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切り裂きジャックは殺しません!!!  作者: 和呼之巳夜己
巨大な機械兵二号機編
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第二十一話 空軍機より殺意を込めて

悶太入院中に亮祐と、八迫のタッグ炸裂・・・・してない・・・。竜太、がんばれ。主役が奪われつつ在るぞ。

第二十一話 空軍機より殺意を込めて


「貴様の情報、ありがたくちょうだいした。桐原須藤。感謝する。」

須藤が腹部を押さえてうめく。

「うがが・・・ぃ・・。」

「我が名は、メリアーサ。ガルガンティアに次ぐ二号機なり。切り裂きジャックを殲滅する、二号機なり。」

「メリ・・・アーサ・・・。」

その名前を知っているかのように、須藤はつぶやいて、倒れた。

「ディア博士は、息子を倒すためにも私を作ったのだ。桐原須藤。あの技は、貴様だけに食らわせるという目的ただ一つのために作った物だからな。しかし、切り裂きジャックは強いのだな。我の兄、そして貴様を倒すことを目的としたこの技を開発するのに七年間もかかったのに、使わずに、勝てたのだからな。成仏してくれたまえ。アーメン。それではさらばだ。」

「とうさ・・・・ぐ・ぐほっ。」

「桐原須藤の死を確認。次期目標の平田竜太含む切り裂きジャック殲滅に切り替える。」

そう言ったメリアーサの形は飛行機に変わった。最新式の飛行機。追尾型の銃弾を搭載した、飛行機。それは、静かに宙に浮くと、空のかなたへ消えていった。桐原須藤の、冷め切った亡骸を、残して・・・・。風が、意味もなく、ただ野次馬のように、吹いて、遠ざかっていった。


「またあなた達ですか・・・いったいどれだけ無茶をしているんですか。」

病院の看護婦長がため息混じりの顔で、叫んだ。

「桐原須藤と決着をつけてきました。」

亮祐の疲れ切った声で聞いたその単語を聴いて看護婦長の顔が青ざめる。

「良いです・・・・。行きますよ。悶太君以外は適当な治療を。悶太君は大変な風邪なようなので、集中治療室オホホに入れます。」

「その名前、何とかならないんですか・・・。」

理緒が冷たい顔で問う。

「オホホデス。」


竜太八迫、亮祐は再び前回と同じ部屋に、悶他は集中治療室オホホへと入院した。

「悶太・・・。」

悶太の安否をみようと亮祐が行くと、理緒が椅子を渡した。

「座れば。けが人さん。」

「うん。」

亮祐は、三十分弱、悶太をみていた。悶太は、脂汗を流しながら唸って苦しそうにしている。

時々、単語をつぶやく。

「亮祐。」

と言う信頼できる人物を呼ぶ声がほとんどだった。

悶太は不安だった。一人だけ、この部屋にいるから。いつもいてくれるはずの兄弟分の亮祐がいないから。

「ごほ・・・ごほ・・・・。」

悶太が咳をする。

「ぐう・・・・。」

亮祐が右胸を押さえてうずくまる。

ポケットを探って薬を出し、飲んだ。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」

理緒がいつの間にかでていったのか、ジュースを持って帰ってきた。

「はい。」

亮祐は受け取る。

「あり・・がとう。もう、帰るわ。」

亮祐は、何事もなかったかのように病室へと帰っていった。


病室に帰ると、まだ竜太と八迫は寝ていた。

あの看護婦長が入ってきた。

「亮祐君。治療するわよ。その持病の。」

看護婦長が、にっこり笑って亮祐の首に百乱刀を当てる。

「げぇ?あなたもしかして・・・。」

名前を言う前に、百乱刀が首筋に当てられて亮祐が黙った。

「さあ。行きましょうか。」

刻々とうなずいた亮祐にわざとらしく急所をはずし、峰打ちさせた。

「ぐぅ・・・・」

亮祐は、倒れた。




「亮祐君、そろそろ起きなさい。」

眼をあけると百乱刀ではなく、聖竜刀があった。

「先生、いくつ剣持ってるんですか。」

亮祐を学校で教えていた先生は、答える。

「君が生徒だったときは、三百。今は、しぇーん。」

変なポーズを取って亮祐達三人の学生時代の教師先生は、病室を立ち去ろうとした。

「そうそう。もう君は退院ね。」

そう言い残して今度こそ、退室した。

亮祐は悶太の病室に行った。

「亮・・・祐。」

悶太は弱々しく亮祐のほうを向いた。

「悶太。大丈夫だ。もう、俺はここにいるから。お前が治るまで。」と亮祐は言おうとしたのだが、途中までしかいえなかった。

「うわぁっ。」

病室が揺れた。

「でてこい、切り裂きジャック、ガルガンティアの恨みにより、私が貴様らを排除する。」

亮祐は、悶太の病室の窓から外を見た。

「くっ。」

亮祐はそう言うと、病室から出た。そしてジャックを取りに元自分の病室へと戻ると、竜太は寝ていて、八迫がジャックをつけていた。あれから八迫のジャックは、ジャックになれるほどに進化した。

