やってしまいました…
地面に大きな穴があいている…
誰が、いえ、私がしたの?!
ど、どうしよう??
「ミサト様、大丈夫ですか?!」
王子が私に駆け寄ってくる。
「どうしたんだ!」
「なにが起きたんだ?!」
そんな声を上げながら、グランドに走ってくる、騎士さん達が見える。
あぁ〜
穴があったら、入りたい!
あっ、あるわ、でも、かくれられないわ。
「ご、ごめんなさい!」
私は、素直に謝りました。
うん、誠意を持って、頭も下げましたよ。
「アッハハはは〜! おもしろい!!」
手を叩きながら、笑う声…
顔を上げて見てみると、アズライトさんが笑っていた。
「ミサト様、大丈夫ですか? あぁ、大丈夫ですね。 あんな穴くらい、どうって事ないですよ。 騎士団の方達に任せておけば、ちゃちゃと直してくれますから。」
「はぁ〜」
「あぁ、ミサト様、お、お気になさらずに、我々が直しますから……」
ボルダーさん、そういいながら、顔がひきつって、いますよ。
「わ、私も手伝います!」
「ミサト様は、いいですよ! 力仕事は、我々にお任せください。」
ボルダーさんは、笑って答えてくれた。
「ミサト様、体は、大丈夫でしょうか?」
「…私は今のところ、大丈夫ですが…」
アズライトさんに聞かれ、答えた、私。
うん、何も感じない、大丈夫。
「では、ミサト様、少し休憩をしてから、座学を始めたいと思っているのですが… よろしいでしょうか?」
「えっ、はい、よろしくお願いします。」
座学ってことは、勉強かな?
魔法について、何もわからないし、さっきみたいに、失敗したら、こわいから、しっかり、教わらなきゃ!
「トリフェーン殿下、ミサト様の講師を引き受けさせていただきます。 第二騎士団の講義室をお借りしますので、よろしくお願いします。」
「わかりました。 アズライト団長、よろしくお願いします。 ですが、あまり、無理をさせないように丁重にお願いします。」
「わかりました、肝に銘じておきます。」
「では、ミサト様、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。」
王子は、そういって、私に頭を下げてきた。
私も慌てて、王子に頭を下げる。
とりあえず、出来る範囲でがんばるしかない!
私は気合いを入れて、アズライトさんについて歩き、騎士団の建物に向かった。
騎士団の建物に向かうのは、私とアズライトさん、
ボルダーさん。
王子とベリルさんは、グランドの端に止めてた馬に乗り、お城へと帰って行った。
騎士団の建物に入り、そこで、ボルダーさんとは、別行動。
騎士団の団長だし、何かと忙しいよね。
はっ、そういえば、アズライトさんも宮廷魔法騎士団の団長、忙しいのでは?
「アズライト宮廷魔法騎士団団長、お仕事は、大丈夫なんでしょうか?」
「はい?」
「私にいろいろ教える事になって、仕事に支障が、迷惑をかけているのではと、思って…」
「あぁ、それは、お気になさらずに、副師団長もいますから、大丈夫ですよ。 それに、こんな面白そうな事、他に譲るなんて、出来ませんから。」
「へっ?」
「いえいえ、こちらの話です。」
アズライトさんはニコリと笑う。
なんだろ…
ちょっと、悪寒が…
き、気のせいかな……
とりあえず、騎士団の人達が用意してくれた講義室に向かうのでした。