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第1話 どうして、なんで?
少女の口から本音が漏れる。
もう、やだぁ。
少女の頬を涙が伝う。
それは途切れることなく次々と流れては顎から自らの服のもとに雫となって落ちていき、丸い悲しい染みとなった。
何のために、何のためにこんなに頑張ってるの?私は。
ううん、違う。まだ何も頑張れてない、それでももう頑張るのは辛い。
誰か…助けて…。
まるで子供のように声をあげ泣く彼女の悲痛な叫びは誰のもとにも届かない。
彼女は自分の部屋でただただ膝を抱えうずくまり、涙を流す。
誰もいない家、平日の午前10時、飼っている4匹の猫のうち2匹だけが彼女のもとへやってきてからだを擦りつけごろごろと喉を鳴らす。何かを訴えるように彼女の目をじっと見つめながら。
喋らなきゃ分かんないよ。
彼女は心の中でそう言うと一層声を大きくして泣く。きっと今彼女に必要なものは…。




