さがしやコーポ
夕飯をすませ
いつものようになにが楽しいのか皆でテレビを見て
なお月下のみはチラチラと本から移動してみている
が、其れを終わり
いつものように先に風呂に入る月下
僕はいつまでもそこでその何も映っていないテレビもしくは、朝顔の顔など見ていたいわけでもなく、とりあえず自分の部屋に帰還を果たすと
きょういち日に出された宿題に手を着けていた
しかし、さっぱしわからない
どうしてこんな事をしなきゃいけないのか
よっぽどひとりで勉強した方がはかどる
それなのにあんな場所でやるからには
友達ごっこをしなければ行けなくなる
何のみえすいた嘘だ
いや、逆か、正解だとしても、それは結局は嘘である
それをやるとするなれば
この国という物はどう言うものだろう
無理矢理押しつけた中で生きろと言う物を学べと言うのか
個性を殺せと言うのか
自己を無くせと言うのか
果たして勉強など何の価値がある
大体そこがおかしい
意味の分からない物を学んで
会社でやくに立つのか
それは言ってみれば、学校という大きな部活であり
それで勉強もその話題のネタの一つでしか無く
大した意味など、本のひと握りの、直結した人間だけなのではないか
それなれば、人は最初から縛ればいい
自由など邪魔なだけだ、短い人生で、その多くを失いながら生かす社会にするぐらいなれば、こじんまりと一見非効率的な物の方が
人間には合っているのではないだろうか
それが果たして誰かのやくに立っているか分からず作るよりかは
其れが目の前でわかり、そしてその一つのみに胆念を込められるような仕事、ようは、誇りなんて言うのは二の次でありながら
誇りで飯を食うような物が良い
少なくともそう言う生き方の方が楽しそうではないか
まるで居きるメカニズムにくみ込まれたような物を
こんな誰もが知っているようなことを
若い時代にやって何になる
こんな物は不要だ
誰かと競わせるなど愚の骨頂
ようは、自分の範囲内で飼いたいだけなのだ
それだけのために
効率のために
社会は、人権を潰したのだ
僕はネットを見ながら、宿題の答えを探して、書き終わると
お風呂も空いたかなと思いながら
階段を下りると
「あっ・・誰か、来たみたい」
そう言ってまず僕を指さし
玄関がここからは見えないが
ある方を指した
どうやらふろあがりすぐにこっちに来たようで
まだ湯気の立っていそうな頭に、黄色いパジャマ姿である
「ああ・・ありがと」
僕はその横を通り過ぎると
そのまま玄関へと向かった
「・・・・・」
其れは玄関には居なかった
それどころか今にいた
座敷わらしかとその顔なじみの無さに
つっこみを入れたくなるが
どうやらあいつが言ったのは、玄関に来てるから急いで行け
と言う感じではなく
もう居るから行け見たいな感じなのかもしれない
どちらにしても、お呼びでないのであれば帰りたいが
しかし
「っよ」
と片手をあげて僕の方へ
挨拶をしている
挨拶と言えるのか
ふと、静かだと秒針がうるさい
時計を見ると
十時を過ぎていた
相変わらず、朝顔は寝ている
「・・・・寝ている・・」
どう言うことだ
何で寝ているんだ
と言うか起きないのだ
おいおいおいおい・・月光さんよこれはどう言うことなんだい
僕に言ってから行ってくれよ
僕はとりあえず
そいつのそばまで行くことにする
しかし一歩進んだのみであった
「どうしたんだい」
こちらの話だ
と言うか、どうしてここに奴がいる
どうしてだ
僕は其れを見ていた
確か昔付き合っていた、通君であった
別に男ではない
いや、はじめ見たときはそのすらっとした身体と髪型
それどころか、私服まで男の其れだったので
馬鹿な僕は、男だと勘違いしていた
そして、そんなことを言われて
ますます馬鹿な僕は
良くも考えず
「うん」などと頷いたのだから始末に負えない
それからつき合い始めるに当たって
デート、なる物を企画して
いざ実行しようと言うときに
どうやら奴は、女なのかもしれないと思い始めたのである
なまじ中間色が強い、中和的な奴である
今見ると、清涼水が、似合いそうなクールさである
もはやなれなれしくしたくない種類の分類であり
もうこっから逃げ出したくならないのが
実に異様であり
もはや奴との関係の深さがあるのかもしれないと
僕ながらに驚愕を隠せない
しかし、どうして今ここにいるのだ
小学校に上がる前に引っ越したではないか
そうなるとその逆なのであろうか
