第三十八部
カーテンの隙間から差し込む夕日が、狭い部屋をノスタルジックに色付けている。
いつの間にか昼寝をしていたようだ。
背中にべったりくっついているソルシエルを無理矢理引き剥がし、外の空気を吸いに出る。
暑い。
お師匠様が密着してくるせいで汗がすごい。
特に胸の谷間辺りが。
風に当たって涼んでいると、通りの方から制服姿の少女たちが手を振ってきた。
「おかえり、皆」
「ただいま帰りました、マリアさん。これ、マリアさんにプレゼントです」
「これは……薔薇か。エリカが買ってくれたのか?」
「いえ、皆からです。感謝の気持ちを込めて、皆のお小遣いで買ったんです。前に遠慮も感謝もしなくていいとおっしゃってましたけど、どうしても何かプレゼントしたくて」
色とりどりの薔薇の花束。
赤、青、紫、緑、黄、白。
同じ色でも濃淡があったり花びらにグラデーションがかかったりしており、鮮烈な色彩の美に思わず見惚れてしまう。
「ありがとな、皆。花瓶に挿して飾ったら、きっと部屋が華やかになる」
「喜んでもらえたみたいでよかったです! ヴェルマさんはお部屋ですか? ヴェルマさんにもプレゼントがあるので」
「ああ、お姉様なら部屋でまだ昼寝中だ」
「じゃあ、アイカが起こしてくる!」
「あっ、おーい」
止める暇もなく、アイカは部屋に向かって走り去ってしまった。




