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第百五話 The looming walls are significantly bigger looming.

立ちはだかる壁は、大きく立ちはだかる。


書いてる途中でいったん終わりに持ち込めそうだったのに長くする方法を選んでしまいました。

もうしばらくおつきあいしてくださいね

シャガンは、それを見ていた。

戦況を知るために、各地へと手を伸ばしているし、そのための準備期間でもあった。だから、危機を助けに竜王が来たのも必然的に目にする。

しかし、それを見たシャガンが第一に思ったことは、面白くねぇという端的な感想だった。

なぜ、自分の時は手を貸してくれなかったというのに、あいつらには手が差し伸べられる!?

なぜ、自分ではなくて、あいつらにだけ、手が差し伸べられる!!!

面白くない。面白くない面白くない面白くないっ!!!

だから、シャガンは異空間の壁を叩き壊した。

その奥がどうなっているかなど、十分承知の上だ。

そこはかつて彼が閉じ込められた場所だったから。

中からは魑魅魍魎が手を伸ばしてシャガンにまとわりつこうとするが、そのどれもが触れる寸前ではじけ飛ぶ。

「俺に触れるなよ、下衆が」

シャガンの両目が鈍く赤に染まった時、異空間の扉はその中に居た物と、その入り口を変え、シャガンの手に収まった。

「さぁ、共に暴れよう……」

竜太の柔和な顔つきで、シャガンは嘲笑った。

足元に倒れる祀を蹴っ飛ばして奥へと続く通路を進んでいく。

「たどり着くことはできないよ。おれが目指す力こそが正義の世界には。暴れ始めよう」

シャガンは傍らに立つ魑魅魍魎達を撫でる。

「さぁ、新しい世界を作ろう…」

シャガンは奥へと一歩足を踏み出したとき、ふいに後ろから声がかかる。

「止まれっ!!!」

しかし、シャガンは振り返ることなく、炎雷刀王者龍閃えんらいとうおうじゃりゅうせんを一瞬で鞘から抜刀し、地面に突き立て、炎の壁を作り、こちらに迫ってこようと駈け出してくる八迫と紋太、鐡に佚榎が炎と雷を前に立ち尽くす。

理緒と砺磑に凱史は祀を壁際に運んでいる。

「お前たちはここに来るには早いだろ。まだお前たちがここに来るには早いんだ。後ろで相手してほしそうに二人待ってるだろ。その生身で争ってこいよ、お前たちはこっちにはこれない。おれは、創り出すんだ。神の国を」

ふふっと鼻で笑ったシャガンは炎と雷が交差する奥へとゆっくりと消えていく。

それと同時に黒い炎と強烈な蹴りが襲いかかってくる。

「シャガンの元には、行かせないよ、八迫」

俯きながら歯ぎしりをしつつ、八迫がゆっくりと振り返ると、黒い鍵が目前へと迫っていた。

「チェーン・スラッシュ!!!」

佚榎がとっさに腰に巻いてあるチェーンを滑らせ、黒鍵を弾く。

続いて鐵がブレスレットを金属製の槍へと形状変化させて黒鍵を抑える。

「八迫さん、紋太君、あっちは頼みました!!!」

佚榎が手首にチェーンを巻き付けながら笑う。

八迫は苦笑いしながら助かった、とつぶやくと竜太の父親の顔面に靴の踵をめり込ませた。

紋太も右手にアドベンチャラー、左手にトラベラーを構えてひたすらと連射した。



あたりが紋太によって爆炎に包まれたころ、竜太は回廊を渡り、最奥部へと達していた。

奥には水晶に大きな力が閉じ込められていた。

「これさえ、これさえ手に入れば、俺は神の国に近づける。そして…俺は全てを支配し、力による正義を創る。その為の、そのためだけの黒鍵だ。そして担い手だ。捨て駒だ」

シャガンは水晶にゆっくりと頬をつけ微笑むと小さくつぶやく。

「もうすぐ、逢えるよ、アラルトベーラ……」

右手の指で、ゆっくりとその水晶を撫でていった。

よく見るとその水晶は上から少しずつ時間をかけてとけていた。

溶けた酢水は、シャガンのほうへと流れ、ゆっくりとシャガンの髪を濡らしていく。

「あぁ、力だ。これが力だよ、アラルトベーラ。これで今度は、君を守ってあげられる。君と一緒にいてあげられる」

あぁ、アラルトベーラ…と、シャガンはつぶやき続けた。

テスト前とか言って一か月ほど更新せずにすみませんでした。

ここで言ったらまたかよとか言われそうですが、来月末にはまたテストが待ってくださっています…。

それまでは更新できるといいのですが、というか、しますよ。


次回、百六話 溶けぬ封印は、彼の力でも解けることはない。【仮】 

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