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第五十四部

 剣術特訓が終わった次の日の夜。


 俺は魔法で作り出した剣を腰に携え、スラム街の亡霊を倒すべく出かけようとしていた。


 スラム街の亡霊が狙うのは、主に路地裏。

 路地裏で眠る浮浪者たちを襲っている。

 となれば、俺も浮浪者に扮して路地裏で寝泊まりした方が遭遇できる確率も高まる。


「また剣術の修行か?」


「いや、修行はもう終わったよ。今日から実戦だ。スラム街の亡霊をぶっ倒してくる」


「倒すと言っても、スラム街の亡霊とやらがどこにいるか把握しておるのか?」


「いや? だから今日から路地裏で寝るんじゃん?」


「なっ……! 貴様、我の安眠はどうしてくれるのだ!」


「へ? 安眠?」


「貴様がおらねば我が安眠できぬではないか!」


「いやいや、それくらい我慢してくれよ」


「無理だ! 我は日課を崩されると安眠できんのだ!」


「人を抱き枕にするの、日課にしないでほしいけどな……」


「とにかく! スラム街の亡霊が現れるまでは鴉にでも見張りをさせておけばよい!」


 いつの間にかソルシエルの腕には鴉が留まっていた。

 窓を開けると、鴉は羽ばたいて闇の中へと消えていった。


「これでよいな? スラム街の亡霊が現れたら、あの鴉がここに戻ってきて知らせてくれる。貴様も路地裏などで眠らずに済む」


「必死だなぁ……なんかお師匠様、最近束縛系彼女みたいになってきたよね」


「やかましいわ! とにかく、よいな!?」


「はぁ、よいですよ」


 まあ、俺としても助かるし別にいいか。

 あとは鴉がスラム街の亡霊を見つけるのを待つだけだ。

 今は戦いに備えて眠ろう。

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