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切り裂きジャックは殺しません!!!  作者: 和呼之巳夜己
切り裂き殺し復讐編
24/163

第二十四話 最後の幕開け

今回の話を持ちまして、この切り裂きジャックは殺しません!第一シリーズは完結となります。ほとんどが、桐原須藤によって奪われてしまったわけですが・・。

しかし、次の第二シリーズでは、竜太達がゲームをしているのか!と思うほどすごく大変なことになります。お楽しみに。しばしの別れです・・。

では気を取り直して書いてみたいと思います。この小説の執筆に当たってですね。楽しかったんですよ。最初は一人も読んでくれなかったこんな未熟な作者が書く未熟な物語を、今ではこんなに沢山の人が読んでくれてるんですから。

みなさん。しばらくの間、切り裂きジャックを執筆しません。別の物語も控えている物ですから。出来れば、今度はそちらを読んでくださるとうれしいです。一ヶ月もしないうちに帰ってきますから安心して下さい。


みなさん!こんな未熟な作者のつまらない物語を読んでくれてありがとうございます。次回の第二シリーズまで、しばしの別れです!ありがとうございました。

切り裂きジャックは殺しません!第一シリーズ完結!感動の嵐を呼ぶ【呼んでほしい】最終回の

第二十四話 最後の幕開け


膝をついたのは、八迫だった。八迫は、須藤に向かって死力を尽くした剣を投げつけた。その剣は深々と須藤の腹に食い込んだ。今度こそ勝った。と確信していて気を抜いていた須藤は、避けられなかった。刺さった腹を見て、そして八迫を見た。

「ガ・・・ァきさま・・・。はかっ・・・」

そしてその場にひざまずき、須藤は息絶えた。息絶えたはずの須藤はなぜかガパッと口を開けた、その場にひざまずき、そしてそのまま、口から何かを吐き出した。そのまま、砂になり、どこからか吹いてきた風で飛ばされた。

その砂のあった場所が黒く、どす黒くなっている。そこにはどす黒い玉があった。八迫は、須藤の剣が落ちているのに気が付いた。地獄の剣。それを守っているケルベロロロススは、八迫に向かって吠えた。八迫は、須藤が最後に消えた後に、転がっていった剣を拾い上げ、ケルベルロロススの方に向かって思いっきり振り下ろした。その剣は冷気を帯びた悲しげな一太刀だった。ケルベルロロススは、

「ク〜ン。キュ〜ン」

と言って消えていった。八迫は、須藤のいたところによたよたと近づいていき、須藤の遺品である剣を、その黒くなっている場所に突き刺した。

するとあたりがミルク色のような、練乳色のようなもやもやっとした煙が広がった。その煙から必死の思い出でた八迫は、下がしめっていない砂とわかり、その砂の上に腰を下ろした。

須藤との思い出に、八迫はひたった。初めて友達になり、遊んだあの日の一言一句。忘れられない。須藤のジャック抜け。呼び止められなかった自分を中傷した。あのとき止めていれば、今、ここにいる自分はおらず、ジャック本部で須藤と一緒にくだらない話をしていたんじゃないだろうか。亮祐が後からはいってきて、三人で話す。そんなことをしみじみと考えていた。そして、いつの間にか目を開けた竜太が八迫の隣に座り、剣を見ていた。須藤の剣を。そしてそのまま、遠く遠くに投げた。放射線を描くかのように綺麗な円を描き、あがって、落ちていく。龍魂剣から出す龍は華麗に出てきて空に向かっていった。いつの間にか出来た海に目をとられていた。初めてみる大きな水のたまり場に。そして、ある物が流れてきているのに気が付いた。

あわててそれを拾うと、それは、仲間達の人形だった。速攻で竜太達の元に持っていくとこういった。

「これはかすかに暖かく、そして、鼓動があります。生きています。ご主人様の魔法でどうにか・・・。」

竜太はそれを見て、悩んだ。どうやるのか。それが全く分からないのだ。八迫は、竜太の方を向くとただ、ひたすら謝った。

そして、竜太は、八迫に頼んでみた。これはどうやったら元に戻るのか。八迫は承知して、地面に円陣を書いた。それは魔法陣にも、円陣にも取れる不思議な物だった。

暗闇のこの世界、二人は、龍魂剣から出てきた豪火龍のおかげでやっと見えていたのだが、その光を、心から閉ざした。魔法陣は、光だし、あたりを光で満たした。疲れ切っている体もその光をみると、やすらいでいく。そんな優しい光だった。その光は、やがて魔法陣の周りだけになって人形が空中に浮いた。そして、人形は少しずつ、人の形に戻っていった。

