第五十六話 団結
紋太がはなったトラベラーからの煙で何も見えなくなっている地下。
そこで、紋太はどこからマリーネが襲い掛かってくるのかということに全神経を集中させていた。
しかし、マリーネの気配を読み取ることは出来ず、紋太は突然煙の存在を否定して目の前に現れたマリーネを見て腰を抜かした。
「どうしましたか?まだまだ、消耗してないのですけれども???」
煙がまだはれぬ中、マリーネは不適に笑っていた。
「くそっっっ!!!何でアイツに勝てない!!俺は絶対石版を取り返してみせる!そして地球を救い出すんだ!!!!!」
双剣を出し、杖代わりに立ち上がった眞幻想は一人、地下に降りていった。
「俺は!!!アイツを超える!!!超えて、リ・イマジネーションをはたすっっ」
一人、そういい残して降りていった。
「ほら、バカ竜太。あんたが一人ここで這い蹲って何も変わらないでしょうが。あんたが・・・私達がとっとと地下に行ってマリーネ突き飛ばして、豪火竜を助けなきゃいけないでしょう!!!私達の、六人目を助けなきゃ、何も終わらない、終われないでしょうが!行くわよ、バカ竜太」
理緒がそう叫んで一人、立ち上がった。
「おい、バカ竜太。いつまでもそこでころころねっころがってないでとっとと、終わらせて本部直さなきゃ何も出来ないだろぉ?本部は今だってボロボロのままなんだ!急いで直すんだ。行くぞ」
八迫が立ち上がり、理緒の隣に並んだ。
亮祐が「よっこらせっ」といって立ち上がり、無言のまま理緒と八迫の隣に並んで振り返った。
「ほら、とっとと助けに行くんだろ!?お前待ちだ。来いよ、竜太」
亮祐は手を差し伸べた。
竜太は一人地面を見つめ手を伸ばした。
理緒が、八迫が、亮祐が、その手をつかんで起こしてくれた。
「行こう。全部終わらせに。そして、助け出しに」
切り裂きジャックは地下へと降りていった。
紋太は一人、未だマリーネに立ち向かっていた。
「貴婦人舞踊」
暗殺剣で紋太を突き、それを避けた紋太の後ろに龍魂剣を構えた。
「炎神飛来火」
それをかわす技能を紋太はもっておらず、それを喰らってしまった。
そして、地面に倒れた紋太にマリーネは囁いた。
「私、体力を消耗なんてしていませんけど!?少年よ、君は何がしたかったのか、教えて欲しいものだなぁ」
そして台座に歩み寄り、一枚目の石版を手にしたとき、石版を持っていてマリーネの左腕が落ちた。
「その石版は俺のものだ。それをお前に使わせることはしない。かえせ」
入り口付近には眞幻想が立っていた。
「それは俺の物だ」
眞幻想は静かにそう伝えた。それを見たマリーネは眞幻想に語りかけた。
「これが本当に自分の理想を叶えてくれる物だとでも思っているのか・・・?これは理想を叶えるための物ではない。よみがえらせる物だ」
眞幻想は新しく知る真実に驚愕した。
「これは、瞑浄王の石版。何知らない者が使うような物ではないのだよ」
三枚の石版の所有者マリーネによって語られる石版の真実。
瞑浄王とは!?
次回、第五十七話 石版【仮】