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第六十二話 再起

傷ついた体の痛みをこらえ、目を開いた竜太が見たのは砂煙が次々と上がる島だった。

そこからかすかに悲鳴が聞こえてくる気がする。

「あれは・・・?」

竜太はあれをどこかで見たような気がする。

それをはじめて見た時は、絶対に見たくないと誰かに言ったはずなのに、話を聞かない誰かのせいでそこに連れて行かれたはずだった。

「あれは、切り裂きジャック総本山・・・!!!」

隣で亮祐の悲鳴に近い声が聞こえる。続いて、八迫の声も聞こえた。

「あいつらは、あそこに何があるのか知ってやがるのか。あそこは獄門が封印されている場所だぞ!?」

亮祐がその言葉に続ける。

「あいつらは総本山を壊して開門するきなんだ。マリーネが言ってた二世界の統合ってのは、本当の意味での統合なんだよ・・・」

理緒が地面をへこませる。

「私達は何であんなふざけたやつらなんかに何度も!!!何度も地面に抱きつかなきゃなんないのよ!!!ふざけてる!!!ふざけてるふざけてる!!!!」

竜太は一人、沈下し始めている地面の淵でうなだれて島を見ている。

「ふざけるなよ、切り裂きジャック。貴様らは俺がしようとしていることをとめるためにわざわざ出向いてきたんだろう!?」

眞幻想が立ち上がり、叫んだ。

「違うよ。本当は僕達を勝手にさらいにきたんじゃないかぁ」と、紋太覇思ったが何も言わずに心に秘めておいた。

「おまえらは諦めるのか?桐原須藤や、ガルガンティアにもそうやってへこんだ気持ちで戦ってたのか?あほらしいな。俺は行くぞ。アイツを斬りきざねぇときがすまねぇんでなぁ。剣橋!!!」

眞幻想は剣で橋を作ると一人島へ向かおうとする。

「眞幻想!!!」

竜太は淵から立ち上がって呼びかけた。

「俺も・・・俺も行く。眞幻想。俺は、あのマリーネから大切な友達を返してもらわないといけないんだ。だから、俺は行く。俺は、行くんだ。」

竜太は自分に言い聞かせた。

「ならばそこでじっとしてないで自分で動いたらどうだ!?」

眞幻想は竜太の目を見て語りかける。竜太はその目を見て頷いて、一歩を踏み出す。

「敵は、総本山にあり!!!」





竜太と眞幻想が言った後、八迫と紋太が同時に立ち上がる。

「俺は、へなちょこ竜太の無様な姿、見たいからさ。ちょっとばかし、行ってこようと思う」

「僕は、今行かないといけないような気がするから、行ってくるね」

その二人の声を聞いて亮祐も立ち上がる。

「やっぱ、俺だけ行かないとアイツにバカにされっかもしんないしな。それだけはなぁ・・・。竜太に馬鹿にされるってほど嫌なことはないからな」

三人は残されている剣の橋を見つめる。

まだ、先を行く二人の駆けていく姿が少しずつ小さくなっていく。

「今なら、まだ・・・間に合うんだ。俺達が追いかければ間に合うんだ」

亮祐が呟き、駆けていく。

それに続いて紋太と、八迫が駆けていく。


そして、一人残されたのは理緒だった。

ただひたすらに地面を濡らしている。

「バカじゃないの・・・?何度挑んだって勝てないじゃない。毎回毎回最後は私達が逃げて・・・。一回でもあいつに勝ったこと、無いじゃない。それで?また私達は痛い思いをするためにあんなところに行くっていうの!?そんなの、あんたたちなんかに・・・。あんた達なんかで勝てるわけないじゃない。バカ。馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!!!!そんなの黙って一人で見ていられるわけがないじゃないのよ!!!」

そう叫ぶと、すでに前には見えない四人の姿を、すでに崩れかかっている橋を出来る限りの全速力で走っていく。その走った先から壊れていく橋を一生懸命は知り終えるとそこには、少し前まで町として機能していた廃墟が存在していた。



「あっあの!!!どこにいくか・・・わかってるの!?」

竜王はいまだ肩を組んで歩いている獣王に尋ねる。その竜王の問いに鼻歌を歌っていた獣王は答える。

「あそこで派手な爆発があがってるだろぉ!?まぁ、お前は小さいから見えないかも知んないけどなぁ?とにかくそこで爆発が起こってるわけ。そこに行こうとしてんだけど、マリーネェん奴ら破壊工作が早くてぇ・・・。とても追いつけていない状況なわけだよぉ」

魚王はその二人の後ろを黙って歩いている。

『はぁ・・・。かわいい。かわいいですのぉ・・・。竜王・・・。あたくし、本当に竜王に惚れてしまったのかもしれないですわぁ・・』



「そういえば、何ゆえ反逆王はこのような場所に?」

鳥王は先頭を行くマリーネに尋ねる。

「そうだよ~♪何でこんなエキサイッティングゥ~なとこにくんのさ♪まぁ、俺エキサイティングで好きだけどね♪こーゆーとこぉ♪」

魔王もそれに便乗して、踊る。

そして・・・。マリーネは口を開く。

「ここは、切り裂きジャック創設者のシャガンが地獄とこの世界を繋ぐ門をこのちで、あの本殿の地下奥深くに厳重に封印したからだ。我らは、その封印をときに、あれを壊す」

次回、第六十三話 本殿〔仮〕

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