第七十五話 激戦
ついに始まる激戦苦闘。数々の試練を乗り越えてついに挑むは地獄の反逆児だった冥浄王マリーネ。
眞石版編、最終章開幕!!!
再び暗闇の中。
男は笑っていた。そして呟いている。
自分の身の上を。自分の野望を。更に自分が何をするべくここにいるのかという存在理由を。最後に、なぜに殺されている自分が今ここで息をしているのかということを…。
しかし、それはあまりに小さく、聞き取れることは少なかった。聞き取れたことはただ一つ。
彼の名前。
確かに血だらけのその青年はつぶやいていた。
自らの名を。
シャガンと、呟いていた。
「獄来冥波!!!」
叫んだマリーネの右手の刀…それが黒い波を発し振動し始める。次第にその波は大きくなり剣の横幅の三倍ほどになった頃、マリーネはその剣先を竜太に向けて振り払う。
剣先から放たれる黒い闇は竜太の視界を奪いつつ竜太の周りを包み込む。その中で竜太は覇凱一閃を振り、闇を斬る。
「消えろ消えろ消えろ!!!切り裂きジャックはすべて消えろ!!!この世に必要なのは絶対的な破壊!!唯一無二の存在、冥浄王マリーネ!!!」
叫び、狂いながら剣を振り、暗闇を飛ばすマリーネは左手の剣御剣に、電撃をまとわせそれをも振った。
「唯一無二の神様はお前じゃない!!!」
襲い掛かる暗闇一つ一つを確実に切り、マリーネの近くへと進み寄る。
そしてついに、マリーネの前に来た竜太はマリーネを蹴飛ばし、地面へと転がす。地面はところがしたマリーネの首の近くに覇凱一閃を突き刺す。
「お前はこれで終わりだ。おとなしく豪火竜を返せ」
刺した覇凱一閃を斜めに傾け竜太は問う。
首の近くに刺さった覇凱一閃を横目で見つつ、マリーネは答える。
「あれは渡せない。あれは私の中枢核と同一のもの。あれは外に出すことはできぬものだったのだ。外に出してどうなる!?結果がこのざまだ。お前という名の糧を手にした龍魂剣は数々のものを壊し、斬り、捨ててきた。それは私がなすべきこと。お前とこれとではしてはならぬものだ…。ゆえに…故に私は渡すことを拒み続ける!!!地獄帝道具獄帝の閃光!!」
次の瞬間、突然あたりが白一色に包まれ、何も見えなくなる。ただ、聞こえてくるのはマリーネのささやき。
「決して渡すことなどない。あれは私と同化した。同化したものを取り除くなど無理難題!!!貴様のような軟弱者では幾歳かかってもかなわぬものだ。諦めて去れ!」
そして竜太はそれにこたえる。
「それは、お前ひとりの無理難題。他人全てが出来ぬ事ではない!!!」
音を頼りに、竜太は切り裂いた。
「俺は壊し、壊し壊し、すべてを殺す。その為に…」
眞幻想は腰から双方の剣を抜き、構えをとる。
すべてを壊すために…。
次回、ついに始まったマリーネとの戦いに終止符!!!そしてシャガンと名乗った血だらけの青年は!?いまだ意識戻らぬ操り人形とかしている眞幻想はいったい…!?切り裂きジャックは殺しません!!!史上最大の長編となった眞石版編の最終章が近いと思います!!!!
第七十六話【ついに通算百話!!!】 乱入