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ペンギン三兄弟

ペンギン三兄弟 〜 6話 三位一体 の巻

作者: たかはら りょう


ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。

今日も仲良く暮らしています。


ドンがさっきから、洗面所の電気のスイッチをパチパチ押していますが、電気がつきません。

ドン「電気切れちゃったよ、交換しないと」

チャン「交換用の電球買ってあるよ」

ドン「さすがチャン、抜かりないね」

チャン「オレが肩車してやるから、ドンがつけて」


チャンはドンを肩に乗せて立ちました。

ドン「まだぜんぜん届かないよ」

チャン「ゴンも手伝って!」

ゴンがやってきて、チャンを肩に乗せました。

そしてチャンの上にドンが乗りました。

ドン「オッケー、届いたよ」

ゴン「うー重いから早くして!」

ドン「ねえ、ぼくたちすごいね。三段ピラミッドだよ。曲芸師みたいだ」

ゴン「まだあ?早く交換して!」

チャン「ゴンが崩れそうだよ、ドン、早くしろよ」

ドン「もうちょっとだから」

ゴン「あーもう無理!」

そう言うと、ゴンはユラユラと動いてしまったものだから、

チャンとドンは、バランスを崩して

バタバタと三段ピラミッドはあっけなく崩れてしまいました。

チャン「イタタタタ」

チャンは腰から落ちてしまいました。

ドン「イテー!」

ドンは落ちてコロコロ転がり壁に激突しました。


チャン「ゴン、ちょっとしっかりしてくれよ」

ドン「そうだよ、いつも鍛えてるじゃん」

ゴン「あのね、お前たちを乗せるために鍛えてるんじゃないからな。さすがに2羽乗っかると重すぎるだろ」


ドン「まあでも電球は無事交換したよ」

ドンは古い電球を持ち上げて、ニッコリしました。

ゴン「ドン、実はもっと早く交換し終わってたろ」

ドン「フフ、ばれた?でもさっきのぼくたちって、やっぱ凄かったんじゃない?」

チャン「こういうのを三位一体って言うんだよ」

ゴン「お?難しい言葉知ってるねえ」

チャン「このくらいジョーシキです」

ドン「どういう意味?」

チャン「3羽で力を合わせて何かを成し遂げることだよ」

ドン「へぇ、じゃあ電球交換はまさに三位一体のたまものだね」

チャン「そう、これ大事なことだよ。3羽で協力するって」

ゴン「しかし、役割分担が不公平な気はするけどな」

チャン「ゴンは普段トレーニングして鍛えてるから頼りにしてるんだよ」

ゴン「チャンもドンもトレーニングしろよ。男は鍛えなくちゃ」

ドン「毎日やってるよ、腕立て一回、腹筋一回」

ゴン「ダメダメ、そんなの。やったうちに入らないよ。100回はやらないと」

チャン「でもね、それぞれペンギンには、向き不向きがあるから。オレやドンが筋肉モリモリになったら気持ち悪いだろ」

ドン「言えてる!」

ゴン「ただの言い訳じゃないか」

ドン「ぼくたちはゴンのトレーニングのサポートをするよ。ほら両腕を上げて力持ちポーズやってみて」

ゴン「こう?」

ゴンは、力持ちポーズをして見せました。

すると両腕に、チャンとドンがピョンとぶらさがりました。

ドン「ほらこうやると鍛えられるでしょ」

チャン「これも、まさに三位一体!」

ゴンは、苦しそうにクチバシを食いしばって

耐えるのでした。


おわり

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