表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/60

第二十六部

 無言のソルシエルと気まずい空気の中、沈黙を切り裂くようにドアがノックされた。


 夕食を部屋に運んできてくれたのは、先ほど助けたゲオルグの娘。

 大の大人五人がぶっ飛ばされる様を目の当たりにしたせいか、おどおどして怯えているように見受けられた。


「あ、あの、さっきは助けていただいてありがとうございました。ちゃんとお礼が言えてなかったので」


「気にしないでくれ。っていうか、さっきのは忘れてくれ。騒ぎは起こしたくなかったんだけど、いてもたってもいられなくて」


「お姉さん、お強いんですね。あっ、私エリカっていいます。普段は王都の学院に通っていて、休みの日は父の仕事を手伝っています」


「へぇ、えらいんだな。俺はマリア、こっちは姉のヴェルマ。遥々異国から観光に来たんだけど、しばらくこの街に留まろうと思ってな」


「そうだったんですね。マリアさん、ヴェルマさん、これからよろしくお願いします。身の回りのお世話、父だけじゃなくて私も手伝いますから」


「ああ、ありがとう。助かるよ」


「いえいえ、恩返しなので気にしないでください。では、私はこれで。おやすみなさい」


「おやすみ」


 話しているうちにエリカの緊張はすっかり解けたようだった。


 よかった、荒くれ者だと誤解されなくて。

 一応女になったんだし、ちょっとはお淑やかにした方が……いいのかもな。


 はぁ、と嘆息が漏れる。


「お師匠様、悪かったな。勢い任せで約束を破ってしまった」


 ソルシエルは本から視線を上げ、今まで黙っていた口をようやく開いてくれた。


「我は気にしておらぬ。が、並外れた力は人間には理解不能。魔法を使わずとも魔女と誤解されかねん」


「確かに……軽率だったな。今度から手加減するように気をつける」


「そういう問題ではないが……まあ、好きにするがいい。我は貴様の行動も含めてこの世界を見極める。せいぜい魔女とバレぬように動くことだ。我は助けぬぞ」


「わかってる。よし、飯にするとしますか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