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第七十七話 神聖

今の今まで悩んでました。何をか!?それはあとがきで。

暗闇の中で二つの光が発せられた。それは、目の光だった。野望に満ち溢れた、これからその野望を達成しようと動き始めている眼だった。そして、その眼を持つ男はつぶやいた。

「気は熟した…」

今まで座っていた男は立ち上がると、右手で時空を壊した。そして壊れた時空の向こうに見えるのは二人の人間と、一人の異形の怪物だった。一人の人間は切り裂きジャック平田竜太。もう一人は男に操られている者、眞幻想だった。最後の一人、異形の怪物は死者の面を含むすべての地獄道具を取り込んだマリーネだった。三人はそれぞれを敵とし、剣をぶつかり合わせていた。

しかし、その戦いもその男の出現によって休戦となった。

その様子を首を鳴らしながら眺めた男はかろうじて聞こえる程度の声でささやいた。

「さぁさぁさぁ…お待たせいたしました皆さん。私が、切り裂きジャック創設者にして、“伝説だった”シャガン・フェルナンラールだ。みな各々言いたいことはあるだろう、あるだろう…。しかし、それは一切受け付けない。ここからは私の一方通行だ」

右手と左手を大きく広げたシャガンはにぃ…と笑った。それを見た眞幻想は瞬間的に反射神経が働き膝をつき頭を下げる。

「よくぞいらっしゃいました」

それを見たシャガンは気をよくして話を続ける。

「切り裂きジャック。お前たちに言いたいことが山ほどある…あるが、第一声はやはりこれであると判断した。心して聞け。『貴様らは存在する理由がない』よって、創設者シャガンの命により解散だ」

解散…。その言葉を竜太が理解した瞬間、竜太の手から覇凱一閃が零れ落ちた。その反応を見もせずにマリーネのほうへと向き直ったシャガンは指さすと叫んだ。

「よくも親友を殺したな…。そして、俺を殺したな。許さない、許されることではない。よってここにお前を殺す。しかし、死者の思念となっているシャガン…俺一人では太刀打ちができないだろう。平田竜太…。解散は貴様の腕にかかっている。さぁ、力をよこせ」

言い終わったシャガンは右手を前に突き出し、何かを呟く。すると瞬時に竜太の足元に転がっていた覇凱一閃は本来の姿、龍魂剣へと姿を変えシャガンの手へとちょうどよくはまる。

「懐かしい…」

目をつぶるとシャガンはつぶやく。そして、目を閉じたままマリーネの背後へと回り、剣を振る。

龍魂奥義りゅうごんおうぎ切口発火きりくちはっか!!!」

斬ると同時に切り口から炎が噴き出し、マリーネの体を包む。苦しげな声を上げてマリーネはその場で膝をつくが炎を地獄道具の一つで打ち消すと立ち上がり、シャガンに反撃し始めた。

「この死にぞこない!!!あの時貴様は地獄の門の向こう側、四つの箱に入れておいたはずだ…。イキャヴァラ教の者どもを手なずけたとでもいうのか…」

マリーネの驚きの質問に対しシャガンは笑って答え、更に切りかかる。

「手なずけてない…。そうしようとしたが小心者どもの犬はすべて噛み癖がついていてな…。右手一つで壊滅させた」


総領は手を組み、目をつぶり祈っていた。

「おぉ…神よ。あなたは今、ここに舞い降りてくださった。感謝いたします。あぁ…神よ…」


竜太はいまだ膝をついていた。

炎斬刀覇凱一閃…もとは龍魂剣が本来はシャガンの所有物であったという新事実。ひょっとしたら八迫から聞いていたのかもしれないが、少なくとも記憶の中にはない。そんなことよりも、一体だれが龍魂剣の持ち主であるのか…。シャガンにマリーネ、須藤そして竜太。そのほかにも数々の持ち主がいて…。

眞幻想はいつの間にか戦線に復帰していた。

その戦場はマリーネは眞幻想とシャガンの二人をたった一本の剣で見事にさばいて反撃している。二対一で、戦力は互角だった。

シャガンは竜太の名前を呼んだ。

「お前も戦え…。解散を今、この場でされたいのか!?」

シャガンが創設時に決めた一つの法則の一つ。解散権は一方的に強制解散することができるというものだった。

「解散させないし、その剣、ちゃんと返してもらうからな!!!」

力も出ない足を手で支えながら立ち上がると、想像で武器をだし戦場に乱入した。

その瞬間、眞幻想の口から血が、噴出した。マリーネの剣が眞幻想の胸を貫いていた。

今の今まで悩んでました。何をか!?それは眞幻想を生かしておくか、殺してしまうか…。結果としてこんな形になってしまいました。どちらにしろ、最後の一言は前から決定しています。それは次回で…。

第七十八話 遺言【仮】

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