中片亮祐が、人の形になって、栗柄八迫と平田竜太にまとめて言った。

「これにて一件落着。ラーメンでも食べて帰るか。」

「はい。ご主人様。」

一文字悶太はにっこり笑っていった。なぜか竜太達に言った言葉に反応してしまった物だから、あわてて口をつぐんだが。そして冷や汗混じりで付け足した。

「皆々様にもごちそうしてくれる人がいるみたいだし。」

そう言って見つめた先には財布の中を見て涙ぐむ浅尾暁の姿があった。そして大川典子の方を向いてぼそりとつぶやいた。

「少し安くならない?」

「ネギだけは譲れませんので。さあ。みなさん。こちらの浅尾暁先生がラーメンを好きなだけおごってくれます。」

朝霧徹はにっこり笑って耳元でささやいた。

「俺、アイス付き・・・な。」

財布の奥に隠しておいたクレジットカードにおそるおそる手を伸ばした。するとその手を止められた。

「私も、半額お支払いします。葱のお礼に。」

亮祐は悶太の方を向いていった。思いっきり空気を吸って、少ししゃがんで・・。

「これからは、亮祐で良いよ。別にご主人様ってわけじゃないし。本当はもっと前に言おうと思ったんだけどなかなか言えなくて・・。」

「分かりましたご主人さー」

ムグッと口を押さえ、照れ笑いをする悶太に亮祐はポケットから飴を出し、渡した。

「これでも食べとけば。」

悶太は頑張ってふたを開け、ハッカの飴を取り出して、口に入れた。理緒もゆっくりと言った。

「私活躍して無いじゃないの!今度のラーメン店では大食いの力で、活躍してみせるわよ。」

それを聞いた暁は思わず叫んだ。

「そんな力、使うなよ!」

竜太はゆっくりと口を開いた。

「・・・・・ハッピーエンド!これにて終劇!お腹へったぁー。先生。早く食べに行きましょうよ」

八迫はゆっくりと立ち上がってつぶやいた。

「じゃあな。桐原須藤。俺のーーーーーーーーー」

風の音で聞き取れなかった。そしてやっとみんなの方に体を向けると八迫は真実を口にした。

「おい。お前ら。ここからどうやって出るつもりでいるんだ。出られないぞ。」

全員一斉に

『エーーーーーーーーーーーーーーーー』


待ってましたと出てきた奴は言った。

「ここからは決して出さない。お前らはここで死ねばいいイー。人間は悪だ。貴様らなんてここで殺してやる。これで最終回だ。デス・パレード・ミランビカル」

霊体となった須藤が仁王立ちしてかまえた。そして手を天に大きく広げた。須藤の手がどんどん黒い炎で包まれていく。しかし、竜太はお腹も空いていて、いらいらしていたし、なんだかんだで最後まで待たずに技の途中で鞘に入ったままの龍魂剣をかまえて須藤の後ろにたった。

「最終回・・。お前なんかが何十行も出て良い話じゃないんだ。貴重なページ数を減らすな!怒濤の怒り無理矢理斬り!」

「最終回はそんな何十行も出てないのにー。」

須藤を龍魂剣で叩きつけた後、豪火龍はここぞ!とばかりに出てきて須藤を食べた。

「これで七百年は封印できますよ。ご主人様。」

「あっはは。七百年か。人じゃ生きてられないからなぁもうそのころには死んでるサー。」

それが終わり、みんなが集まってきたとき、一番後ろにいた八迫が、間をくぐって竜太の前に来た。八迫は、右の手の先を光らせて、こう、叫んだ。

「竜太、ごめん!」

その手を竜太につけた。亮祐は、思わず叫んだ。何をするか、知っていたからだ。

「止めろ・・・八迫!」

「ホニャミショカラミネアッタンホナラシュエデザスユガファラ!」

竜太はきょとんとしている。

「さあ。ラーメン食べに行こう。」

八迫はそう言って海から流れ、砂浜へと戻ってきた須藤の剣、デキサデュリュを地面に刺した。すると、地面から扉があらわれた。その扉は永遠を思わせるかのような物だった。八迫は強引に竜太の手から龍魂剣をとると、扉の鍵穴に差し込み、回した。ガチャッと音が響き、扉は動いた。八迫は扉の取っ手に手をかけて、開き、かなしそうにいった。

「フル・オープン」

そう言った八迫を見ていられなくて、亮祐は落ちていたファイナル・レイクを回収し、元に戻し、悶太に渡した。浜辺が、亮祐の所だけ、少し色が違う。水を吸った・・・そんな色だった。青い・・・悲しげな色。これから起こる本当の出来事を知っている色。そこにいた亮祐の瞳は遠くの空をやっとの思いで見つめていた。



