7 大改稿Ⅱ ~なろうのみんな、オラに力を分けてくれ~
2020年 3月上旬
とげぬまレビューを受け取ると、おっさんはすぐさまなろうの活動報告にレビューを貼って、いよいよなろう仲間のみんなに「書籍化したい宣言」をした。
そして「辰巳センセイ」改稿のための意見を募集した。20件以上の丁寧なアイデア、コメントを活動報告コメントで頂いた。中でも面倒見の良さで知られるなまこさんこと、Gyo¥0-さんはわざわざ「辰巳センセイ」を読み直して、詳細なレビュー記事を書き下ろしてくれた。
一つ一つの意見を吟味し、直すべきか、直すならどういう形にすべきかの検討を行った。指摘をヒントに改稿するべき点を洗い出し、リスト化して修正作業に入った。24万字全編を相手にしての全面改稿はハードだったが、有意義で楽しかった。
かたや、さすがにもー届くだろ、届いたら改稿のヒントくらいにするか……と思っていた8まんえんレビューだが、まだ連絡もないのだった。
いいかげん呆れたので頭から追い出し、とげぬまレビューと、なろうのみんなのアドバイスを元に約二週間、睡眠時間を削って改稿作業に熱中した。
3月下旬、大改稿版バージョン4が完成した。
修正項目は、大きなところだけで十数カ所、細かい部分まで入れれば軽く100カ所を超え、ほぼ全話にブラッシュアップを施した。
でもまだ完成ではない。
できあがったバージョン4を仲間向けに限定公開した。そこでさらに追加のアイデア、意見をもらった。なろう仲間の花水木さんがバージョン4を全編通して読み込んでくれて、詳細なチェックと指摘を行ってくれた。
ここでもらった意見を元にバージョン4から、さらにもう一段ブラッシュアップに入った。
つづく
……の前に。
例の8まんえんである。
ついにバージョン4の仕上がった3月下旬で2ヶ月が経ってしまった。
少々腹を立てつつ、担当Y氏に電話した。
「プロ作家様が他の翻訳仕事で忙しいので遅れてます」
……はぁ。
すると、突然Y氏いわく。
「あ、そうだ、先生から聞かれてるんですが、文庫か、ハードカバーか、こだわりありますか。それによって戦略が変わってくるっておっしゃってて」
「……こだわりはありませんが、手軽にもてる文庫が昔から好きです。必ず完結まで本にしたいので途中で切れておしまいだけは勘弁してほしい、と伝えて下さい」
なあY氏よ。
それ訊くのが、2ヶ月放置の上に俺からかけた電話ってどうなんだ?
でも、そんなこと訊いてくるということは一応目があるのか?ほんとか?
あらためて
つづく。




