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第四十六部
見渡す限り草木に覆い尽くされた丘。
目を凝らせば、マットの上に置かれたおもちゃのような民家や廃墟がちらほら見える。
緑の絨毯を踏めば小気味よく、風に吹かれればなおさらさらと音を立てる。
深く息を吸えば、澄んだ空気が肺の中を洗い流していくような錯覚を覚える。
「いいところだな。一緒に来てよかっただろ、お師匠様?」
「ふん、我は部屋でのんびりしておってもよかったのだが……まあ、悪くない」
「ねぇ、疲れたー。おんぶしてよ、キャロルお姉ちゃん」
「わがまま言わないの。ほら、マキナだって文句言わずに歩いてるでしょ」
「エリカお姉ちゃん、あと少し?」
「うん、もうそろそろだと思うよ。美味しいケーキのために頑張ろうね、マキナちゃん」
絵画のような風景を楽しんだり疲れた足を励まし合っているうちに、まだ建てたばかりであろう小綺麗な小屋が見えてきた。
パラソルが三つ、その下にそれぞれテーブルと椅子が配置されている。
丘の景色を眺めながらケーキが食べられるようだ。
ちびっこ三人がケーキ屋に向かって駆け出し、俺たちも足早に追いかけた。




