第百三十二話 In the world was shaped by the rule of fear
は…早いもので前回の更新からもう二十日近く立とうとしていました。
あ、あぶねぇ!!!
いけないよ、このままじゃ一年どころか一生が気がついてたら終わってるに違いないよっ!?
そうこう足掻いてみたところで結果は変わらないもので。ふと2008年を思い出してみる…。
そうか、もうそんなに立つのか……唐突に思い出してみるのですが、もしその頃の自分に話しかけられるとしたら、今度は設定、その他もろもろを作り出す前にまとめてから早く更新していけよっ!!!ということです。
何かまとめ的なまえがきですが、まぁ気にせんといてくださいな。
それでは一向に進歩しない本編へどうぞっ!!!
廃墟となった地区の中で竜太は座るのにちょうどよさげな瓦礫に腰掛けて何度目かわからないため息をついた。
あれから数か月がたった今でも、事態は何一つ解決せずに、むしろ悪化している。何一つとしていい方へと進んではいない。というのもあの後、“神の国”を再建国させた黒鍵と亮祐が国とともに空に浮かびあがり、電波ジャックを引き起こした。これが三週間ほど前。それから十三日後に絶対的な力を見せつけ、反抗の意思を削いだうえで、数日後すべてを無に帰すと告げた放送で更に混乱を招いた。黒鍵と亮祐曰く、逆らわなければ楽にしてやる。が、逆らうものは容赦なく神の裁きが下されるらしい。
例として、反抗した国の武力が根絶やしにされた。それも、わざわざジャックした公共の電波を使って流したうえで、根絶やしに。
その時に、見ざるを得なかった人々は助けてくれるものなどないと悟ってしまった。圧倒的な力を持つ名前だけ神がいる場所、“神の国”なのだ。誰一人何一つとして状況を打破する考えは浮かばない。
考えれば考えるほどに留まることを知らないため息を繰り返し、目の前で必死に働く祀の姿を見て渋々、といった様子で立ちあがった竜太は新しく重荷となった左腰にシャガンの顔を思い出す。
地面に、自分の血の海へと倒れ込んでいったシャガンが最後に遺した言葉。一方的な敵意で憎んでいたシャガンが、柔和な顔つきで竜太に告げた言葉。
お前ならできる、と一人だけで完結させ、竜太の手に重荷を残してシャガンは消えた。
人を勝手に巻き込んでおいて、そんな終わらせ方はないじゃないかと愚痴の一つも言ってやりたくなる。けれども、箱を壊しでシャガンが消えてからようやく逃げ出してきた廃墟も同然となった街で、言える愚痴などありもしなくて、ただ腹いせに瓦礫を蹴っ飛ばして自分の足を痛めるだけだった。何かできることはないかと、八迫のために集めている役に立ちそうなものなど、一つも残ってはおらず、ひたすらに探し続ける生活も限界を感じている。
黒鍵と亮祐は生かさず、殺さずで生活に必要なライフラインのみを外し破壊することで、命の所有権を握っている主を知らしめている。
きっとこのまま待っていてもあと数日中に殺されるのが関の山だ、と嘆く人々の脇を通り過ぎるたびに竜太は申し訳ない気持ちで俯く。対抗できる武力は持っているのに、対抗しうる気力を持ち合わせていない。
帰ってきてから早々に、八迫は佚榎と鐵を連れてどこかへ姿を消し、理緒は女だけで考えたいことがあるからと、連絡先を残していったけれど、いかんせんそこへ連絡するすべが何一つない。
そうして残った祀と紋太を守りながらなんとか今日まで生きていた。
そんな混乱した生活の中でまずうっぷん晴らしなどと、標的になるのが女子供で、それがひ弱な子供ならなお標的にされやすい。竜太たちも例外などと扱われることなく、そのたびに竜太は容赦なく、腰に帯刀した炎斬刀覇凱一閃を鞘から抜き、首にあてがいそして身を守っていた。
とぼとぼと歩きながらようやくついた場所は亮祐が祀たちに与えた家で、ところどころひびが入ってはいるが、生活には支障が出ない程度の損壊ということで使わせてもらっている。
拠点としていた基地などはとっくに命からがら逃げてきた人の住処となっており、退去してきたわけだが……。
「おかえりー」とテレビの音声と共に紋太が部屋から顔を出すが、竜太は返事もせずに地下へと潜り、祀は軽く手を振り紋太のほうへと歩いていく。
時折聞こえるテレビは、この国のいく末について議論するだけの内容がただ流し続けられていた。どうせ助ける気なんてないだろうに。議論するだけで満足なんだろう。
あぁ、そうだ。今日の晩御飯何にしようかな、今日は俺の番だったなと思いながら竜太は一端眠りについた。
部品から何から手作りでくみ上げた水陸空用自立走行車、はしるどー君のナビ設定をいじる八迫が鼻で笑いながら、隣で拳を構えている理緒を見上げる。その奥には砺磑と凱史の姿と、つなぎを油で汚しながらも整備をする佚榎と鐵の姿があった。
「お前たちは降りないんだな?」
目的地を入力し終えた八迫が席に座りながら尋ねる。誰一人としてその言葉に首を横に振る者などおらず、理緒と砺磑、凱史に遅れて佚榎と鐵がシートベルトを着用する。
そういえば、あの時なんで竜太だったんだろうな、と思いながら。
「もとはといえば、一方的に巻き込んだ側だからな、俺も……」
決意を固めた八迫は発信を許可しようとする。頭にちらつく竜太の顔をかき消しながら。
「まぁ、子守には竜太ひとりで十分だよな……」
そして、竜太と祀、紋太を除いた彼らは“神の国”に乗り込んでいく。
恐怖による支配によって形づけられた世界で
関係ないのですが、自分はサイトなどに乗っている小説を拝見させてもらったりとするんですが、小説読むときに本編クリックしたのにまえがきがあると少々早くしろよと思うのですが、そんな自分はいつも前書きにあとがきを書いていますね……。
こりゃなんという自己中心的な…。
大丈夫です。
きっと次回からも変わらない。