「いくぞ。」

そう言って八迫は、変身して、窓の外へとおりた。






「貴様らが、切り裂きジャックか・・・。」

飛行機はまるで眼が在るかのように、八迫を、亮祐をみた。

「ふふ。では私の本当の姿を見せてやろう。変形。カラボラーンネ。」

ガシャンガシャンッとロボットアニメの変形の音を効果音として自分で出して変形した。

「私は、ガルガンティアの後を引き継ぐ二号機、メリアーサ。私はおそらく勝てないだろう。君たちには。だから、僕は君たちのデータを全て取る。そして、テルターガンへと、受け継ぐっ!デラシア光球。」

カッと辺りが光り、地面がえぐれた。

「貴様らの回避能力、抜群。デラシア光球。」

よけようとした八迫と亮祐は、こける。

「ぐふ。」

「あふぁ。」

「これで避けられないだろう。デラシア光球。」

「ぐぬう・・・。」

八迫が唸る。

「防御能力、・・・・・・最強。八迫。情報、収穫。栗柄八迫データ、送信。中片亮祐、データ収集開始。」

「デラシア・ペリング!」

「遅い。メリアーサ。これで終わりだ。アドベンチャラー叩き!叩き叩き叩き叩き叩き叩き叩き叩き!ここは病院だ。場所と空気を読め。データ収集者!」

亮祐がそう言うとメリアーサは亮祐の方にデラシア光球を吐いた。しかし、メリアーサは頭から、オイルを流し、かろうじてデータを送信した。

「中片亮祐、俊敏力、攻撃力、激怒につき、七十パーセントアップ。以上、メリアーサより、テルターガンへ。データ収集。一文字悶太、及びアルティメットインビンシブル暴力女、及び平田竜太出現せず。桐原須藤との激戦の証拠なり。」

一瞬、メリアーサの頭に影が重なる。

「汀一太刀!」

理緒があらわれたが、全く傷が付かない。

しかし、メリアーサに再び影が重なった。

「全剣よ。あれを貫き、病院に静寂を。」

あの先生だった。メリアーサが二つに切れた。

「これにて、引き下がる。」

空中に浮かんだメリアーサは、爆発した。砲台と頭脳チップだけが、残っていた。誰も気が付かなかったが、一体の機械が、それを回収しに。そして、体内に吸収した。

「これでガルガンティアの頭脳が在れば、理論上は、復活が出来る。どこに在るんだ。ガルガンティアの頭脳チップは・・・。」

と、機械音で、そう言って、消えた。


「悶太。」

亮祐は、アイスクリームを持って悶太の病室を訪れた。

そして、悶太のからだを支えて起こし、アイスクリームを食べさせた。

「おい・・しい。」

悶太はそう言うと、せき込んだ。すかさず亮祐は、背中をさする。


「ありがと・・・りょ・・すけ。」

四分の三を食べた悶太はそう言って再び寝てしまった。

壁により掛かっていた理緒は亮祐に聞いた。

「亮祐。何であんたと悶太は、一緒にいるの。」

亮祐は、ため息を付いてから理緒のほうを向かずにはなしはじめた。

「悶太は、捨てられたんだ。俺が山で葡萄を採っているときに、幼稚園ぐらいの子供が泣いていた。話を聞くと、親は悶太が転んだうちに、走って逃げてしまったんだそうだ。捨てていったんだよ。それから、俺は葡萄を悶太にあげて、何とかおんぶして、屋敷まで帰った。じいやに頼んで、悶太の部屋も作らせた。でも、悶太は俺と口も・・・と言うか、誰とも口をきかなかった。食べ物も食べなかった。俺が窓から葡萄をおいてあげると、それだけは食べた。それから、布団に行ってくるまって泣いていたんだ。それからしばらくして、俺が部屋の前でドアをノックすると、俺だけ入れてくれた。そして、泣いた。そして、部屋から出ようとすると、手を握って離さないんだ。だから、俺の部屋と悶太の部屋を一番大きい部屋に変えた。それから・・・悶太は、ぽつぽつと話してくれた。そして、今の悶太がある。」

「・・・・そう。」

同情したかのように理緒が複雑な顔で答える。

「まあ、今が幸せだから良いけど。」

無理に笑顔を作って答える亮祐だった。


悶太は俺達にいろいろ教えてくれる。

そんな悶太のことが分かって嬉しいよ。


悶太と亮祐の話は、切り裂きジャックは殺しません!番外編にて公開決定。第二部に決まりました。幼稚園の年中の一文字悶太と、しょうがっこうのなかかたりょうすけおぼっちゃmのおはなしらしいよーぅ

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