第十六話 平行世界パラレルデュズミー!
これまでのあらすじ
竜太 なんと今回から俺達がこの場所を預かった。もとい、ジャックした。切り裂きジャックだけに。えへへへへ。
八迫 つまらないしゃれを言うな。読者がヘル・シー
竜太 ・・・・・・・・小説中の言葉を使っても良いのかな。
八迫 俺だけに与えられた特権だ。
竜太 まあいいや。それより次回は、なんと・・・。ってこれ、前書きだからこんなこと言えないか・・・。
八迫 たぶんこれ、作者はきれいにまとめた前書きだと思ってるが、実際はぐちゃぐちゃだ。それを伝えるのも忍びない。黙っておけ。
第十六話 平行世界パラレルデュズミー!
気絶していたはずの竜太は気がついた。
「あひゃきききききききききっききききいき。猛威位階
竜太は立ち上がり、ジャックを天にかざし、叫んだ。
「へんしーーーーーーーーーーーーーーん」
竜太の服が透けて、変身。八迫はじっくりとスケッチしていたのかもしれない。変身中の彼を。
「想像の切り裂きジャック、平田竜太参上。」
ここに来て決めぜりふが決まったかもしれません。第十六話にしてやっと・・・。けれど、今後は口上を述べないと思いますよ。
「望遠鏡の杖」竜太は心でつぶやき、想像した。そして想像していた物は出てきた。
「火炎は剣に、激水は杖に。我が手中に収まれ。」
つぶやいたとたんに、あたりはきちんと見えるようになった。
「危機奇異来聞ききっきききっききききききっき。やっと出てきた。間抜けなヒーロー」
八迫はのんきに煎餅をくわえて長刀を抜いた。
「醤油の滝」
叫んだ八迫の長刀からは醤油が一気にミュニーの方へと飛んでいった。しかしそれを守るかのようにミュッキーが間に入り、ミュニーをかばった。そして醤油が一気にかかったミュッキーは叫んだ。
「しょっぱぁああぁぁぁぁぁぁぁ」
そして、ミュニーが駆け寄った。
「ああ。私のミュッキー大丈夫?あいつらを倒しましょう。行くわよ。」
そう言って出したタオルかハンケチでミュッキーの顔を一生懸命にごしごし拭いていた。
拭かれているミュッキーの顔は真っ赤になっていた。
「ああ。ありがとう。愛しのミュニー」
そう言って立ち上がったミュッキーは竜太の龍魂剣を折り曲げ、そして、灰にしてしまった。
「あっコラ。まだその剣二、三回しか使ってないんだぞ。物語では結構使ってるように見えてるけれどもっ。」
竜太は叫び、怒った。ミュッキーはつぶやいた。
「うるせーよ。かすが。」
そうつぶやいた顔は皺が出来て、歪んでいた。
ミュニーは言った。
「七不思議の内の一つ、襲いかかる地獄水流の高速特急、魔鉄機関車。」
目の前にいきなり線路が出来た。そして、同時に駅も。竜太と八迫は三番線。ミュッキーとミュニーは一番線。二人は列車が来る前にミュッキー達の所に行かなければいけないのだった。しかし、ついたときにはもう魔鉄機関車は出発していた。そしてミュッキーとミュニーがたっていたところには封筒がおいてあった。竜太は開けて、読んだ。
□今回のゲーム□
切り裂きジャックの平田竜太が来る。確実にしとめて、俺の所につれてこい。半殺しまで許す。七不思議の内、六までの使用を許可する。七つ目は使用禁止だ。なんとしてもつれてこい。宿泊所地獄海中までつれてこい。お前らの命がかかっている。
報酬は仕事分だけやる。そして吾に忠誠をたてろ。そして・・・・
桐原 須藤
竜太は封筒の中身を読んで驚いた。桐原須藤という名前が入っていたからだった。八迫はそれを読んで感心した。
「ヘル・シーって、地獄海中って意味なのか。へえぇ。」
竜太は顎がはずれたかのように黙り込んだ。
「まだ・・・生きてる。」
八迫が竜太の方に手をおいて言った。
「須藤の名前を使った別の者かもしれないぞ。まあ。そんなに驚かなくても。それより先にミュッキー達だろう。」
そうだったらいいと、何度思ったことか。現実に桐原須藤は魔王の手によって殺されたはずなのに。現在生きているなんて・・。あ。ごめんなさい作者さん。物語のこと少し教えちゃったみたい。ごめんね。
封筒をデイパックにつっこんだ竜太は灰を拾って袋に入れて次の魔鉄機関車を待った。
が、こないので線路を歩いて進むしかないのであった。
もうかれこれ二十分は歩いたであろう。竜太は疲れてその場にしゃがみ込んだ。そして八迫が
「あんな所に駅がある。しかもドリンクも売ってるぞ。」
その二言で竜太は自分の体に鞭を打って歩いた。竜太はお子さまのジュースを。八迫はエンブレムブラックコーヒーを飲んだ。七十年変わらぬ味を守り続けるこのコーヒーを。このエンブレムブラックコーヒーは八迫の「お気に入りだと言うことを隠してひっそりと飲む。それが男のコーヒーだ。」昔あこがれていた有名人、夏目大黒氏【去年死亡】がテレビで言っていたことだった。それから自分の好きな飲み物はこれです。と胸を張って答えられるようになった。それを見ていた竜太は自分が急に恥ずかしく思えた。こんなお子さまのジュースを飲んでいる自分と大人のブラックを飲んでいる八迫。比べて顔が赤くなるのが分かった。
