第二十一話 空戦!幼少三人組
これまでのあらすじ
超、科学が進んだハイテク世界、ホクロンズー。そこに飛来してきたのは謎の超合金生命体、桐原須藤だった。それをくい止めるべく、
伝説の科学者、栗柄八迫はそれに対抗できる超合金生命体平田竜太、中片亮祐、一文字悶太の三体を作り上げる。地球を侵略しに来た超合金生命体、桐原須藤と、地球防衛最終ラインの三人組は地球を守りきれるのか!新感覚ロボットテレビ、トリャンスフォーミャーHIRATA
地球に隠された本当の宝を、龍魂剣を守り抜けるのか・・・。
見たいときに全国一斉ロードショー予定なし
今回の作品「とらんすふぉうまあぁ」
第二十一話 空戦!幼少三人集
何でか書こうと思ったので、いきなり登場人物
平田竜太・・・・・自覚していないが、伝説の切り裂きジャック。
栗柄八迫・・・・・竜太の師匠教師。須藤と、亮祐とは幼なじみ。
中片亮祐・・・・・壱の切り裂きジャック。伝説の剣を操る。
一文字悶太・・・・亮祐に拾われた子供。亮祐の剣と合体できる銃を持つ。
桐原須藤・・・・・闇の魔に落ちた切り裂きジャック。人間が悪だと思い、消そうとする。
ディグラサス・・・須藤の体に宿る魔王。別の名を皇帝という。
「須藤・・・。」
八迫は悲しみの声を上げて、須藤のほうにちか付いていった。須藤は手を向けて念力を送った。
「帰れ。」
八迫はそれを受け取った。そして、手を向けて、返した。
「俺が悪いんだ。俺を好きにすればいい。その変わり、世界にては出すな。」
須藤は霊を集めて、魔剣を作り出し、八迫の首に当てた。
「俺は俺の道を行く。お前の指図は受けない。俺は俺でお前じゃない。お前はお前で俺じゃない。放っておけ。」
そして、峰打ちをし、八迫の顎をあげて、こかした。
「須藤。」
八迫は渋々長刀を出し、須藤の方に向けた。
「前にお前と戦ったときは、お前を倒したら戻ってくると思って。でもお前は戻ってこない。殺すしかないのか。殺したくはない。早く、こっちに戻ってきてくれよ。」
「それは無駄だ。」
亮祐は、やっと口を開いた。
「なぁ。須藤・・・。戻ろうぜ。」
悶太も言った。
「こんなに待ってくれている人たちがいながら何で帰らないんですか。」
そう言った二人を須藤はにらみ、剣を持っていない方の手を向けた。
「黙れ。」
そう言いながら放たれた衝撃波は、二人を巻き込み、気絶させた。
二人は、武器を持ち直し、ぶつけ合った。それは何度もぶつかりあい、火花が散っているのだった。そのうちに八迫が押されて、地面が下がった。最上階から、三階へ。そして二階へ。そして、その二階は、誰にも見えない特殊な部屋だった。二人はそこで死力を尽くして戦った。
それを悶太はみていた。二人は火花を散らし、二人が見えなくなるほど沢山の火花が。竜太はいつのまにかもどってきていて、その激闘を壱秒も目を離さずに、見ていた。
亮祐は夢を見た。それは三人で過ごした、短くも長い楽しい学生生活の一部だった。そして、リアルに再現された須藤の裏切りに亮祐はその一撃一撃を防ぐことが出来なかった。友達を倒すことなんて出来ない。攻撃するなんて。そしてそのまま、夢は、儚く終わった。そしてその後始まったのは、桐原須藤が亮祐と八迫をただただ一方的に攻撃する映像だった。
そして、いつの時間か、二人は立ちつくした。立ちつくし、剣をかまえ、振り切った。そして、先に倒れたのは、栗柄八迫だった。そして、斬りつけられた胸に目をやり、倒れた。一方で、須藤は、剣を杖代わりにしてやっとの事でたっている。呼吸は乱れて、どんどん血液は減っていく。二人ともかろうじて気力で生きているかのようだった。ここが元は空港だったなんて誰が信じるだろうか。でも、この戦いは現に行われているのだから間違いなく、正しいのだった。須藤はため息を付いてからゆっくりと目を上に向けた。口からは、大量の血。ゼイゼイいう呼吸の音は次第に弱まっていく。死にかけていた。ここまで持っていた気力も底をついてきているかのようだった。しかい、須藤は笑った。俺が勝ったと確信した笑みだった。
「俺の・・・勝ちだ。」
八迫は、重々しく、天を見たまま口を開いた。
「俺は、お前がやっていることが正しいのか分からない。今から全ての制裁をする。古くより伝わる幻想の音よ。我らの罪を等しく無にしたまえ。」
須藤は八迫がまだ生きていることに驚きつつも笑っていった。
「俺がそんなことで死ぬとでも?」
八迫はゆっくりと口を開く、返事をした。その声も死にかけていた。
「お前でもこれからは、逃げることは出来ないよ。一緒に行こう。キーリ。」
須藤は顔を怒らせていった。それは死にかけている人の顔ではなかった。
「その名前で呼ぶな!私は獄王に身をゆだねたのだ。おろかな人間とは、別の新種族なのだ!」
「俺は、国王に身をゆだねた。天国の王と地獄の王。決着が付くと良いけど。」
そう言った八迫は、手を地面に弱々しくおいた。亮祐は、やっと目が覚めた。須藤の最後の一撃によって気を失っていたからだ。そして、目の前の激闘を見て、唖然とした。そして、身を落とすかのようにのめり込んでみている竜太を見つけた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
