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外道魔法少女ルナ  作者: door
<第1部>
62/98

62. 試練終結

「お前なんかよりも、あいつの方がよっぽど好感を持てる人間だってことだよぉ! 〝ヴァールーナ・イーマ・エッサイム!〟」


挿絵(By みてみん)


「ヴァーーーーーーーーーーーーーーール!」


「お前の提案なんか誰が受け入れるかよ! 行けぇ! 悪魔神ヴァールーナ! ケルベロスをぶっ倒せぇ!」


「ヴァーーーーーーーーーーーーーーール!」


「愚かな……。力の差を思い知るがいいです! ケルベロスちゃん!」


「グゥオオオオオオオオオオオオオオオオ!」


 〝悪魔神〟と〝炎の三頭犬〟の激突。


 獰猛なケルベロスがヴァールーナの胴体に喰らいつき離さない。


「グゥオオオオオオオオオオオオオオオ!」


「いいですよ! ケルベロスちゃん! そのままそいつを倒しちゃってください!」


「ふん、その程度か?」


「え……」


「てめえのいう力ってのはその程度かって聞いてんだよ!」


「な……!」


「教えてやる! 力ってのは、こういうことだぁ! ヴァールーナ、れえええええええ!」


「ヴァーーーーーーーーーーーーール!」


「キャイイイイイイイイイン!」


 一瞬のことだった。


 ヴァールーナが力を解放した際の衝撃派で、ケルベロスの四肢はバラバラに吹き飛び、白い部屋に肉片が飛び散った。


「そ、そんな……。あ、あの魔獣ケルベロスが、一撃で……」


 エスメラルダがわなわな震える。


「ふん! ようやく表情から余裕が消えたなぁ! いい顔になったじゃねえかメス豚ァ!」


「ヴァーーーーーーーーーーーーール!」


「ひ……」


 ドゴォオオオオオオオ!


 ヴァールーナの放った魔導派がエスメラルダの左腕をかすめ、後ろの壁を破壊した。


 かすめた衝撃で髪と服が少々消し飛んだみたいだが、大したダメージじゃない。


「殺しはしないさ。この空間でお前に死なれたら、俺たちが閉じ込められちまうかもしれないからな。さあ、これで最後の試練もクリアしたぞ。さっさと俺たちを元の遺跡に帰してもらおうか」


「は、はひぃ……。試練、クリア、ですぅ……」


 力が抜けたようにその場にへたりこむエスメラルダ。


 スカートが徐々に濡れてきたかと思うと、床に黄色い水溜りが出来上がった。


 失禁してやがる。


 少し、やりすぎちまったか?


 まぁ、いい。


 何はともあれ、これで終わった……。



   ☆☆☆☆☆



 なゆたの魔法で澪・セレナ・来果が回復すると、俺たち五人はエスメラルダから〝賞品〟を受け取った。


「さあ、これがお約束の魔法アイテムです。魔女の試練をクリアした証」


 エスメラルダから受け取った魔法アイテムは指輪の形をしていた。


 全員同じ形の指輪だったが、埋め込まれた宝石の色が違う。


 俺のは、またしてもというか何というか黒い宝石だった。


 セレナのは白。


 来果は紫。


 澪は青。


 なゆたは灰色だった。


「それぞれの魔法の特性に合わせた強力な魔法アイテムです。今までとは段違いの効果の呪文の取得が期待できます」


「そうは言っても」


 セレナが口を挟んだ。


「どうやって発動させるんですか、これ。つけてみてもステッキに何の反応もないんですが」


 右手の薬指にはめた指をしげしげと眺めるセレナだったが、指輪も右手に持ったステッキも何の反応も示さない。


「いずれ必要になったときに発動するでしょう」


 エスメラルダが静かに言った。


「第四の試練でルナがヴァールーナ・イーマ・エッサイムの呪文を目覚めさせたように」


 やはり、魔法アイテム毎に発動条件は異なるか……。


 セレナに最初に見せてもらた本のように書かれた手順を踏めば呪文を登録できる簡単なものから、ヴァールーナが宿っていた宝石のように、魔法そのものが主人と認めるまで発動しないもの……。


 この指輪の発動条件はエスメラルダが言うには〝必要になった時〟らしいが、漠然すぎててわからないな。


 まあ、ピンチになった時に発動するくらいに考えておこう。


 帰る前に解決しときたい謎は他にもある。


 それはつまり、エスメラルダは一体何者なのかってことだ。


 こいつはどう見ても人間の少女の姿をしている。


 メルヴィルがリス、バビロンが犬、ルーニャが猫、バーナードが鳥といったような容姿をしていたことから、こいつが精霊界の人間とは考えにくい。


 精霊界にも〝人型〟の精霊がいないとも言い切れないが、こいつはどうも違う気がする。


 だとしたら、こいつの正体は………。


「さあ、それでは皆さんを元の遺跡にお戻しします」


 エスメラルダがステッキを頭上に掲げ、何やら長い呪文を詠唱し始めると、俺たち五人の足元に魔法陣が出現した。


 く……まだ訊きたいことがあったのに!


「一人の死者も出さずにこの試練をクリアできたのは、あなたがたが初めてです。あなたがたなら、きっとウォーゲームの本戦でも勝ち抜くことができるでしょう。では、またいつか会えたらいいですね♪」


「待て! エスメラルダ、お前の正体はもしかしたら……」


「さようなら~♪」


 確信に迫る質問をすることができないまま、俺たちは魔法陣の光に包まれていった。


さて、コミコ掲載分も、残すところあと3話となりますので、もう少しお付き合いください。

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