45. 一番気にしていること
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そして、現在……。
「マスコットキャラクター交換……確かにそれなら互いに疑心暗鬼にならずに平和に同盟を結べますね!」
「さっすがルナ先輩! 来果じゃそんなの絶対に思いつかなかったです!」
ここに至るまでの経緯を説明すると、セレナと来果は各々賞賛の言葉を口にした。
「でも、なゆたさん達が表れたのをみて、咄嗟にそんな提案ができるなんて、流石はルナさんですね」
セレナがそう言ったのを聞いて、メルヴィルは何やら言いたそうな目で俺の方を見つめていた。
「(いや、これは咄嗟に考えたことじゃないワン。おそらくルナはあの時からいずれこんな局面がくることを予想していたハズだワン……)」
そう。
あの時から――。
☆☆☆☆☆
「ふーん。でも、いつかは決めなきゃならないんだろ?」
「そうだワン。新たな魔法少女の任命は、敵の魔法少女を倒した日から、13日以内にしなければならないとちゃんと決まってるのワン」
「やっぱり、日数による制限はあるか……。じゃなきゃ、いつまでも魔法少女を任命しないことで、戦いをワザと遅延させる奴が出てくるもんな」
「その通りだワン。ちなみに、13日を過ぎると、地球上にいる女の子から一人がランダムに魔法少女に任命されるワン。その時点で、その子は誰の配下にも属していないから、その子と最初に接触した精霊がその子を配下にできるのワン」
ようするに、早い者勝ちになるってわけか。このルールはなかなか興味深いな。
俺の考えが正しければ、これが重要になってくる局面が必ずやってくることになる。
(第4話より抜粋)
☆☆☆☆☆
――そう。
俺はあの日、メルヴィルに〝精霊は敵の魔法少女を倒した時から13日以内に次の魔法少女の任命をしなければならない〟と聞いた時から、敵の精霊を奪い、監禁することで領土の拡大を防げること、そして、互いの精霊を交換することで国同士が同盟を結べることに気づいていた。
だが、その時は、先に自国の領土をある程度増やしておく方が、同盟を結んでから有利になると考え、序盤はそちらに専念することにしていた。
だからこそ、最初になゆた達に採石場で会った時は、同盟を結ぼうとは考えずに倒そうとした。
あの時は、例え同盟を結んだとしても、合計の領土は5で、過半数には届かなかったし、何よりもなゆたとは考え方が合わなかったからな。
しかし、今回の状況では、同盟を結んだ上でバーナードの国を討ち滅ぼし、その領土を互いに山分けしてしまえば、合計の領土は7になる。
全体で13しか領土が存在しないこの戦いにおいて、過半数の戦力を握ることがいかに有利かは、なゆたと俺の考え方の相違など軽く超越してしまうメリットがあった。
現実の国家間の戦争でも、イデオロギーの異なる国家同士が、戦略上の利害関係の一致の為に手を組み、共通の敵を倒すなどよくある話。
第二次世界大戦の時のアメリカとソ連がいい例だ。
だが、共通の敵を倒し終えた時、即ち俺たちの連合国家が13の領土を手中に収めた時、何が起きるかは歴史が証明している。
ナチス・ドイツや大日本帝国を倒し終えた時、アメリカとソ連がどうなったかを考えればいい。
そう――すなわち、世界の主導権をかけた〝冷戦〟の始まりだ!
澪、なゆた……。しばらくはお前たちの仲間でいてやろう。
俺たちの連合国家が13の領土を全て掌握したとき、お前たちが俺に従うのならそれでよし。
もしも歯向かうのならば、容赦なく叩き潰すだけだ。
それまでは束の間の友情ごっこを楽しんでやるぜ。
フハハハハハハ!
「じゃあ、仲間になったのを記念して、自己紹介しようよ!」
なゆたが楽し気に切り出した。
俺たちと仲間になれたのが、よっぽど嬉しいらしい。
「私、榊原中2年の朝日奈なゆた! ほら、澪ちゃんも!」
「青山中2年の蒼井澪……」
「私は紫苑中2年の柊セレナです」
「同じく紫苑中1年の時峰来果です!」
次は俺の番か、と口を開きかけた時、なゆたのこんな台詞がそれを制した。
「なるほど! 二人はやっぱり中学生なんだ! じゃあ、この中じゃルナちゃんが一番年下だね!」
「ん? 俺が年下? なんでそうなるんだ、なゆた?」
「え? だってルナちゃんって小学生でしょ?」
「あっ――」
「それは禁句――」
セレナと来果が焦っているのがわかった。
そんな仲間の気遣いが、余計に俺の怒りをかき立てた。
「お、俺はこう見えてもお前と同じ中2だぁー!」
「ええええええ!? その身長で!? どう見ても小学生だよぉ!」
「てめえ、やっぱりぶっ殺してやる!」
「お、落ち着いてくださいルナさん!」
「そうですよ! 背が低いのはルナ先輩のチャームポイントです!」
なゆたに即死魔法を放たんとする俺を、セレナと来果が羽交い絞めにして止める。
「は、放せ、お前ら~! よりによって人が一番気にしていること言いやがって! 俺は中学生だ~! 小学生じゃない~!」
俺の怒りをよそに、澪もルーニャも驚いた顔をしていた。
「中学生だったんだ……」
「中学生だったんだニャー……」
「確かルナの身長は140センチもなかったハズ……朝礼の時は一番前が指定位置のチビッ子だワン! きっと成長に必要な栄養が頭と性格の悪さに全部持っていかれたのが原因だワン!」
黙れ、メルヴィル! また漬物石にするぞテメエ!
何よりもムカつくのが、なゆたに悪気があるわけではなく、素で言っているということだ。
「ご、ごめんね、ルナちゃん! 背なんてその内伸びるから気にしない方がいいよ!」
うるせえ! 余計なお世話だ!
ああ! クソ! やっぱりこいつとはとことん馬が合わない!
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