「一番線ホームに魔鉄機関車が参ります。地獄の血液ラインの内側にお下がり下さい。」
竜太は疲れているときに座れると思ってうれしがった。これでミュッキー達とも決着をつけられる・・・。と
魔鉄機関車の中は死人で満席だった。やっと座れると思っていたのに。と思いつつ吊革に手を伸ばし、たった。
どれだけの時間がたったのだろう。駅員の声が聞こえる。
「次は宿泊所地獄海中。お降りの方はお荷物と大事なお命をお忘れなきよう・・・。冥府の王に捕まらないように、お気をつけ下さい。」
竜太が列車から出ると、八迫の姿はなかった。代わりに八迫に似ている人形がおいてあった。
竜太は切り裂きジャックの姿のままだったので、想像した。八迫はどこに行ったのかと。すると想像した瞬間、八迫らしい人形が光り輝いた。
そしてその人形は人の大きさになり、八迫になった。
「冥府の王は・・・・狭霧花・・・?」
八迫は意味不明の言葉をつぶやいて、宿泊所地獄海中の中に入っていった。
ホテルの中は暗かった。
そしてどこからか音がする。音じゃない。笑い声だ。
「くきききききっっきききききくきききききくいきうきくいくいくいくいきうくい」
ミュッキーの声がホテル内に木霊した。
「デュズミーランド七不思議の内の二つ。呪われたホテルの住民、暁の番人」
地面が揺れた。そりゃべらぼうに。そして穴があいてそこから見たこともないような血だらけの鎌を持った妖怪が出てきた。
「これが・・・・暁の番人。」
八迫は感動してスケッチをしている。いつか八迫が描いたスケッチの数々が図鑑になって書店に並ぶんじゃないかと竜太は一瞬思った。
まあ、近い将来、出回るんだけど。
「キカカカカカコ。カコケクカコキカ。」
こいつらをコレクションして良いんだな。つまらない奴だったらお前をコレクションするぞ。番人は言った。
「目覚めよ。龍撃手!」
竜太はそう言って手を床に着けた。すると龍撃手が出てきて暁の番人を切り刻んだ。
「アロロ、アウエルアルアラ。」
これに手、一件落着。とつぶやいてもう早帰っていった。
「キッカキカコックケ。」
いつか貴様をコレクション。と言って帰っていった。
八迫はミュニーにいつの間にかかって、のんびりと店内の自動販売機にあったエンブレムブラックコーヒーをロビーで飲んでいた。
「おーい。自由時間もうすぐ終わるぞ。後五分で勝つか負けるかしないと。」
そうしないとみんなホテル、ミュラコスタ行っちゃうぞ。そう八迫は言おうとして、口をつぐんだ。
そこにたっていたのは竜太ではなく、ミュッキーであって、竜太は血だらけで倒れているからであった。そして竜太は呼吸をしていない。死んでいる。
八迫は長刀をふるってミュッキーの額に傷を付ける寸前にミュッキーはしゃべった。
「ちょっとまって。俺、竜太だから。」
そう言ったミュッキーか竜太、どちらか不明が頭をはずした。そこにいたのは竜太だったのだ。
「想像でこんなことも出来るかなぁと思って」と言おうとした竜太は最後まで言えずに、変わりに
「想像でこんなことも・・いだっ」
八迫が容赦なく長刀のさやでたたいたからだった。
「よけいなことすんな。」
そう言ってヘル・シーから出ていった。
竜太はミュッキーにあった能力を解放し、ビンの中に蓄えた。龍魂剣が直ったときに織り込むために。ミュニーのも入れておいた。二つの魂、能力も一緒に・・・。
「解除」
次の瞬間、竜太は学生服に戻っていた。
残りの二日は遊びまくってやる。と心に決めて・・・・。
ジェットコースターに乗った瞬間、その気持ちはなくなった。
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁ。」
苦手を体験した竜太はげっそりとしていた。
そこに八迫がバニラソフトを買ってきて片方を竜太に差し出した。
「だからやめロッテ言っただろ。馬鹿。」
それなりに楽しい林間学校だったと後の作文で書き記した。もちろん、一日目は、午後からのことを。
そのころ、集会場では五人の切り裂きジャックが集まっていた。
「桐原須藤が闇の魔にとらわれた。これであいつはこれから抜けた。」
一人のジャックがつぶやくと、
「新しい切り裂きジャックも出てきたって知ってるか?平田竜太って言うらしい。」
別のジャックが答えた。
「集会を開始する」
終わったと思うと次が始まる。
物語の基本なのかもしれない。
次回、恐怖の切り裂きジャック集会。
切り裂きジャック同士の戦いが勃発するのかも?
龍魂剣は元に戻るのか?
こうご期待!して下さい。