第二十四話 は味噌胡瓜になった
貴方は、忘れている大切な人はいませんか?思い出して下さい。大切な人を。
第二十四話 は味噌胡瓜になった
俺は味噌胡瓜。仮名だ。
「俺は何で・・・。」
生前の記憶が全くない。消えている。不可思議だ。
「味噌胡瓜・・・。君に真実を教えよう。」
淵が、光だし、淵ではなくなった。
「私は鷹斗。ここの守護者兼番人兼献立係だ。君がなぜここにきたのか、教えよう。君は、君が心を許した相手を覚えているかな。一文字悶太だ。彼に送った魔法の杖は、実はあれは不良品で、本当に一度だけ願いが叶う薬を入れてしまったんだよ。そして喧嘩した君に対して悶太はその願いを使ってしまったんだよ。」
そして味噌胡瓜に鷹斗は、真実を告げた。
「その力は、リセットボタンも何もない。君は、味噌胡瓜としての一生を送るんだよ。」
その真実は、味噌胡瓜に、あまりにもこくだった。
「それか、君が悶太に呼びかけるか。どちらかだ。」
味噌胡瓜は、覚悟を決めた。
「キュルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥッゥ。」
竜太が死者の面をかぶっているかのように本部の勉強部屋、竜太専用になりつつあるに入った。八迫が般若の面を着けて竹刀で首に当てている。
「あはぁ・・・・。」
般若の面がかすかに笑ったような気もするのだが・・・。竜太は目をそらした。
悶太は頭を抱えていた。夢に出てくる、誰か。あれは誰なのか。
彼と自分は、いつも一緒にいる夢だ。誰なんだろう。そんなことを思うが、誰かも分からない。けれども、その彼は、必死に呼びかけてくる。
ーなんだよぉぅ、忘れちゃったのかよぉぅ。ひどいなぁぁ。悶太はぁ。じゃぁ、ヒントねぇ。記憶が忘れてしまっても、心が忘れてしまっても、悶太のどこかに俺はいる。俺は、悶太のどこかにいる。それを悶太がどこなのか分からないだけ。だから、早く気が付いて。俺達、パートナージャン!?ー
「りょ・・・・祐・・。」
つぶやいた次の瞬間、悶太の頭が割れた・・・・かのようにがんがん・・・がんがん・・・ステレオを耳にくっつけて最大音量にして聴いたときのような・・・・ないけど。そんな音が頭の中に聞こえて、悶太は、その場で倒れた。偶然、ジャックがかつつ・・・・んと言う音を出したため、八迫がすぐに出てきて、悶太の部屋・・・・ の家の悶太と の部屋のベッドへと寝かせた。
「りょ・・・祐。」
それはうわごとのようにも聞こえたが、きちんと、その場に集まった全員の記憶の棚をこじ開けた。
から・・・・・・・ん
記憶の棚の鍵がはずれ、四人の記憶に が帰ってきた。
「悶・・太。」
嬉しくなって、 は、亮祐は、悶太に抱きつこうとした。だが、理緒が許さなかった。
「その汚らしい筒、しまうぇぇぇぇぇ。」
理緒が振り上げ、下ろした美脚は、亮祐の露出されていた大切なところに超クリティカルヒットし、亮祐は、局部を押さえ、うずくまり、おえつを派手に漏らした。そして、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!」
声にならなかった叫びが、屋敷に木霊しまくった。
何時間かすると、亮祐は立って医者に局部を見せていた。
「何でこんなに赤く晴れ上がって、青胆になってるんですか。」
その問いに出る答えは、赤面した亮祐の口からは出せなかった。
「ぷ・・・プライバシーです・・・オホホホホホホ。」
理緒が部屋のドアを開け、答え、ドアを閉めた。
「み・・・みるな。馬鹿野郎。」
亮祐の叫びも無視して男二人はジーと医者の後ろに立ち、見学していた。悶太は恥ずかしそうに顔を隠しているふりをしていた。
「ははー。夫婦喧嘩ですね。」
「違います。」
部屋の中からと、外から、同時に聞こえた。
彼は中片亮祐として、この世界に帰ってきた。
それが、一文字悶太には嬉しいんだよ。
思い出せなくても、いないことはないはずです。必ず、いるはずです。その人を決して忘れないように・・・。
須藤のような道を歩もうとしていたら止めて下さい。