しかし今は十時過ぎである
どう言うことだ
(合いたくなっちゃった)
みたいな希望観測は捨てきれないが捨てよう
馬鹿を見るのは僕に違いはない
「・・・・茶でも飲むか」
そう言って机を見ると
飲料水がおかれている
持参したのだろうか
「・・・朝顔って覚えているか」
何日ぶりかにしゃべったが故に
実にひりついているのどから
どうやら不思議と声が出る
「ああ、確か君のお母さんの妹の」
「良く覚えているな」
「ははは・・忘れないよ」
「・・・・・・・・其れがいまよこにいるんだけど・・・そこら辺は大丈夫なのか・・挨拶しているのかその寝ている奴は」
「君はおもしろいところをつっこむね・・昔のままだ」
ふざけないで欲しい、外見はともかく
その中身まで同じと言われるのは
実にどうも行けない
「・・・・其れでどうなの」
「挨拶したら疲れてるって寝ちゃった」
「・・・・・・・・今日はどうして」
「引っ越してきたんだ、明日から同じ教室」
一クラスしかないから其れは避けられないだろう
「・・・しかし時間が時間だぞ」
普段であれば、絶対他人を注意しない僕が久々に何かを言った
「ああ・君に会いたくて」
・・・・何かいやな予感がする
こういう予感は当たる
まるで落ちた後に
今落ちていると逃げ場のない恐怖
「はは・・・」
僕はなぜか一瞬笑いそうになるも
固まるというか
そのまま平成とも言える
沈黙を提供した
「・・・まだ誰とも作ってない」
彼女は聞く
其れと同時に立ち上がった
僕は一歩後ずさりそうになり
またしても平常心みたいな物を
提供した
しかし、其れはまるでそちらの方が的が動かなくて良いや
みたいな考えをしてそうな猟師の如く
僕の方を見て立ち上がる
もしかしたら僕とどっこいどっこいなのではないか
どっかの雑誌に沿っていそうな
気だるそうな美人
其れで居てクール
今日学校で見て思ったのが
やはり人間の足は太いと言う現実だった
あまりに次元萌のない僕でも
やはり足が太いという物は
実に幻滅してしまい
こんなところに二次元の浸透があったのかと
幻滅を隠せないが
其れはジーパンであり
ぴったり系どころか
ジーパン自体が嫌いな僕でさえ
其れ以前に
其れは細いと言わずにはおれない
美しいと
其れは立ち上がると
僕の方を見て
言った
「誰も居ない」と
首を傾げそうな所
どうも疑問系であり
そして其れは今この場所に誰も居ないかなどと言うことではなく
どうやら過去のあの事件を指しているのかもしれない
僕としては・・居ないと言うことしかできないにも関わらず
そう言えば宮下が何か妙なことを言っていた
・・・
「誰か居るの」
其れはこと、平然に、何の感情もないように言ったが
其れは違う
何かを感じた僕は
「いや・・其れはない」
そう言う
多分そうだ
「付き合って」
言葉にするとひどく自分勝手に聞こえるが
其れはどこか自分外に発した
自分以外のこと場とも取れるすがすがしさとそして
一輪の花を思わせる
どこまでも見えない繊細さが見える
「ああ・・・しかし二十歳まで待とう」
「・・今じゃなきゃダメ」
其れは色々と聞き取れそうな言葉であったが
多分にして、今でなくてはいけないですか
見たいなものであろうと思われた
「・・・しかし僕はつまらない人間ですよ」
「其れが良いのです・・・嘘ですが」
なんと愛くるしい
全く持ってその要点がないが
其れがどうも良い
良いものとは
其れを隠してこそ
ようやく及第点を得るのだ
其れを求めている時点で
其れは求めるべきではなかった失敗作
そして其れが失敗と意うことを得られた成功例であろうが
否応にして其れを認めたがらないバカどもが
僕という物を含め
世には五万と居る
世の中に救われている物など居ない
救われていると勘違いしている物か
救われていると理解して居るものか
救われているのか分からずに、不幸だと嘆くものか
単に不幸かのどれかである
なお不満は認める
しかし、目の前に見る其れは
そんな理屈を抜きにして
もう萌である
もえー
である
こういうキャラではないと心底信じたいが故に
しかし其れを土返しにして
僕はもうそれに染まっていたのであった
萌である
かくしてその日彼女は水を一杯飲んで
「其れでは失礼」と、何とも堅苦しい挨拶をして
そのまま帰って行く
「あら、帰ったの」
こいつ居たのか
などと思ったが
ふと秒針のうるさい時計を見て唖然とする
もう寝なければ
僕は急いで
