第十五話 闇の淵から
あいつが突然、病院にやってきてしまった。生きてはいないはずなのに。きちんと、決着をつけたのに・・・・。いつの間にかあいつの文字が、画面上にあらわれてしまった。何であいつが?いったい、誰があいつを出したんだ・・・・。誰が脳を支配して出させたんだ。
第十五話 暗闇の淵から
竜太と悶太は、病室に戻ってきていた。
「ウガアアアアアアアアア。ウグルルルルッルルル!」
八迫が、金色の駅を身に纏わせ、暴れている。
「ウウグググググウガアアアアアア」
八迫の咆哮が、花瓶を割った。
竜太は、院長室に向かった。
ドンドンドン・・・・・
ドンドンドン・・・・・
何度もたたく。あまりに急いで動いたりしたものだから、包帯は、真紅に染まっていた。
ガチャ。
院長室が開く。
そこにいたのは、ガルガンティアの中にいたウイルスだった。
「ほう。お前はあの寄生された奴を助けにきたのだろう。入れ。」
ウイルスは、部屋に竜太を入れる。竜太が部屋に入った瞬間だった。
あの音色が鳴り響く。
ぐわーんぐわーんぐわーん。
ぐわーんぐわーんぐわーん。
ぐわーんぐわーんぐわーん。
「うぐ・・・・・やめ・・・・ろ。」
次第に意識が遠のく。けれども竜太はそのままウイルスに近寄ると、シンナーのびんをなげた。
「ぐわ・・・・・貴様・・・・・寄生してやる・・・・。」
ウイルスがさらにヴァリュームをあげる。
けれども竜太は今度はピンセットの束を投げる。
竜太のジャックをはめている手が火傷している。竜太が気絶することを、死者の面が許さない。
気絶しそうになると、その度に、死者の面が入っているジャックがものすごい熱を出す。竜太の手から煙がでる。急いでシンナーのビンに手を突っ込んだが、そのビンの中の液体は一瞬で蒸発した。竜太が膝を突いたその時。
院長室の扉が開いて、霊が実体化したウイルスに当たる。
「君の役割は、もう終わったんだよ。」
竜太が後ろを振り向くとそこには・・・・・
「ウガウアアアアアアアアグルルッルルルルル。」
金色の鎧を纏った八迫は、病室の中のものを壊しまくる。辺りはくずだらけになっていた。
「ぐ・・・・き・・ら・ど・・・・・・」
ウイルスはしゃべりかけて、故障した。
「桐原須藤・・・」
竜太はつぶやいた。そう。目の前には桐原須藤が仁王立ちで、竜太を見下ろしていたのである。
「ねえ。竜太君。君ってこんなに弱かったっけ?僕をあそこまで追いつめた君が?ああ。もしかして、君、弱くなっちゃったとか?」
言い終わった須藤の右手から血がたれる。
「桐原・・・須藤・・・」
ビーストレイクをかまえた亮祐が、金剛飛礫を放っていた。
ぐるりと後ろを向いて、須藤は言った。
「ああ。亮祐か・・・・。ふふ。僕にこんな子として・・・・怒っちゃうよ?本当に。」
そう言って血がついたてをべろりと舐めた。
「ふふふ。でも僕もまだ完全じゃない。安全でもないけどね。だからそろそろ帰るよ。またね。八迫によろしくー。」
目の前の空間を壊すと、須藤は消えていった。
亮祐は、ビーストレイクを落とすとつぶやいた。
「桐原・・・須藤・・・」
それは先ほどと同じ台詞だが、その言葉が持っている意味としては全く違うものだった。
須藤がしたことは大きい。
俺は、許せないから、立ち向かう。
桐原須藤の登場によって始まってしまったかこの死闘!切り裂きジャックとしての任務もする中、竜太と理緒の学校は共同文化祭の季節がやってきて・・・・なんと今度は五人一組で屋台バトル?
怒濤の文化祭編仮こうご期待!