11 狙え、表紙買い
2020年 5月上旬
コンテストへの応募に、作品のブラッシュアップに、新規投稿サイトでの地固め……いろいろ手を打ったおっさんだが、次にやろうとしていたのが、目を引くビジュアルの獲得だった。
これまで「辰巳センセイ」にはなろう仲間の方々から16枚ものファンアートを頂戴していた。詳細は「いただきもの展示館」を見ていただきたいのだが、雨音AKIRA様から頂いた高潔な咲耶像や、砂臥環様からいただいた各キャラの漫画風イラスト、そしてクライマックスの辰巳と咲耶など、とにかく凄まじい傑作揃いである。畏れ多い。
ただ、これらはあくまで好意で頂戴したファンアートだ。宣伝に大々的に使用するべきものではないし、イラストによってはネタバレの問題もある。
今後他のサイトに掲載するときの表紙絵や、SNSでの告知用に使えるよう、新たにイメージイラストを発注することにした。しっかりしたビジュアルがあると、注目度と印象の強さが大きく変わってくる。
扉絵のクオリティは、読む側によってイコールで内容と接続されてしまう傾向がある。ラノベ界隈では「一巻が売れるのは表紙の力」と言われる……絵が素晴らしいものであれば、読者は勝手に「素晴らしい作品だ」と期待して読みはじめる。逆もしかり。
場合によっては、ゆくゆくは自費出版、電子出版の表紙に使う可能性もあるかなぁ、なんて思いつつ。
絵師さんは、しばらくネットでイラスト作品を見回って、色彩のセンスと、丁寧な仕事ぶりを見てpiyopoyo氏に決めた。
依頼は二枚セットにして、上下巻をイメージした。
一枚目は「夕暮れの公園に立つ」咲耶。
二枚目は、あえてどの場面かは伏せるが「青空の下の」咲耶。
それぞれ、色合いが対照的になるようにした。全文を読んでもらうのでは負担が大きいので、各章のプロットシートと、描く場面周辺のダイジェスト版を用意して依頼した。
……と、ここまで書いておいてアレなんだけど。
依頼しているタイミングで書籍化が決まったので、イラスト公開のタイミングを逃してしまった(書籍用の表紙など、公式のビジュアル準備も始まっているので)
でも、せっかく素敵なイラストを仕上げて頂いたので、これもどこかの機会で公開できたらなぁ、と思っている。
つづく。




