仲良しな2人
前作「『ざまぁ』が不要な2人」のお話しの続きです。
シリーズ化をしてみました。
先週末の夜会で発表された。マキシムとジェイミーの婚約に周囲からは沢山の祝福を受けた。
週が明け学園に登校するジェイミー。
「おはようございます」
教室に入るなりクラスメイトに囲まれるジェイミーは皆からの祝福を受けるのだった。
「ははは……ありがとうございます」
(疲れた……)
ジリジリジリジリ
(お昼か……この調子なら食堂は行かない方がいいわね。マキシムはどうしてるのかしら)
ガラッ
「ジェイミーいる?」
「マキシム」
「ジェイミーお弁当を持って行くよ」
「マキシム?どこに?」
「まだ秘密だよ。さぁジェイミー手を」
マキシムはジェイミーの手を握り歩き出すのだった。
「ジェイミー、頑張って。もう少しだよ」
笑顔でジェイミーを見るマキシム。
階段を登り扉を開ける。
「はぁはぁはぁ……。マキシム……ここ?」
「ジェイミー大丈夫?」
「えぇ、大丈夫よ」
「兄さんに聞いた秘密の場所だよ。見て」
「わぁ」
そこには校庭や中庭、そして街並みが見える屋上だった。
「マキシム……綺麗ね」
「あぁ、綺麗だね」
息を切らすジェイミーの頬は桜色。
(ジェイミー、可愛いな)
ハンカチでジェイミーの汗を拭いてあげるマキシム。
さらに床に敷物を敷く。
「さぁ、ジェイミー座って」
「ふふっ、ありがとう」
「食べようか。はい、ジェイミーお水だよ」
「はい、いただきます」
「いただきます」
ジェイミーは自分のお弁当から卵焼きとウインナーをマキシムのお弁当箱に入れる。マキシムは自分の弁当から小さなタルトをジェイミーのお弁当箱へ入れる。
昔から変わらない。物々交換である。
「今日はタルトなのね。お城のコックさんは魔法使いですわね。いつも美味しい」
「ジェイミーのお家の卵焼き大好き。さぁ食べようか」
2人は知らない。
お弁当日と決めた月曜日。
2人は早起きして自分の弁当を作っている。つまり互いに手作りの品を交換しているのだった。
「今日は、登校してから大変だったよ」
「私も……祝いの言葉で嬉しいのですが大変でしたわ」
「まあ、祝って貰えるだけいいのかもな」
「僕、ジェイミーが僕の婚約者になってくれて嬉しいよ」
「私も同じよ。とっても嬉しい」
「ねぇ、少し手を繋いでもいい?」
「はい」
ギュッと握るマキシム。ニコリと笑い嬉しそうにするジェイミー。この日のお昼休みは2人手を繋いで過ごすのであった。
「さて。昼休みも終わるね。そろそろ戻ろうか」
「はい、マキシム」
***
「ジェイミー、今日の学園はどうだった」
「パパ、とっても忙しくて……皆様お祝いの言葉をかけてくれるのですが……朝からずっとでしたの」
「ははは。そうか、でも良かったな」
「はい。これからは、王妃教育を一応受けるのですよね。頑張りますわ」
「ん?まさか……ジェイミー?」
***
同じ頃、家族で夕食を食べるマキシム。
「マキシム、ご苦労さん。今日は忙しかったろ?」
「はい、父上、登校から下校まで、ずっとです」
「まあ、仕方ないな。良かったな、ジェイミーが婚約者だからな、彼女はクラスメイトからも慕われているし」
「父上?ジェイミーはこれから大変な王妃教育を受けるのでしょう?大変だろうけどジェイミーなら大丈夫だね」
「ん?」
「マキシム?お前……」
***
「ジェイミー?」
「マキシム?」
『ジェイミーは王妃教育を終えているぞ』
「え?パパ?」
「ん?父上?」
***
「パパ?」
「いつも城に行き、マキシムと勉強をして、王妃と茶会も行っていたし。刺繍も勉強もマキシムの姉や兄の婚約者と混じってやっていたじゃないか……ジェイミーは何をしてるつもりだったのだ?」
「私は……マキシムと一緒にいる為と、遊ぶ時間までの時間潰し」
***
「父上?」
「いつも遊びに来ていたから、ついでに王妃教育をしていたんだよ。ジェイミーは、一体何をしに城に来ていたと?」
「僕が我儘を言って、宰相に連れてきてもらっていたと……」
「半分は当たりだが……マキシムの勉強している時間にジェイミーもマナーや教養を指導していたぞ。気づかなかったのか?」
「ジェイミーも僕も、待つ間の時間潰しに母上や姉上達がジェイミーの相手をしていると思っていましたが……」
「…………ジェイミー?」
「………………マキシム?」
『お城に行く(来る)理由がなくなった……』
しょぼんとするマキシムとジェイミー。
「ジェイミー……パパに任せて」
「マキシム……そんな顔をするな」
***
週末。
「やあ、ジェイミー。来てくれて嬉しいよ」
「休日もマキシムに会えるなんて嬉しいです」
「今日は、僕も一緒にいるよ」
「はい、とても嬉しいですわ」
「ジェイミー、食事のマナーの復習だよ」
「はい、マキシム」
お昼ご飯を一緒に食べる2人。
「ジェイミーと一緒だと美味しいよ」
「はい、マキシムと食べる食事はいつも美味しいですわ」
昼食後は一緒に座学だ。
「難しかったけど沢山の事を学べたね。次は茶会だよ」
「はい。マキシムのおかげで私も沢山学べましたわ」
中庭での小さな茶会。
「ジェイミー、苺のタルトだよ」
「大好きです」
「僕が取ってあげるからね」
「マキシム、ありがとう」
「ジェイミー、今日が待ち遠しくて寝れなくてね」
「はい、マキシム。私もとっても楽しみで眠れませんでした」
『同じだ(な)ね」
「この後は自由時間だ。一緒に図鑑を見よう。今日はそうだなぁ」
「世界の街にしましょう」
「いいね。2人で旅をしよう」
「今日は、図鑑を見ながら、その国に行ったつもりで、その国の言葉でお話ししましょう」
マキシムの部屋の床で横に寝転び図鑑を眺める2人。
マキシムの私室の扉は閉める事なく開けている。そこからこっそり覗く国王と宰相。
「なぁ……宰相よ」
「はい、国王様」
「あの2人は何ヶ国の言葉を?」
「さぁ、10ヶ国語は話せるかと」
「ジェイミー、今の言い方だと……『私は猫ちゃんだ』だよ」
「まぁ、猫が好きと言ったつもりだったのにな」
「ジェイミーは可愛い猫ちゃんだね」
「にゃ〜ん」
「ふふっ、おいで可愛い猫ちゃん」
「にゃ〜ん」
ジェイミーを抱きしめるマキシムであった。
「ジェイミーは柔らかくて、いい匂い」
「くすぐったいです、マキシム」
「はぁ……ジェイミー。好き」
ジェイミーの胸に顔を埋めるマキシムであった。
「なぁ、うちの息子には、そろそろ閨教育が必要だよな」
「まあ……きっと無意識に抱きついてますね、私の可愛い娘に……きっと娘も何もわかってないでしょうな」
「いつまでも可愛い2人ではいられないからな」
「そうですね」
寄り添い図鑑を眺めるマキシムとジェイミーを扉の隙間から見つめる両家の父親であった。
感想や評価(下の☆☆☆☆☆)をいただけると嬉しいです。また、リアクション、ブックマークも大大大歓迎です。




