9 辰巳センセイの限界ダイエット
4月上旬、バージョン5が仕上がったところである。
書籍化3ルートだが
①編集部に持ち込んで書籍化
②公募で受賞して書籍化
③小説サイトで編集者から声をかけられて書籍化
……③が手つかずのまま残っている。
ただし「なろう」で声をかけられるには相当ランキングで目立たないと厳しい。
ランキングやポイントとは無縁、マイナージャンルで書いてきた辰巳センセイで、いきなりどうにかなる話ではない。
でも、他のサイトならその限りではないはずだ、と思っていた。
他サイトの開拓、特に人気を得て注目されるための仕掛けが必要になる。
ちょうど3月末に「ステキブンゲイ」という小説サイトが立ち上がっていた。ラノベよりも文芸よりの作品を集めるというコンセプトで、辰巳センセイとの相性も良さそうだった。
ここにバージョン5の原稿を使って斬り込めないか?
そう思ってサイトをチェックすると、
<<< 第一回ステキブンゲイ大賞のお知らせ >>>
……ほう。
新サイト立ち上げに合わせてのコンテスト。
第一回なら競争率も低くなるかもしれないし、入選作は書籍化(!)
せっかくステキブンゲイに投稿するなら、このコンテストに応募したいと思った。
要項に字数制限が付いていた。
<<< 8万字以上、20万字以下 >>>
……24万字の辰巳センセイだが、ぎりぎりなんとかできるかも知れない!と思った。
できるかも、はイコールなんとかする、が毎度おっさんの信条である。
すぐさまバージョン5から「ステキブンゲイ向けバージョン」への再編集を始めた。
方針は一つ。
辰巳センセイの大切な部分……人間ドラマの面白さを死守しながら、20%の文章量ダイエットを行うこと。
やってみたら、これマジできつかったです……(;´Д`)
丸々一週間かけて、全体24万字を3回ほど見直しながら、ひたすら削り落とし、書き換えてスリム化した。
サブキャラのうち二人は存在ごと消滅した。寂しいが仕方ない。逆に考えれば、コンテストに入賞してから、書籍化する中で本来の全長版の存在をアピールしてもいいのだ、と割り切った。
どうにか19万9700字までダイエットを完遂。スーパースリム版「辰巳センセイ」が生まれた。ただしバージョン5がベースなので、クオリティにはそれなりに自信があった。
ステキブンゲイでは三日に一話のペースで投稿し、ゆっくり秋口までかけて掲載すると決めた。急激なダイエットによって問題が起きていないか、一話一話をあらためて見直しながら投稿するので、それなりに手がかかるのだった。
つづく……次回いよいよ8まんえん完結(・ω・)




