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第五十九部
ソルシエルが飛ばした鴉だけでは心許ないため、スラム街の各所、主に路地裏を中心に罠を仕掛けておくことにする。
魔法を定義。
対象はスラム街の亡霊、発動は罠の半径十メートル以内、効果は足止め。
無機物による自動発動は難しいため、スラム街の亡霊が罠にかかった瞬間大量の鴉が襲いかかる仕組みだ。
ソルシエルの鴉がこちらに伝達するタイミングと罠の発動にラグが発生する可能性も否めないため、罠が発動したら感知できるようにしておく。
もっといい方法があるのかもしれないけど、今の俺にできる精一杯がこれだ。
ひとまず路地裏にくまなく設置していくとしよう。
設置といっても、実体のある罠ではない。
魔法を指定の空間に構築し、定義した通りの効力を発揮する――この一連の機構を罠ということにしているだけだ。
昼を過ぎた頃、ようやく路地裏の大部分に罠を設置し終わった。
これでどこにスラム街の亡霊が現れても対処できるはずだ。
「ふぅ、あとは待つだけか。いや、逆に待ってろよ、スラム街の亡霊。必ず正体を暴いてぶっ倒してやる」




