雷の舞
第一章
ーー世界が暗雲に覆い隠せれしとき、金色の雷が現れ、暗雲を祓いし者を導かん。
灯に導き、光を降りそそぎ、世界を照らすであろうーー
「あぁ〜、なんで、朝から警報が出ててくれないのかな! 朝からだったら、こんな途中で帰らなくていいのに…」
そんな事をひとりグチリながら、自転車をこいでいた。
朝、起きた時、風が強かったから、学校、休みになるかも?!と、期待していたら、注意報だったのよね〜
雨も降り出したから、レインコートを着て、学校に向かったのに!
学校に着いたら、警報が出たから、休校だって!!
なんか、損した気分だわ。
でも、何人か同じような子もいたし、先生も校門の所で、カッパを着て、案内してたいへんそうだったし、まっ、いいか!
私は、ぶつぶつ言いながら、雨にも負けず風にも負けず、自転車をこいで、家に向かっていた。
しばらくして、ゴロゴロと雷のなる音が頭上で聞こえてきた。
うーん、雷か〜。
こ、こわくは、ないけど、自分には、落ちてほしくないよね。
そんな事を考えながら、自転車をひたすらこいでいると…
――ゴロゴロゴロゴロ、ピシャン、ドーン!!
「うわぁ~! お、落ちた!!」
うー、部屋の中から、見るのだったら、カミナリ、好きなんだけど…(冷汗)
さすがに間近は、エンリョしてほしいな…
そんなことをぼんやりと思いながら、自転車をこぐ足を止め、カミナリを見てしまう……
キレイだな………
ボケーっとカミナリを見ている、私。
するとーー
突然、
ーー金色の雷が、私の前に姿を現したのだった。
か、カミナリが落ちた――!!
自転車に乗ってたから、落ちたのかな?!
私、死ぬのかな…
でも…
イタクナイ?!
不思議に思った私は、そーっと、閉じてた目を開ける。
すると……
眩い光の中にいた?!
びっくりしながらも、目を凝らして見てみると、私の目の前に何かが、光って、存在している。
ゆ、指輪?!
私は、そーっと触れようと手を伸ばす。
突然、パーッと光り出した指輪は、一瞬、消えたかと思うと、私の右手、中指に!!
か、勝手にハマったよ〜〜!!
あわあわとパニクる私。
そんな、私の周りの眩い光がいつの間にか、消えているのに気づいたのと同時に、私の体がフワッと浮く??
すると、体が急に落ち始めたーー!!
「ひ、ひぇえ~~!! な、なんで、落ちているの?! あばばばば~~!!」
ジェットコースターは、好きだけど、バンジージャンプは、み、未経験よーー
ーーそんなことを思いながら、私は、考えることを放棄したのだった。