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第百二十一話 Rise and smash!!!

立ち上がれ、そして打ち砕け!!!

見えて、いた。

後ろにシャガンがいることはこの状態になった時に見えて、いた。

よって避けることも簡単だった。

けれど竜太はそれをよけることはせずに真っ向から炎雷刀覇凱一閃で受け止める。

それは豪火竜も戻り、竜太の剣として存在する剣だった。

シャガンの持つ剣ではなく、竜太の剣だった。

刃が鋼色に輝き、炎を取り巻き光を反射させる、竜太の剣だった。

「ふざけるなよ、ふざけるなふざけるなふざけるな。俺はお前が殺すんだ!!!息の根を止めるんだ!!!アラルトベーラのために!!!」

ぶつかる鋼の音が場の雰囲気を支配する中、竜太はじっとシャガンの瞳を見続ける。

「頼まれたんだ」

綺麗な白い少女の姿が、その悲しげに濡れていた瞳が、竜太の目に映る。

助けてほしいと懇願していた。

私は生き返りたくないと。

私は、彼と共に生きた楽しいときの中で眠っていたいと。

そして託してくれた願いをここで捨てるわけにはいかない。

どれほどシャガンが強大であったとしても、約束は叶えるから約束なんだと、自らに言い聞かせて、竜太はその剣を振るい、一思いにその体を貫く。

少女は、アラルトベーラが竜太に頼んだことは、シャガンの成仏だった。

何かしらの方法を用いて生きながらえているシャガンに、元の優しかったシャガンに戻ってもらいたいと。

シャガンが死んでしまったら私が連れて行くからと、アラルトベーラは最後に言った。

だから、竜太は戸惑いはしない。

これは人殺しではなく、浄化であると。

体が壊れれば、魂はアラルトベーラが連れて行ってくれる。

だから俺の仕事はここにいるシャガンを倒す、いつもと変わらないことをすればいいんだ。



少女は可憐に笑いながら下りてきた。

一瞬天使かと思ったけれど、天使ではないことに直に気が付く。

「皆戦ってるよ、何であなたはここで泣いているの?」

少女は微笑みながら残酷な言葉で傷をえぐってくる。

戦っているのは知っている。でも、何もできないんだ。

「違うよ、亮祐にはできることがいっぱいあるのに、亮祐が自分で自分の限界を決めて、その限界の先にあるんだよ。亮祐がしたいことは、いつも」

それも、うすうす気が付いていた。

けれども、何もすることができないんだ。

自分がどれだけ頑張っても、時間までに納得のいく結果はいつもでない。

いつも結局はあきらめて終わってしまうんだ。やっぱり、俺には無理なんだ。

「ほら、今も限界を決めた。だからいけないんだよ、そこからもう一歩進まなくちゃ。だから、私がその為の力をあげる。使いたかったら、亮祐が自分で限界を壊すんだよ。障子とルールと限界は、壊すためにあるって、あたしは、アラルトベーラは言うんだからっ!!!」

少女はエッヘンと言うとともに腰に手をああて、胸を張る。

あぁ、亮祐は実感を得る。

これが黒鍵から垣間見えるシャガンの隣で笑い続けて、そして朽ちていった少女…。

アラルトベーラ。綺麗だと思った。白く滑らかな肌は真珠のようで。

こんな人だったら、とふと思ってしまった。

そんな中で理緒の顔が脳内をちらつく。

あぁ、そっか。助けようとしてくれてるんだ。

だったら、本人が諦めてたら駄目じゃないか。

中片亮祐は、あきらめる人間じゃない。限界を超えていく人間だ。

まだ、何にも成し遂げていない。父親との決着だってつけていない。

諦めるには、早すぎるんだ。

「そうそう、その調子!!!私が背中を押してあげる。だからお願いが一つあるの。お願い━━━」

亮祐は、その頼みに息をのんだ。



にやり、と笑う亮祐は黒鍵の形を再び変える。

それは斧のような形を作り、刃ではない側で三人をまとめて気絶させる。

頭を抱え込み、殴る蹴るという暴行を受けていた

「俺は、作るんだ。理想国家をっ!!!」

宙に浮いた亮祐は、そのままどこかに飛び去っていく。

決意した亮祐の意思を知らぬかのように。



変化は一瞬で起こった。

化け物と化していたシャガンが竜太へと戻ったのだ。

けれど振りかざした武具はとどめることはできずに、それは竜太に向かってためらいもなく殺しにかかってくる。

「ええええええっ!?」

気が付いた竜太はとっさに創造で壁を作る。

突然に現れた壁に、ひとり残らずに激突し、目を回すのを見て、竜太は申し訳なく謝るのだった。

そして、立ち上がった六人は、決意新たに水晶と向き合い、中で埋もれている少女を見る。

「アラルトベーラ……」

思わず竜太がつぶやくその少女の姿は、あきらめていた時に助けてくれたあの少女の姿と酷似している。

いや、むしろあの時の少女だ。

そうか、この少女こそがシャガンの思い人で、シャガンを助けたかった理由か。

竜太はゆっくりと水晶に歩み寄る。

今にも崩れて落ちてきそうな少女の体を囲む水晶は刻一刻と崩れていく。

思わず伸ばした手が水晶に触れた瞬間に、アラルトベーラは目を覚まし、それと同時に彼女は竜太の腕の中へと倒れ込んできた。

「竜太っ!?」

八迫が思わず駆け寄り、紋太が「わー、いちゃいちゃしてるぅー」と冷やかす中で、アラルトベーラが竜太の首を絞める。

「私は、シャガンを助けてって頼んだのに、何で…何であんただけがここにいるのよっ!!!」

涙をこぼしながら、アラルトベーラが手に込める力はどんどんと強くなっていった。


俺は、シャガンを助けられなかったのか!?

じゃぁ、俺は、シャガンを殺したの……か??


竜太の頭の中で疑問が渦を巻いていた。

「祀と」「鐵と」「佚榎の」

『今回出番なし組会話ー!!!!』

祀「どどどど、どーなってんのよ!!!か言わないじゃん、人数カウントなだけで俺ら登場シーンないじゃん!!!」

鐡「それはきっと……あれだね、文章構成もなってないど素人の駄目人間が勢いに任せてどわーっ!!!って書いてるというか打ってるからこんなことになるんだね」

佚榎「ウォー!!!やってらんねーぜこんちきしょぅー」

鐡「ほら、本人も作ったキャラクターの性格とか忘れてるでしょ、これ」

佚榎「ぬわーッはっはっはっはっは!!!来い、シャガン、拙者が相手をするでござるー!!!」

祀「あぁ…。なんか俺の知ってる佚榎がどんどん遠くなっていく……」

鐡「そのうち俺達って消されちゃうんじゃないかとビクビクしながら今後の展開を見守っていこうじゃないか」

佚榎「ひゃーっはっはっは!!!俺が、切り裂きジャックだぁーい!!!」

祀「これ以上佚榎の醜態をさらしておけない!!!一刻も早く終わらせるぞ、次回予告を!!!」

鐡「りょうかーい。では、次回の講釈は……」

祀「えっと、渡されたメモによると…」

鐡「よる!?」

祀「なんと、決まってませんっ!!!」

祀・佚榎『って……ふざけんな―!!!』


佚榎「次回、第百二十二話、未定だぜぃ!?ひゃっは―!!!」

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