K-4 入院、再会、執筆
おっさんはブログでKONSOME+の予定を見て、ときおりストリートに歌を聴きに行くようになった。仕事は相変わらず忙しかったので、通勤のついでに夜ちょっとだけ顔を出して、差し入れする程度だったけど。
◇
一年半後、2018年の夏。
おっさんは第一部で書いた通り、難病を発症して入院・手術することになった。
半身の麻痺、深夜の診断、大急ぎの検査漬け、手術の手続きと買い出し……。
いざ入院! の数日前、近くの駅でもえみさんが歌っていた。短時間だけでも顔を見たくて、歌を聴きに出かけていった。差し入れを渡しながら、病気のこと、入院して手術するから、しばらく応援に来られなくなると話した。
「……治して退院して、必ずまた聴きに来ます」
「元気になって、必ずまたきてください」
もやもや病の手術と静養、狭心症の発作と検査入院……しんどい何ヶ月かが続いた。
一人で寝ている動けない時間が長くて、検査や手術、生活のこと……たくさん不安にかられた。
そんなとき、もえみさんの歌声に何度か元気づけられた。
◇
身体が回復してきて、2019年になってようやくライブに顔を出せた。
半年ぶりにもえみさんの歌をリアルで聴いたら、ほろっと泣けてきた。
「瀬川さん、おかえりなさい。よかったー!」
喜んでくれたもえみさんの笑顔が嬉しかった。
そしてこの年の暮れ、おっさんは『辰巳センセイの文学教室』を書き上げ、翌春ネット小説大賞を受賞。
書籍化が決まった。
次回、Kスペシャルのメイン告知です!
明日4月22日夜の更新ですが、KONSOME+さんからの情報解禁とタイミングを合わせるため、23時予定です。
どうぞよろしくお願いします。