竜太は、記憶が無くても、この戦いの意味を分かっているらしい。亮祐は悶太を探し、きょろきょろした。
「亮祐。目が覚めたの?。危険です。安全なところに・・。」
「今、この二人があれを決めたとなると、世界中どこにいても危険だぞ。あいつはあの切り裂きジャックの亡霊を身にまとった。八迫は命がけでそれを止めようとしている。・・・。そうか。獄王の正体は切り裂きジャック達の亡霊の集合体なのか・・・。そして、俺達がしているこれも、あの切り裂きジャックが直々に作った・・。だとすれば、あいつは、須藤ををはじめからねらってジャックを壊したというのか。執念深さも一番なのか。」
竜太は、それをずっと見ていた。そしてある一言を漏らした。
「八・・・迫。」
知るはずもない記憶から消されたその言葉を言った後、竜太は自分の手を見た。何を言っているんだ・・。と言っているような顔だった。それをつぶやいたとたんに、竜太に記憶が戻った。「自分」に戻った竜太は、そこで行われていることに気づいて変身しようとして、ジャックを掲げた。そこにジャックがあることが当たり前だと信じて。
「へんしーん」
しかし、ジャックは記憶がないうちにはずしたために、変身できない。亮祐は、自分のジャックを無理矢理はずした。はずれない物を無理矢理はずしたために、ベルトの部分からは、煙が出ていた。そしてそれを竜太の方に投げつけると、そこに光が集まった。どこからか集まったその光は、六色で、きれいで、鮮やかで、一瞬にして消えた。ジャックの中に消えたのだ。竜太はそれを無意識に受け取り、掲げた。そして、一言つぶやいた。それと同時に、ジャックも、大いなる力でも受けたかのように、変わった。それにとまどい、いったんは言うことを中止した竜太だったが、もう一度ジャックを見て、再開した。
「全てを無に帰そうとするならば、吾はそれを全て押し返し、貴様の存在だけを無に帰して見せようぞ。」
それは、世界で初めての切り裂きジャックが世に残した言葉だった。竜太はそれを知るはずもない。ということは、伝説の切り裂きジャックの魂は本物だったんだ。そして、今から始まるのは、陸と空と海の死闘。勝った物が竜太でなければ、この戦い、宇宙がなくなる。
亮祐は、唇をきつくかみすぎて、血が流れたのにもかまわず噛んでいた。
悶太はその額に汗を一筋ながし、息をのんで見守った。
次の瞬間、全てが真っ白になり、そこには切り裂きジャックがいた。
「全世界共通の平和を守る、最後の望み、全切り裂きジャックの力を借りて、世界を守る七番目の切り裂きジャック、平田竜太ただいま参上」
そう言って想像した物を龍魂剣にぶつけた。それは、戦国時代の兜のような物が付き、爆炎に包まれた。
「桐原須藤、これまで犯した罪、その身を持って償ってもらうぞ。豪火龍、今ここに出陣し、我が剣にその紅蓮の身をゆだねよ。」
そして、竜太の剣から、煙が出た。シュウシュウという煙だった。それは、暖かく、竜太を包んで、出てきた。
「久しぶりです。ご主人様。今回もあいつを倒すおつもりですか。」
それは、桐原須藤と戦ったときに来た、あいつだった。そしてそれは高らかに、空に炎を吹いた。
「ラストステージ、開始です。」
亮祐と悶太は暖かい光に包まれた。竜太が二人を守ってくれているからだった。亮祐はその中で、ビースト・レイクを組み立てていた。今回は、緊張でなかなかうまく組み立てられない亮祐を見た悶太はやさしく、新しい力になると言われていた最終兵器を、そこにこっそりと付け足した。そしてつぶやいた。
「これが、最後の切り裂きジャックとしての役目。」
亮祐はやっと組み立てて、言った。
「ファイナル・レイク。」
それは悶太入れた物が何か知っている顔だった。そしてそれを投げた。
「切り裂きジャック、これを使え。」
それは、きれいな円を描き、飛んでいった。そして、綺麗に竜太の手に収まった。
それを受け取った竜太は、二人の方を向いて、ウンッとうなずき、穴の中に落ちていった。
ずっとずっと落ちていく。
ずっと・・・ずっと奥深く・・・。
粒子ごと分解されるかのように深く深く・・・・。
ここが何階かも分からない。
そして気が付いた。ここに二人はいて、ずっとこんな中にひとりぼっちでいるんだ・・。と
竜太は心に決めた。二人を助け出す。と、心に。
二人は、国王と獄王を身に宿し、戦っていた。
それはまるで獣のようだった。
帰ってきた物は、自分のやることを知る。
それは、自分のしなければいけないことだから。
「八迫!」
竜太は、八迫に向かって、言葉を投げた。
投げた言葉は、八迫を通り越して、そしてそのまま、壁に当たり、反響して、地上へと戻っていく。
八迫は、こちらを見ようともしない・・・・。
竜太 これで終わりにしてやるっ。
八迫・須藤 ウ゛ウウウウウウウウ
竜太 伝説抜刀、金剛柱三日月!
悶太 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
亮祐 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
地底奥深く、パンドラの箱が空き始めた。その中にいた生命体が動き出した。
次回、激突の空港編、クライマックス!桐原須藤を操る皇帝と八迫の一騎打ち?
完結まで後、六話予定!