから、女らしさを削った。
まず髪、それから女らしい服を着るのをやめ、歩き方、すべてから女らしさをなくした。
両親はとても悲しそうだったけど、私は仲間に入りたかった。
マルクスたちの。
髪を全部剃りたかったのに、それは止められて短く切った。
そうしてマルクス達に会いに行ったら、なぜか少し悲しそうな顔をされた。
だけど、仲間に入れてくれた。
嬉しかった。
私は女らしいことが苦手だった。
お母さんは色々教えてくれたけど、それが全部嫌いだった。
たまに伯父さんの家に連れて行ってもらって、剣の使い方とか教えてもらった。それが楽しかった。
マルクス達に見せると、尊敬の眼差しで観られた。
マルクスだけは、ちょっと違ったけど。
女ってことで仲間外れされたくない。
私はマルクスたちよりも強くなろうとした。
「俺、親父みたいに街を守りたいんだ」
マルクスはよくそう言っていて、私もそうなりたいなと思った。
だから警邏隊の入隊試験を受けた。
私は受かり、マルクスも受かった。
女だからと言われることが多くなったけど、それを力でねじ伏せた。マルクスが時折、私の陰口を言っていたら奴らをぼこぼこにしてくれてると知って、嬉しかった。
マルクスは、私の傍にずっといてくれる。
私が間違ったことをしようとすると止めてくれたり。
十八歳を超えたあたりから、私は少しずつ力の限界を感じ始めた。だけど、認めたくなくて必死に訓練した。
マルクスはいつも私の補佐でいてくれるけど、私は知っている。
奴が私よりも強いことを。
それでも私を立ててくれて、本当にマルクスはいい奴だと思う。
これからも私の傍にずっといてほしい。