翌朝、竜太はベッドで目が覚めた。ベッドから飛び起きた竜太は考える。昨日、誰かとラーメンを食べた気がする。でも、それが誰なのか、思い出せない。確か俺は中華麺大盛りを頼んだはずだ。でも、それは誰かと一緒に楽しく食べたはずだ。そんなことを思い、部屋の片隅に、目を向けた。部屋の片隅には、冷蔵庫がある。でもそれも、俺の物じゃなかったはず・・。この前までは別の所に通じていたような気がするが、そんな子供じみていて、非現実的なこと、無いだろう。竜太は天体望遠鏡をのぞいた。あの星がいつか降って来るんじゃないか。そんな気も、してならなかった。でも、それも子供じみていて、非現実的なことだと思い直し、考えるのを止めた。

学校に行っても、何人かの生徒がいない。担任も替わっている。あの、長谷川律子から。昨日一日に、何があったのか、分からない。確かなことは昨日一日・・・と言うかここ一ヶ月の記憶がないこと。といっても放課後のことだけだ。生活面では、支障はない。新しい学期にあがった竜太は、配られた手元の紙を見つめた。それは、「入部届け」とかかれた紙一枚だった。でもその紙が、非常に大切に思えてならなかった。竜太は筆箱から俗に言う、しゃーぺんを取り、紙の上に走らせた。そして、入部届けの入部希望枠は埋まった。竜太は、やっと部活に入ってみる気になったからだ。なんだか出来るような気がした剣道部に入部した。仮入部だ。鞄の中には入部とどけ一枚がきちんとファイルに挟まれている。これで、俺がここに入部するのかが決まる。そう思うと仮入部に来て、初めて握らせてもらっている竹刀を持つ手が汗ばんだ。でも、初めて竹刀を持つのに、初めてのような気がしない。前にも真剣を握って戦ったことがあるような・・。そう思って記憶を振り返ってみるが、やはり記憶がない。そんなとき、主将に

「今入部すれば、今度の剣道杯争奪戦に出してやるから・・。お前なら剣道杯を取れる。」

そう言われた。竜太は、鞄の中にあるファイルから紙一枚を持ってそこから離れ、職員室に向かった。竜太が見えなくなってから、次の主将は竜太に決まりだ。そう影で言われたような気がする。


八迫と亮祐は本部で竜太を見守っていた。

「なあ。八迫。本当によかったのか。あいつから、切り裂きジャックの記憶を消して・・。」

「消してない。封印しただけだ。」

そう言いつつ龍魂剣を見た。そこから出てきた豪火龍はいった。

「ご主人様さえ無事ならそれで良いです。」

その声は何となく、だだをこねる子供が、本当の気持ちに気づいてほしい・・そんな風に思わせる言い方だった。それを聞いていた悶太は箒をもちながら言った。この場を明るくしようと勇気を絞って。

「亮祐。そろそろ掃除が終わるよー。」

「やっぱりお前はそのくせだけは抜けないのか・・・。」

「亮祐。これはくせじゃない。趣味だ。」

「悲しい趣味だな・・・。」

悶太は亮祐のことを名前で呼べるようになった。

部屋の棚の上にあるディスプレイのなかの竜太はきらきらと輝いていた。八迫は写真立てを見た。最後にみんなでとった集合写真だった。ラーメン屋から出たときにとった最後の・・・・・・。


その数刻前に理緒は、窓の外に飛ぶ鳥を目で追った。あのころの私は、あんな風だったのかもしれない。今は、ストレス発散は部活・・・剣道部しかない。理緒は突然名前を呼ばれて驚いた。

「黒崎君・・・・黒崎君!」

思わず大音量で返事をしてしまう。

「はい!」

同級生のくすくす笑い。それを限界まで達した頃、教師は理緒に言った。

「この問題を解いてみたまえ。基本だからな。」

理緒はゆっくりと空を見て、立ち上がった。

「話を聞いてませんでした。分かりません。」

次の瞬間、廊下にいた自分に思わず大笑いしてしまった。

そうだ。本部に行ってみれば良いんだ。放課後、本部の前にいる自分にまた、大笑いしてしまった。

「遊びに来たよー。」

ケーキを山のように持ってきた理緒は会議室のドアをどうどうとあけた。そこには竜太以外の切り裂きジャックが勢揃いしていた。みんなのために奥にある給湯室へ真っ先に入り、七人分に切り分け、お盆で持っていく。きょうはチョコレートケーキを持っていった。今度はこれがいいとみんなで選びお金を出し合って買った物だった。亮祐が口を開いた。

