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第三十五部
俺、ソルシエル、エリカ、少女たちの計六人で食卓を囲む。
狭い。
しかも、誰もしゃべらない。
気まずすぎる。
仕方ない、第一声は俺から発するしかないか。
「え、えーっと……うん、お互いの名前もまだ知らないことだし、自己紹介からしようか。俺はマリア、こっちは姉のヴェルマ、今はこの宿屋に泊まってるただの客だ」
「私はこの宿屋の娘、エリカ。よかったら皆の名前も教えてほしいな」
少女たちは目配せし合い、観念したのかようやく一人が重い口を開いた。
「わ、私はキャロル……です。この娘たちとは血は繋がってないけど、ずっと一緒にいたから姉妹のように思ってます。ほら、次はマキナの番だよ」
「うぅ、マキナ、です。キャロルお姉ちゃんの妹で、アイカのお姉ちゃん、です」
「マキナお姉ちゃん、緊張しすぎ。アイカだよ」
大人びているのがキャロル、寡黙そうなのがマキナ、人懐っこそうなのがアイカ。
奴隷になった経緯はわからないが、皆子供らしく純粋さを保ったままでいる。
引き取って本当によかったと思った。
「じゃあ、自己紹介も済んだことだし、いただきますだな」




