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免許を取るにあたって大事なことは、時間を守ること

実習までの待ち時間が暇なので、待ってる時に思いついた一発ネタを書いていこうと思います。

住民票提出で同じ経験した方、いませんか?

「飲んだら乗るな。乗るなら飲むな。当たり前のことがなぜわからぬか、人の子よ」


 我は天界の執行者、天使ウリエルだ。亡霊の歴から審判を下し、執行するが我の執務である。

 執務中に、後方からわき見ペガサスチャリオットが追突してきて気を失ってしまった。


 気が付くと下界のチキュウニホンに落とされ、天使の羽を失い、30後半の男に転移していた。羽で飛ぶことができず、道路に伏したままただ目の前に映る看板を読み上げている。


 女性「あ、先ほど連絡された織江さんですね。入校式は10時50分から始まります。急いで二階の第一教室に向かってください」


 「オリエ? 私は天界の執行者、ウリエルだが。天使違いではないか?」


 女性「先ほど受け付けで名前を伺いましたが…。落とし物があって教習所の外へ行きましたよね」


 「よかろう。この器が成すべき執務があるのだろう。連れていくがよい」






 第一教室に導かれ、座ると前の左右に老けた男と足をゆする若者、白板の前にはハゲが立っていた。


 教壇に立つハゲ「開始は11時になりますので、それまでお待ちください」


 老けた男「あの私、沢畠さわはたって言います。よろしくお願いします」


 中川「俺、中川っす。取って10か月で飲酒と人身事故、35点でこの様っすよ」


 沢畠「私は免停中に現行犯逮捕されちゃいまして…。配達の仕事のため、今日の朝も運転してきました」


 視線が我に来る。人の子は、初対面では名乗る慣例のようだ。


 中川「名乗りか? 我は執行者ウリエルだ。」


 沢畠「うり、え? 織江さんですね。先ほど受付で名前聞きましたよ」


 中川「失効っすかww。もったいねぇっすね」


 「そうだ執行だ。お前たちのような罪人を裁き、天国と地獄に…」


 教壇に立つハゲ「はいこんにちは! 本日から担当させていただきます、荒川です。」


 第一教室の入り口から現れ、白板の前で話し始めた。


 ハゲ「これから、入校の手続きの説明と各種提出をします」

 

 ハゲ「机にある3つの資料は入校申込書、誓約書、免責事項同意書です。このあと説明しますので、みなさん確認しながら記入とハンコをお願いします」


 下界で未開のヒトに転移し、全知全能の神の使いである我が、このような屈辱を受けるとは。


 ハゲ「織江さん。先ほど提出していただいた住民票ですが、本籍が省略されているのでこれではダメです」


 ハゲ「20分くらい歩けばヘブン・トゥエルヴがあるので、そこで本籍付きの住民票を取り直して後日提出してください」


 ※コンビニで住民票の写しの出力する時は、本籍地・筆頭者の記載がデフォルトで「無」となっています。「有」にタップしてから出力しないと250円損するので気を付けてください


 「取り直してくれば良いのだな。承知した」 oO(我が天界の天使と言っても通じぬであろう)


 「入校日は本日、令和3年11月10日と記載してください。あと本籍は必ず、住民票に記載された文字を一語一句同じに…」


 言われた通りに書き、我が背負っていた鞄にあった刻印を何か所か擦り付けた。



 ハゲ「はい。これで入校手続きは完了です。では校長のあいさつに進みます。本日校長は不在なので、わたし荒川が代理でお話しします」


 代理ハゲ「合宿免許を取るにあたって大事なことは、時間を守ること、です。1分でも遅れれば受講できません。8時50分に開始とある場合は、乗車する時間が50分です。5分前には、待機所で待っていてください」


 ハゲ「この後11時半から、適性検査を行います。それはでは休憩です。手洗いは階段降りて1回の受付の右にあります」


 ハゲが去ったあと、終始足をゆすっていた中川が愚痴をはじめた。VとLが交差している装飾品をチャラチャラとなびかせている。


 中川「ったくだりぃな。もう帰りてぇ」




 14日後に卒業する執行者 ~下界転移したらオッサン3人だった件~


 合宿免許卒業まで、あと14日

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