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第百三十六話 Help me.

少年は黒鍵を見据えるとゆっくりと竜太と祀の元へと歩み寄って、頭一つ分ほどの差がある竜太の肩と同じような身長の祀の肩に手を乗せて黒鍵を嘲笑う。

「僕は君に力は貸さないよ。僕はシャガンの意思を汲んで僕は切り裂きジャック側に着く」

電気回路がショートする閃光だけが唯一の明かりの中で灯りが二つ増える。それはみるみる形が歪み、じっと少年を睨みつけていた。黒鍵が素早く少年の懐に入り込みそのぎらつく眼光で嘲笑いかえす。

「違うね、シャガンは最後に祈ったんだよ……!切り裂きジャックをぶっ潰してやりたいとね。君も見ただろう!?だから彼は世界を壊そうとしたっ!!!自分で作り上げた世界を、自分の手で終わらせようとしたんだよっ!!!」

ゆらり、と倒れるように体をかけ向けた黒鍵が少年だけを必要以上に迫る。

左右にいる竜太と祀は手も足も出ずにその光景を見ていることしかできずにいる。

「腐ってしまったゴミは早々に処分するに限る、君もそれが分かっているから、今頃になってのこのこと這い出てきたんだろう!?僕の中から!!!」

嬉々として話す黒鍵を前に、少年は一瞬だけ棒立ちになってしまう。黒鍵はその隙を逃さずに少年を地面に屈服させその首筋に右手をかける。

駆け付けようとした竜太たちに黒鍵が自分を複製させ行動を制限する。

「で、君はどうするんだって⁉」


真っ白な部屋に閉じ込められ、縛りつけられた少年は不安と恐怖を持って自らを囲む大人たちに尋ね続ける。

「シャガンは……どこ?」

しかし、小さく震える少年の体を大人たちは気にもせずに研究対象として実験動物として乱暴に扱っていく。

そして振るえる少年の耳元に一人の大人が「シャガンは君を見捨てたんだよ。君を実験体として殺していいですよって、僕達に捨てていったんだよ」と、ありもしない出来事を囁いていく。

信じられないような事に小さく泣き叫ぶ声が耳障りになった大人たちは少年の首を絞めてひたすらに脅し、黙らせ、嗚咽をこらえる少年の口に大量の薬を詰め込んでいく。

それでもいまだ、ひたすらに震え続ける少年に対し、大人たちは触れてはならないものとして見つけ出された黒鍵を無理やりにつかませる。

少年の体は異様なまでに拒絶し縛られている体は縄をも引きちぎらんばかりに暴れ、声にならない叫びが空間を支配する。

その反応に大人たちは執着し、その様子に目を奪われている。

ある人は、これは黒鍵が少年を認めたといい、またある人は、少年は黒鍵に中から食われている、と言った。

そんな憶測が飛び交う中で、少年は叫び、悶え、涙を流した。

声にすらなっていないことにも気が付かずに、ひたすらにシャガンの名前を叫び続ける。

しかし、少年の叫びもむなしく、シャガンの声が少年の耳に聞こえてくることはなく、徐々に反応は消えうせ、ピクリとも動かなくなる。

少年の動向は開ききって、胸も上下しなくなる。口元から垂れた涎が拭われることもなく、少年はそのまま放置された。

大人たちは少年の生死、また、体などどうでもよく、彼らが真に求めるのは黒鍵がもたらす結果だけであり、そのための犠牲は厭わない。それが上が決定した方針であり、それに逆らうほど神経が正常な者はもはや切り裂きジャックに所属していなかった。

そして、そこで少年の短い人生は無理やり終わりを告げられた。

けれども少年は信じていた。

シャガンが自分を捨てたはずもないと。


そして、大人たちも信じていた。

黒鍵は少年の命を喰らって更に力を増したはずで、後はその力を開放し、圧倒的な力を見せつける事で世界は支配できるものだと。

けれども、大人たちのそんな考えは刹那にして切り捨てられる。

突如として起き上がり、機械もろとも縄を切り払った少年の形をした黒鍵の血に飢えた手によって。

せ、宣言通りかなり遅れましての続きとなりました。

これはひどい。しかも物語の進展はまったくありませんなぁ……。

これはいかんがどうすることもできない上に短いのでした…。

これはひどい……

な、何とかいたしますので、お付き合いのほど、よろしくお願いします!!!

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