第四十七話 仲間
「眞幻・・・」
助けを求めた阿蘇雨竜の顔を踏みつける。
「邪魔」
そのまま首を斬った。
その場に居た誰もが眞幻想を見た。
仲間を簡単に捨てる眞幻想の本当の姿を。
「さぁ、かかっておいで」
眞幻想の体を無数の剣が取り巻いた。
「獄凛一閃」
その取り巻く多数の剣で竜太をついていく。
「我のこの剣の鎧、鎧鉄剣貴様には敗れることがない。さぁ、恐れおののけ、そして恐怖に敗北しろ。構築の生贄になればいい」
その言葉で辺りは戦場となった。
「・・・。全員、そうやって切り捨てていくのか?」
竜太の質問に眞幻想は当然とばかりにうなずいた。
「お前のことを信じてついてきた、大切な人でもか」
この質問にもうなずいた。
竜太は躊躇なく切りかかった。
「其処に開きなおれぇ!」
竜太が眞幻想を相手にし、理緒が残りをまとめて遊戯している。
「地球は、人間が戻していく!お前らみたいな一方的なごり押しじゃ解決なんかしない!」
竜太が力で押して眞幻想に言う。
「ちがう、違う違う違う!人間はこれまで一方的な権力で地球の財産、資源を奪い取り枯渇させてこの美しい星を廃墟にしようとしている!許されない!この星は生まれ変わるべきなんだ。そのために俺達人間はすべて駆逐し、美しい惑星へと戻すんだぁぁぁぁ!邪魔、するな!」
眞幻想はすべての力で竜太の剣を斬り砕く。
竜太はそのたびに新しく創造して壊されて創造して壊されてを繰り返していた。
五本目の剣が砕かれたとき、竜太は叫んだ。
「地球の未来を勝手に破滅に確定するんじゃねぇ!」
そう叫んで、眞幻想の足を切りつけた。
理緒は囲まれていた。
親鸞霧に。
幻柳駄由に。
そして蝶微茨の三人に。
すでに三人の体力は削ったはずだった。
しかし、倒れない。
こうなったときの対処法として一つ教えてもらっていたことがある。
首を折れ。
一人ずつ、確実に首を折れ。
それは、怪力がなければ出来ないことであって、普通の少女ではない理緒は出来てしまうこと。
まずは、親鸞霧から。
あのうっとうしい木偶使いから。
「こっちに向かっ「このお人形遊びのイイ大人、待ちやがれ!」あいてしてやろ」
親鸞霧の弱点、話の最中にかぶることが理緒には見抜けていたらしい。
そして、鬼ごっこが始まる。
彼らの根城の屋上で。
隠れる場所も少ない、そんな場所での鬼ごっこ。隠れる場所は、屋上と最上階のみ。
目的に気がついた二人は追いかけている・・・が。
次回、破壊による破壊。
木偶使いを追う理緒の一騎打ちにそれを追いかける二人。
そして地球をリ・イマジネーションしようとする眞幻想と戦う竜太。
木偶化が解けぬまま倒れている八迫、亮祐、悶太の三人の運命は。
第四十八話 木偶