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懐古

作者: まんじP

 自分が小学生だったときの出来事をノートに書き上げてみる。初めての授業、怖い先生、社会科見学、修学旅行… 楽しかったと記憶していることだけで1ページ目が真っ黒になった。次に、辛かったことも挙げてみる。好きな人が告白された、堂々と誤答を発表した、集会でおならをしてしまった… こっちも1ページまるまる使いきった。もっと時間をかければ、一冊では足りないくらい思い出せるかもしれない。こうしてできた一つの物語を読み通すのは、他人の冒険譚に潜入している感覚がして、結構楽しいものだ。「ぜひおすすめする」

「へぇ、じゃあ私にも見せてよ」

「それはできそうにないな」

「なんで?」

「他人に見せるもんじゃない」お前のことも書いてるしな。

「私のやつできたら見せるからぁ」

「見ないし見せない」本当はちょっと見たいけどね。

「意地悪ぅ」

 言い返そうとしてまばたきすると、見慣れた天井があった。夢にしては妙にリアリティがあったので気づくまで数秒かかってしまったが、普段の夢とは少し違い、内容をはっきり覚えている。何か意味がありそう、そんな感覚がしてとりあえず会話の続きを声に出してみた。

「天国から僕の字が読めるのか?」

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