鑑定結果、出ました。
私は、じーっと、目をこらして、『鑑定水晶石』をみる…
――ミサト モチヅキ
Lv. 30 / ???
聖属性魔法: ∞
火属性魔法:Lv.25
水属性魔法:Lv.15
風属性魔法:Lv.10
土属性魔法:Lv.10
と、映し出されていた。
「へぇ―、そうきましたか…」
えっ、どうきたの?
私は不思議そうに、アズライトさんの顔を見る。
アズライトさんは、なにやら、ひとりブツブツ言いながら、物思いにふけっている。
おーい、私をおいていかないで、戻ってきて〜(汗)
しばらく、アズライトさんの側で、ぽけ〜っと、立っていたけど、自分が座っていたイスに戻る事にした。
その時に、改めて『鑑定水晶石』を見たら、もう、浮かび上がっていたものは、消えていて、キラリと光りを放つだけだった。
うーん…
それにしても、王子もアズライトさんもそうだけど、なかなかどうして、美形なのよねー
あっ、ベリルさんも、ね。
ボルダーさんは、ハンサムってよりか、カッコイイ、トラック運転手(?)的な感じで鍛えてるんだろうな…
体育会系って感じで、王子達は、インテリ系かな?
そう思いながら、彫刻化したアズライトさんを見ながら、紅茶を飲む。
あら、紅茶、冷めちゃった。
そうだ!
火属性魔法って、映し出されてたから、紅茶を火で温めたらいいのでは?!
ふと、思い立った私は、カップを左手に持ち、右の手のひらをカップの下に移動させ、右手に意識を集中させ、瞳を閉じる…
頭の中で、ガスコンロの弱火くらいの火を想像して〜
カップがあったまって、紅茶がぬくぬくになる〜〜
――パリッ!
エッ?
目を開けて、見てみると…
カップの底が、割れている!
そ、そうよね、カップを火で炙ったら、普通、そうなるよね〜(冷汗)
ど、どうしよう……
「なにをしようとしてたんですか…?」
突然、声をかけられ、ビクリとする私。
そーっと、声の主を見てみると、ニコリと笑う、アズライトさんが側にいた。
「す、すみません! 紅茶が冷めていたので、温めようとして、火を想像したんです。 そしたら、割れてしまいました! ご、ごめんなさい!!」
「そうですか… あぁ、やけどは、していませんか、大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫です。」
「それは、よかったです。 だけど、服が濡れてしまいましたね、着替えないといけませんし…」
すみません(冷汗)
「午前中の予定は、ここまでにして、午後から講義を始めましょうか?」
「わかりました。 着替えて出直します。」
「それでは、馬車の用意をさせますので、しばらく、お待ち下さい。」
「あっ、カップ、どうしましょう?」
弁償したくても、私、お金ない!
あっても、日本のお金だし(汗)
どうしよう?!
「こちらから、伝えておくので、お気になさらずに。」
アズライトさんは、そう言うと、講義室を出て行った。
ううっ、なにしてんだろう、私。
カップは割るは、服は濡れて汚しちゃうし…
でも、やってしまったことは、仕方ないよね。
お昼から、がんばろう!
そう、決意した私だった。