「今回、抜けた切り裂きジャック、平田竜太と桐原須藤の変わりに、新しい切り裂きジャックを任命する。栗柄八迫。」

八迫は椅子からたって、一歩前に出た。

「はい。」

「お前を今日から、五番・・・桐原須藤の変わりに切り裂きジャックになる者とする。」

「心より感謝します。」

亮祐は理緒の方に向いてこういった。

「お前を今日から、七番・・・平田竜太の変わりに切り裂きジャックとなる者とする。」

「・・・・・」

八迫が耳打ちした。

「心より感謝します。っていえばいいんだ。」

「心より感謝しますが、嫌です。七番は竜太です。私ではありません。勝手にポイ捨てするなんてひどいことは八迫には出来ないはずです。必ず、竜太は戻ってくる。だから、私より、竜太の方が覿面です。だから私は辞退します。」

そう言って椅子に深く腰掛けた。


誰がともなく、思い出した。そう。最後にみんなで一緒だったのはラーメン屋、丼亭までだ。

私は塩ラーメン【三杯】。竜太は中華麺大盛り、亮祐は激辛チャーシュー。悶太はお子さまラーメンのセット。大川先生はチャーシュー麺に葱一本、丸ごとトッピングした珍しいオリジナルラーメン。朝霧先生はつけ麺大盛りにアイスクリーム一個。浅尾先生は究極の豚ラーメン。

にぎやかだった。最後のにぎやかな切り裂きジャックの集団だった。食べ終わったら、帰っていく。先生三人係で子供を帰していく。切り裂きジャックとしての竜太に会う、最後の瞬間だった。あの呪文のような物は記憶を封印する者で、一度寝たら最後、その記憶はよみがえらないというものだった。

深夜、竜太の部屋で遅くまでオリゼークエストというゲームをしていた八迫が、裏ゲームクリアーの文字を見ると荷物をまとめた。竜太のぐっすり寝ている姿を見て、栗柄八迫は平田家を後にした。ジャックを竜太の腕からはずして・・。いとも簡単にはずれたジャックを、回収して・・。

「さよなら。」

八迫は部屋を出るとき、こう告げた。竜太は寝言で無意識に返事をした。

「嫌だ。いつまでも一緒にいるんだ。勝手に・・許さないぞ。」そう言って寝返りを売った竜太を見て、八迫は出ていった。その後、八迫は本部で生活している。あの後本部は竜太の最後の仕事、想像でもと通り・・・以上になって豪華になった。一人一部屋ずつあったし、その広さも異常な物だったし。生活に必要すぎる物も勢揃いしていた。ここで暮らしていればいい。そうすれば、竜太のことをずっと・・永遠に見ていられる。どんな生活をしているのか、知ることが出来る。



その一ヶ月後、夏休みまでのカウントダウンが始まった。中体連が始まった。竜太はその中体連剣道の大会に出ていた。

大将戦、他校の学生、理緒との一騎打ち。なんだかこの人のことを知っているような気がする。そう思いぼーっとしている竜太に向かって竹刀がのびた。

「こて!」

理緒の声が体育館銃に響いた。それにあわせるかのようにその学校の応援。竜太はせっぱ詰まった。もう負ける・・。そう思ったとき竜太の手が俊敏に動いた。

「メーン。」

その十分後、竜太は勝ち、休憩していた。みんなからの声援なども、一気に集まってくる。数章杯授与式が始まり、竜太は優勝杯を手にした。しかし、優勝杯を手にしたとたん、世界が変わった。右が、左に。上が下に。あっちがこっちに。こっちがあっちに。何で俺はここにいるんだ。そう思った竜太は授与式をほっぽりだして竜太は走った。体育館から出て、廊下にあった自分の鞄を手に持って。剣道部のじゃまになる物を全て道に。行き先は一つ。竹刀を持つ手が勝手に腰に竹刀をさす。

