0.エピローグ〈世界の果ての夢想〉
意味深なことを書いてますが、回収されるとしたらもう最期の最期になります。
幾星霜継承されてきた血が流れた――。
存在不明な何者かに誘拐された――。
神々の思惑により右腕を失った――。
愚かな人類の奸計により両足を失った――。
老師の身勝手な選択により紋章を刻まれた――。
愛しき魔女から泡沫の夢を託された――。
そして、いつでも愛をこの胸に私は生きてきた――。
どこまでも荒野は続いた。天変地異に見舞われた私の世界は生きるには厳し過ぎた。
それでも、私は生きてきた――。
普通に生きたい、ただそれだけのために何もかもを投げ打った。
世界は過酷だった。
私にだけ。
運命というものが存在するのなら、私は死ぬことを強要されていたと言うべきだろう。
それでも、いつかは辿り着くと思っていた――。
だけど荒野は残酷だった。
喜びを喜びたかった、悲しみを悲しみたかった。ただそれだけのことがこんなに難しいなんて知らなかったから。
私は立ち止まった。
そして、思い返す。
あぁ――こんなことがあったな、と。
それが終幕になると信じて私は世界の果てで夢想した。