4 人の力をあてにした。8万円払う。
1月下旬
書籍化を目指すぞ!
といってもそのままぼーっとしていてどうにかなることではない。
達成するには、大きくわけてこんなルートが考えつく。
①編集部に持ち込んで書籍化
②公募で受賞して書籍化
③小説サイトで編集者から声をかけられて書籍化
……もうひとつ④自費出版で書籍化する、という選択肢もあるが、あえて触れない。内心では、5年間努力しても形にならないなら、最後の手段として自費出版も考えようと思っていた。
ちなみにタイムリミットを5年と考えたのは、辰巳センセイのコンテンツとしての賞味期限の問題からだったりする。
本編を読んでくれた方はわかると思うが、辰巳センセイは2017年から2020年までの世界を描いていて、構成上この期間を前後させることが難しい。古くなりすぎると、商業的に不利になるよね、と。
で、現時点で①~③のどれからアプローチするか。
まず古典的な『①編集部に持ち込み』だが、今はほとんどの会社が新人の個人持ち込みを断っている。文芸で実績がない(つまり新人の)おっさんには難しい。
おまけに辰巳センセイは、新人の一冊目として考えると分量的に長すぎる。このルートを狙うなら、それこそ別の作品で『②公募で受賞』を射止めたあと辰巳センセイを持ち込む、という流れが順当かもしれない。
ただ、費用をかければ可能な手段として、エージェント系のサービスを利用する手があると聞いた。エージェント企業や、企画の紹介を行っているメールサービスを利用して、自作を出版社に売りこんでもらう方法だ。
印税の相当部分をエージェントに支払うことになるので、収入は大幅に減ってしまう。それでも手間だけで見れば最も楽な書籍化ルートになのかもしれなかった。
「一応、そういうサービスもあるんだけどねぇ……」と出版業界のかみさんに聞いたおっさんは「あらゆる手段を使うが信条だし!」と何はともあれ依頼してみることにした。
貯めたヘソクリでエージェントA社に依頼した。
1万円をオプションで支払うと、外部のプロ小説家に読んでもらえるとあったので、どうせなら、と合計8万円(!)ほど支払った。
なお、このお金は、A社に読んでレビューを書いてもらうための前金である。
その上で商品になる、とA社が判断した場合は、契約してから出版社への売り込みをしてくれる。書籍化が決定したら印税をエージェントと分け合う。
……冷静に考えると、読んでお断りするだけでもA社の丸儲け。
すぐ本にできる原稿だった場合は、出版社に紹介するだけでA社に印税がっぽり……かみさんは「虫のいい商売にも見えるんだよね」と冷ややかだったが、新人が出版社に直接持ち込めないのだから仕方ない、と割り切った。
申し込んで、結果は一ヶ月後と言われたので、まずはそれを待つ。
ま、予想がつくと思うけど、ぶっちゃけこの会社、k(自粛)
つづく!