切り裂きジャック本部だ。


八迫はディスプレイを見て、苦笑いした。そんな八迫を見た亮祐は思わず口にした。

「お前、優勝杯、取り替えただろ。」

八迫はうれしげににっと笑っていった。手を後ろに組んで。

「ばれちゃった。やっぱり寂しいもんでね。家庭教師って言うのはこういうものなのよ。」



それと同時に八迫と亮祐がいた休憩室のドアが開き、荒い息が聞こえた。

「はぁーはぁー。っっっっっっっった・・・ただいま。」

そう言う竜太を迎えた二人は言った。

「おかえり。」

八迫はポケットからジャックを出して投げつけた。思いっきり。

「ほらよ。これ、落としたら切り裂きジャック、止めろよ。」

竜太はなんとしてもとろうと思い、手を伸ばした。その手は空をつかんで、竜太は前に倒れてしまった。

「竜太、お前失格か?」

そう言った八迫は笑って付け足した。

「嘘」

竜太は早速ジャックを拾ってつけ、はずそうとした。

「・・・はずれない。」

「もちろんだ。切り裂きジャックを止めない限り、これははずれない。」

竜太の目には涙が浮かんだ。そして鞄から紙を出した。

「定期テスト・・・惨敗。」

へヘッと笑って鼻をすする竜太に八迫が丸めた紙を投げつけた。

「馬鹿者。こんな物も分からないのか。」

そう言いながらも楽しそうに八迫が勉強を教えているのを見て亮祐は部屋からこっそり出た。そして八迫もまた、部屋から出てきた。

「何でお前・・・勉強教えてるんじゃないのか?」

八迫は目を光らせて、亮祐の方を向いて怒鳴った。

「アン野郎、俺がせっかく教えてやってんのに、途中で寝やがった。」

休憩室の机には、うつぶせで、すやすやと寝息を立てる竜太がいた。


会議室にはこの間と同じ人と、竜太が集まっていた。

「本日をもって七番、想像の切り裂きジャックに平田竜太、お前を任命する。」

「心より感謝します。」


これでいつもの日常が戻ったとみんな、そう思った。しかし、宇宙から、何者かが飛来しようとしているのだった。会議室に取り付けられているテレビのニュースが臨時報道に変わった。


「たった今、伊勢湾に、巨大な物体が飛来しました。」


テレビに映る画面からは、物体が映し出され、そして、その物体は、動いた。中から影が見える。

「この惑星は、本日、現時刻を持って、我が手中の惑星となった。先住民の人間どもよ。おとなしく吾に従うが良い。さもなくば、全国民に、死、アルのみと思え。繰り返す。この惑星は、本日、現時刻を持って、我が手中の惑星になった。」


会議室には沈黙が漂った。その沈黙を破ったのが、八迫だった。

「行くぞ。新米の切り裂きジャック。この国を、守るのが切り裂きジャック本来の役目、何だろう。」

竜太は、壁に立てかけてあった龍魂剣を取り、腰にあった竹刀と取り替えた。

なおもニュースは流れ続ける。

「先住民を守る切り裂きジャック。貴様らが動くと、他の人間の命はないと思え・・。」


竜太は思わず口からもらしてしまった。

「・・・・・・・・・。あいつ・・・全部知ってる・・。」

「お前らが出来る行動はただ一つ。ここに来て、我らを倒して見せろ。勝った物の人間どもだけ、助けてやる。変な行動は起こすなよ・・。平田竜太。特にお前だ。」

そこで、画面が度アップになった。そこに映った影は、竜太そのものだった。

竜太は床にしゃがみ込んだ。しかし、八迫はそれを許さなかった。

「行くぞ。竜太。」

そう言った八迫は竜太の首に縄を巻いて引きずっていった。それにみんなが続く。その間、誰も一言もしゃべらなかった。


誰もいなくなった会議室のテレビはしゃべり続ける。

「私の名前は平田竜太。貴様・・・平田竜太を倒す物だ。」

そう言ったもう一人の竜太は腰から、剣を抜いた。それは龍魂剣の何倍もある、長い剣だった。そして物体からは、まだ影が出てきていた。それ一つ一つが、切り裂きジャック全員と同じ恰好をしていた。

「私たちはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」




ブツン



ニュースがとぎれた。





会議室にはノイズだけが五月蠅く、定期的にリズムを打って響き続けた。




現場では、竜太が報道陣をあるべき所に返した後だった。



地面は深くえぐり取られ、燃えていた。



「さあ。早く祭をしよう。竜太。踊ろう・・。」



平田竜太ージェイソンの声が、ノイズを遮って聞こえた。









俺は、これから俺を倒しに行く。

逢ってはいけない物どうし。






切り裂きジャックは殺しません!第一シーズン完結


竜太 !!!!!!!!!あいつらは・・・・・・・。

偽者 この惑星は我ら切り裂きジャックが支配した。無駄な抵抗は止せ・・。

竜太 この地球は渡さない!

作者 どのジャンルでも扱っている分野に挑戦したんだ。どれだけ面白くするか覚悟しろよ!

竜太 作者さん!危ない!

作者 大丈夫。この紙にこうして書くと・・

偽者 うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

竜太 強いですね。

作者 次回からしばらくお休みです。皆さん待っていて下さいねー


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