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#3 楽器体験Ⅱ


楽器体験初日はホルンとパーカッションに行った。

ホルンはホルンの先輩に連れて行かれた(ほぼ強引だった)、パーカッションはホルンの先輩と仲良しな先輩がいたのでこっちも半ば強引。

次の日、楽器体験2日目は,1日目と続きのようにフルート、クラリネットを行った。

リードを使うクラリネットは全く音がでなかった。

さらに次の日、楽器体験3日目。

またしても、半ば先輩に強引に連れて行かれてサックスとトランペット。

トランペットは少し吹きやすかった。

さらに次の日。楽器体験4日目。

今日こそはユーフォニアムに行こうと思ったらユーフォニアムの先輩がクラスの係りの仕事で遅れてくるらしくいなかった。なので、ユーフォニアムと同じ大きさのマウスピースを使うトロンボーンを体験した。

 マウスピースというのは簡単に言うと、口にあてる部分。金管楽器はマウスピースを唇にあてて唇を振動させ音を出す。

遅れてやってきたユーフォニアムのあの先輩は、ほかの先輩と『低音楽器やりませんかー!』なんて呼び込んでる。そんな姿にも心打たれた。


トロンボーンを体験し終わったあと、『一年生は音楽室内に行ってくださーい!』と言われたので音楽室内に入る。本当はユーフォニアムやりたかったけど。

ざっと15人ぐらいいる。音楽室の床は絨毯だ。なのでみんな体育館座りで中央辺りに座る。

すぐに吹奏楽部の顧問の先生が入ってきた。顧問の先生は二十代後半の若い女の先生。ちなみに既婚者。

「みなさん、吹奏楽部の仮入部に来ていただきありがとうございます。仮入部期間は残り4日程度です。

 この中で吹奏楽部に入部する予定の子は挙手をしてください。」

僕は勿論手を挙げる。というより、その場にいた全員が手を挙げた。

顧問の先生は顔に笑みを浮かべて、口を開いた。

 「ありがとうございます。では、今の段階で希望している楽器3つ、教えてください。次回以降の楽器体験時にその楽器を優先的にやってもらいます。

 それでは、フルートが希望に入ってる子は挙手してください。」

僕はパーカッション(打楽器)とチューバ(金管楽器でとても大きい楽器)、そしてユーフォニアムを希望とした。

パーカッションで手を挙げたとき、他の一年は半分ぐらいいた。

チューバは2、3人。

ユーフォニアムはなぜかパーカッションの時よりも手を挙げた人が多かった。

しかも皆、すでにユーフォニアムを体験済み。これは大変だ。

なぜなら、ここの吹奏楽部で一年生が楽器を決めるときは、一年生の意見と希望する楽器の先輩、2つの意見をもとに顧問が決める。

つまり、現段階でユーフォニアムの先輩は僕を知らないということで他楽器になる確率が高い!

次の部活こそは……!

今日は金曜日。土日は仮入部がない。月曜日はもともと部活がないらしい。なので、次の仮入部は火曜日!

火曜日こそはユーフォニアムに行こう!!



月曜日。今日は仮入部がないので先輩に会えない。憂鬱な気分。そんな中、放課後に各委員会ごとに顔合わせをする。もうどうでもいいや。ちなみに図書委員会だ。

図書委員会の顔合わせ場所は特別棟3階の図書室。実は、吹奏楽部が普段活動してる音楽室のすぐとなり!気分だけでも仮入部気分に……。なんて思いながら図書室に入る。

「!!???」

僕は入った瞬間に声にならない叫びをあげた。

なんと、あの吹奏楽部でユーフォニアムをやっている憧れの先輩が図書室内にいたのだ。先輩は先輩と同じ学年の男子と思われる人と窓際で立って話していた。

男の人の方が身長が高く、お似合いのカップルって感じだ。正直羨ましい。


その後の委員会の顔合わせはただ名簿を学年ごとに作成するだけだった。なので、先輩の名前を知ることは出来なかった。




まちに待った次の日。僕の心は朝から踊っていた。今日はついにユーフォニアムを体験出来るんだ…!

しかし、放課後。音楽室内にて。前と同じで仮入部に来た一年生のみがいる。そこにドアを開けて入ってきたのは吹奏楽部の顧問の先生だった。

そして、僕らの前に立ち口を開けた。

「今日は以前希望調査した楽器中心に体験してください。このあと各楽器のリーダー、パートリーダーが来ます。希望する楽器のパートリーダーのところに行ってください。」

すると、すぐに8.9人の先輩が入ってきた。そして先輩たちは1人ずつ「フルート体験したい子は3人まででーす!」みたいなことを言っていった。

「チューバは2人まで!」

「ユーフォニアムは1人のみでお願いします。」

!!?

なんと、パートリーダーの中にあの憧れの先輩がいた。

他の先輩たちのジャージの色は圧倒的に黄色が多いので赤いジャージの先輩は目立った。ちなみに僕ら一年は緑。

先輩、パートリーダーなんだ……。



最後のパートリーダーが言い終わったあと、最初に行きたい楽器のパートリーダーの前に並ぶことになった……が!

なぜかユーフォニアムの先輩の前には僕を含めて6人もいた。

なのでジャンケンで最初に体験する人を決めることに。

そして……。

負けた。

結局僕はサックスを体験することに。

しぶしぶサックスを体験すること10分。各楽器によって違うが楽器体験は1つの楽器30分程度。あと20分頑張らないと……。リード難しい……。

そんなことを考えていたら、サックスの先輩が僕に話しかけてきた。

「あおくんはユーフォ希望?」

「は、はい。」

少し慌てつつも応える。

「じゃあ、ユーフォ行こう!!」

「え?」

僕の手からサックスを強制的に奪い、「ほら行くよ!」と僕に言った。


サックスの先輩の後ろを追っていくと、廊下の一角でユーフォニアムを一年に教えている憧れの先輩の姿が目に入った。

サックスの先輩は大きな声で「ユーフォ、1人行ける?」と言った。

ユーフォニアムの先輩は「はい、行けます!!先輩、その代わりにこの子いけますか?」と言い、サックスの先輩は「全然ok!おいで!」とユーフォニアムを体験してた子を呼ぶ。すぐにお礼を言った一年はサックスの方に行った。


ついに、ついに来た!ユーフォニアム!

先輩は少し戸惑いつつも僕の方を見た。

「えっと、そこのいすに座って待っててもらって良い?マウスピース洗ってくるから!」


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