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第二十九部
ドアがノックされて薄目を開ける。
もう朝か。
昨日はよく眠れた。
気持ちのいい朝だ。
「どうぞ」
伸びをしようとするが、腕が動かない。
痺れや金縛りではない。
違和感の正体が判明すると同時に、ドアがスローモーションよろしくゆっくりと開かれた。
「おはようございま……あっ、ごめんなさい! 朝食、テーブルに置いておくので! お邪魔しました!」
「ちょっ、ちょっと! エリカ、誤解! 誤解だって! そういうのじゃないから!」
追いかけようとするが、ソルシエルの腕が絡みついてなかなか離れてくれない。
俺はまだ寝息を立てているソルシエルの肩を揺さぶった。
「お師匠様、起きて! このままだと俺たちそういう関係ってことになっちまうぞ!」
「んぅ、朝っぱらからやかましい……別によいではないか?」
「よくない! エリカ、待ってくれ!」




