Four Leaf For Life
短編予定です。
「今日も探すのか?四つ葉のクローバー」
昼下がりの、この時間はクローバー探しが最近の恒例となっている。
「うん」
少女は、当然だと言わんばかりに答える。
「ああいうのは、偶然のラッキーで見つけるもんさ中々見つからんよ。」
「偶然のラッキーに頼ってるようじゃダメだよ。毎日探せば必然のラッキーになるよ。」
少女は、わかってないなあというような表情で言う。
「拘るね。」
「拘るよ。今もクローバーは私に見つけて欲しがってるからね。」
クローバーを探しつつ、少女は言う。
「言い切るね。俺なら見つかったら体を毟られるなら絶対出ていかないね。」
12歳の女の子に言い負かされるのも癪だし、少し捻ねた言い方をしてやる。
「いやなこといわないでよー。」
嫌そうな顔に、少しホッとする。まだ、12歳の女の子なのだしこうでなくては。
「でもきっと、クローバーも自分と違うものの中に埋もれてるのもいやだと思うんだ。」
彼女は、絶対にそうだよと言わんばかりの顔だ。
「そういうもんかね。」
「そういうもんだよ。」
―― ――
そんなこんなで2時間ほど時間が経った。
「さ、今日はそろそろ戻ろう。」
「えー、まだ探したいよう。」
彼女は、年相応の少女らしく駄々をこねる。
「また、明日があるさ。」
「そうだね。。まだ時間は、あるね。」
少しだけ、罪悪感を感じた。
「いつか、見つけられるといいな。」
心の底からそう願う。
「見つかるよ!だって、私は四つ葉のクローバーになるんだし。」
そう答える少女の笑顔は、夕焼けで赤く染まりとても綺麗でひどくグロテスクに感じた。