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待合室に行くと再び先ほどのオッドアイの猫が出迎えてくれる。最初はわたしだけだったけれど、観光客だと思われる50代くらいの夫婦と男子中学生の家族や男子大学生3人組のグループも入ってきた。フェリーの券の販売を担当するおばあちゃんがやってきて、券の販売が始まる。わたしは先に買っていたけれど、まだ買っていない観光客たちがフェリーの券を買っていった。
それから宅配業者の女性スタッフがおばあちゃんと話をするために待合室に来たけれど、そのタイミングでオッドアイの猫も一緒に入ってきた。猫は待合室内をうろちょろし、おばあちゃんの近くに来る。おばあちゃんは宅配業者の女性と話している最中なので、
「あなたには用事はないの!」
と猫を待合室から出した。けれど彼女は再び観光客と一緒に待合室に入り、うろちょろする。おばあちゃんのところに行き、早くご飯ちょうだいと催促もし始めた。おばあちゃんがキャットフードをあげて大人しくなったかと思いきや、彼女は再び動き出す。券販売用のデスクに飛び乗り、おばあちゃんが
「こら、ララちゃん!」
と叱った。おばあちゃんはまだ宅配業者の女性と話しているところだったので、構ってほしかったのだろう。
「あなたには用事なし! 外に出とけ!」
おばあちゃんはララちゃんをつまみ出し、待合室の外に出した。その場にいた誰もがフフッと笑っている。
「この子ララちゃんっていうんですか?」
わたしが興味本位で聞くと、おばあちゃんからは
「本当はララミちゃんっていうんやけどね。私はずっとララちゃんって呼んでるんやけど、もうこの子はすぐ動き回るから」
と返ってくる。そうこうしているうちにフェリーの出航時間となったので、わたしたちは佐柳島から多度津にフェリーで向かった。涼しくなったらまた来たいと思える場所だったのだ。
多度津からホテルの最寄駅に行き、歩いてホテルに向かう。そこでチェックインも済ませた。夕食の予約枠があと1名分空いているとのことだったので、わたしは夕食の予約もその場で行う。19時半から夕食の時間なので、わたしはそれまで部屋でぼんやりしながら過ごした。
夕食を済ませた後は再び部屋でぼんやりする。シャワーを浴びる気力もなく、気づいたら眠りに落ちていた。翌朝シャワーを浴び、朝ごはんに讃岐うどんを食べる。無料で提供されていたけれど、無料で良いのかと思えるくらいおいしかった。さすが香川のうどんだと思った。