エメラルド国
今、私は、広い会議室(?)みたいな所にいる。
えぇ、ちゃんと、朝には目が覚めましたよ!
朝食をこれまた広いダイニングに連れて来られて、いただきました。
ご飯を食べるのにわざわざ違う場所に行くのね。
しかも、私しかいないのに何人座るの? という広いテーブルで一人ポツンと座っていただきましたよ。
落ち着かなかったので、ローズさんに、これから、ご飯を食べる場所、違う場所にして下さい、広すぎて、落ち着かないんです! と、思わず言ってしまった、私です。
朝食を食べて部屋に戻ってゆっくりしてました。
お腹も膨れたし、なんだか眠気が…
すると、しばらくして、ドアをノックする音。
ドアを開けて入って来たのは、第三王子トリフェーン殿下でした。
「ミサト様、おはようございます。 お加減はいかがですか?」
「トリフェーン殿下、おはようございます。 体調は、大丈夫です。」
「それは、良かったです。 早速で申し訳ないのですが、改めてこの国の事、この世界について、お話をさせていただきたいのですが……」
私の眠気がどこかにいきましたよ。
そうでした!
私は、よろしくお願いします、と返事した。
そして、私は、殿下に連れられて、広い会議室に向かったのでした。
会議室に入ると、そこには、知らない男性が既にいて、準備をしていた。
「ミサト様、こちらは、私の部下のベリルです。」
「お初にお目にかかります。 私は、第三王子側近のベリル・ヘリオドールです。」
「ミサト モチヅキです。 よろしくお願いします。」
「では、ミサト様、こちらにお掛け下さい。」
私は勧められたイスに座った。
テーブルには、地図らしきものが、広げられている。
うーん、読めるかな?
私はじーっと、地図を見つめる。
最初は、見た事がない字で読めない! ってなっていたけど…
しばらく、見続けていると、補正されて、私が読めるように変化した。
おぉ〜、すごいです!
そういえば、最初から喋るのは通じていたのよね…
指輪のおかげかしら?
「ミサト様、こちらの地図をご覧ください。 この世界は、4つの国から成り立っています。 私共の国、エメラルド国、そして、ダイヤモンド国、ルビー国、サファイア国の4つの国になります。」
私は、改めて地図を見る。
エメラルド国の上が、ダイヤモンド国、エメラルド国の横がサファイア国で、サファイア国の上がルビー国なんだ…
ものの見事に宝石の名前なんだ……
覚えやすいね~
国が私の世界に比べて数が少ないね、私の世界が多すぎなのか?!
「それぞれの国には、『宝珠』というものがあり、世界の均衡を保っていました。 が、ある時、突然、その『宝珠』が忽然と、姿を消したのです。 その『宝珠』は、それぞれの国が厳重にかつ、大切に神殿に祀られておりました。」
「……」
「その時から、世界に暗雲が立ち込める様になり、魔物が出現し、人々を襲うようになったのです。」
「……!」
「今は、『聖女』様が、結界を張り、何とか魔物の侵攻を防いでいるという形になっております。 ですが、それでも防ぎきれず、度々、討伐に向かっております。」
せ、聖女様が、いるの~!!