表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/36

書き取り欄には、じょうしゃとせきさい、と書いてください。漢字がわからなければ、ひらがなでも構いません

 ガタン、カーン…


 後部座席で我が見たものは、沢畠がクランクの2個目が曲がり切れず、黄色いポールに接触している場面だった。

 縁石に乗り上げたとしても、そのままバックで仕切り直せば少しの減点で済む。


 しかし、ポールに車体が触れてしまうと一発アウトだと、教官から聞いていた。


 前田「…はい。そのままバックして続けてください」


 沢畠「はい…」


 修了検定の筆記のため、夜遅くまで勉強し、朝4時から勉強を始めていた沢畠は、睡眠不足でふらついていた。

 本来なら当たらなかったクランクのポールに、当たってしまったのだ。


 (これではもう、このあとノーミスでも不合格になるだろう)


 (筆記の対策で前日から頑張ったとしても、実技が合格しなければ次には進めない)


 (この世界線では不合格で2日遅れることになる)


 「時間の飛躍(リープオブタイム)!」



 ブワッ



 世界が暗転し、時間がゆっくりと動き出す。

 ポール接触後の世界線から、巻き戻すようにクランク突入前まで動きが戻った。




 前田「次、1番右折でクランク入ってください」


 (はぁ、はぁ。たった数十秒を戻すだけで、これだけ人間の体に負担がかかるのか)


 (ウリエル…君が…)

 

「さ、沢畠、クランクはゆっくり慎重に。おちついて」


 沢畠「!? …はい」


 うつらうつらしていた沢畠がハッと気づいたように意識を取り戻し、ハンドルを握る。

 2個目のクランクはポールに接触することなく、抜ける事ができた。



 (これで、一人の男の悲しみを救ったのだな…)


 気持ち悪さと吐き気、強烈な睡魔のような状態に陥った。ふらついて倒れそうだが、必死に体を支えている。


 前田「はい、2番に寄せて停車してください」



 前田「エンジン止めて下さい。はい、実技は以上になります。受付で合格発表するので、待っていてください」


 沢畠「ありがとうございました」


「無事に合格できそうだな」


 沢畠「途中に意識が飛びそうになって、織江さんの一言で助かりました。ありがとうございます」


「なに、気にするな。悲しい別の未来は見たくなかったのでな」




 待つこと20分。



 前田「はい、3人合格です。次に筆記試験に入ります。2階の第4教室で待っていてください」


「まあ当然だな」



 11時前。



 前田「それでは筆記試験を始めます。時間は30分。25分経過するまでは退室できます」



 我は昨日今日で満点様というアプリを使って何度も練習してきた。苦手な問題も、似た問題を解いて対策した。あとは集中力を保って30分やりきるだけだ。


 前田「書き取り欄には、じょうしゃとせきさい、と書いてください。漢字がわからなければ、ひらがなでも構いません。右の問題番号枠には、先ほどお渡しした問題の左上の番号を転記してください」


 前田「それでは始めてください。11時2分開始ですので、退室は27分まで、テスト修了は32分となります」




 ペラリ…



 (ん?)



 5. 車に乗って帰る友人に、お酒をすすめた


 13. 運転に自信があったので、運転規則に従わなくてもよい



 過去2回の模試よりも、難易度が下がっていないか!?



 合宿免許卒業まで、あと8日

第二段階、初日が学科4つ実技3つの7枠でした。


じょうしゃとせきさい、積載の漢字が書けなかったのは内緒です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