そのまま風呂に入り歯を磨き
何か読み始めている朝顔を横目に
「おやすみなさい」と一応の挨拶をすませて
就寝を迎える
何でも彼女は明日転校して来るという
しかしどうも転校生が多かったり
不登校が来たりと
実に実にである
ちなみに不登校であったが
別に勉強が出来ないわけではない
通信を受けていたし
其れも家の親戚がやっている物を受けさせられていた
しかしこんな物をやるくらいなら別のことをやりたいと思うが
しかし、どうも成績が良いらしく
褒められては居ないが
何かと何か言ってくる
しかし其れがすべてパソコン先生の力とは思うまい
僕はそう思いながら就寝を今度こそ迎える
そう言えば、髪が僅かに茶色かったな
そんなことを昔の記憶と合わせて思う
昔も色彩の薄かった
そう思う
思いが思われることで
どんどん寝る時間が減る
かくしてようやく就寝できたのは
一時間ほどで朝が青く暗闇を薄れさせる時間帯であった
「其れではしはいついくんです」
登校していきなり
待ち伏せの如く奴が現れた
宮下である
「おはよう」
「・・・・・・・・ちょっと」
「なんですか」
「それだけですか」
「おはようとは、自分はあなたの敵ではありませんよと言うことを言っているのです、これいじょうなにを求めるんですか」
「そう言う事じゃなくて、少しお話がしたくて」
「そのことなんだけど」
その言葉を聞いたとき
彼女の顔が少し曇る気がしたのは気のせいだろうか
いやきっと気のせいではないはずだ
しかし、人間観情に疎い僕のことである
もしかしたらもなくはないだろう
「僕はその彼女が出来たので、あなたとは無理です・・・ではでは」
「おい」
僕はそのとき万力のような力が肩に加わり
一瞬、恐怖よりもはてなが心に浮かぶ
「・・・・なんでしょうか」
「・・・其れは嘘じゃないのよね」
「嘘を言うような人間に見えますか」
これは嘘である、本当をいいたくがないために、僕は嘘しか言わない
しかし、其れはつまらない会話を向上させる緩和材というか
もう其れこそおもしろさの追求と言いたいが
なぜか世間はそのぎりぎり感を好まない
実に妙なところで自分を守っていると言うしかない
そして僕も別にそれに付き合いたくないので
どっこいどっこい感は否めないが
孤独感を知って欲しくはある
「そう・・ならうばうまで」
僕はよそうだにしないというものはせけんぜんたいてきにすべてであるが
しかし、其れが楽しくないことが全てである
しかし、これは実に不注意的に
どっちとも取れた
そして僕はそのときばかりは貞操の危機を実に感じた
いくら酒を勧められようが
いくら好きな本を薦められようが
もうなにが何でも自分のよそうだにしない何かはみない主義であるが
僕はその瞬間
其れを見てしまった
其れは僕をまるでどうも
コンクリートの如く固めている両手に挟まれ
その体が近づいてきた
しかし、何だろうこの嬉しくない感想は
何だろう
僕はその瞬間
「ちょっと待て」
などと呑気なことを言っている
しかし其れは有無を結わさず
いきなり顔面を近づけてきた
破壊されるビルを思う
「ちょっと待ちなさい」
そのとき僕は何かを聞き
彼女も後ろを振り返る
そして僕は
言葉にすると長かったが
まるで振り返り際にキスをするような恐ろしいハニーとラップというか何というか、見たいな素早さからかいひは出来た
「あなたたち、そんなところに突っ立ってないで
退いてくれる」
「待てとかどけとかうるさい」
普段聞き慣れない女子の喧嘩腰の声
僕としては今すぐにでも逃げ出したいところだが
逃げ出せる状況下にはない
ただ見ている情けない人間に身を投じている
「うるさいって何ですか・・其れよりもそこにいる男に用があるんです」
どうやらただでは助からなかったらしい
「なによ用って」
聞きたいことを彼女自身が聞いた
「あなたには関係ない」
「あるわよ、彼女なんだから」
「相方はそうは思ってないみたいだけど」
僕の方を二人は見る
僕は無表情に格好悪くそこにいた
「・・・言ってないじゃない」
なぜか声が震えている
「もう泣くならここ以外にしなさい・・其れよりもあなた、早くこっちに来なさい」
僕は男としてこれは不味いことになっていると思わずには居られない
そしてこう言うことがあるから社会は嫌なのだと思う
どうして自分をもとうとするのか
出来るだけ柳のようにふらふらと流されるままで良いではないか
嫌悪するくらいならしんでしまえ
そう思いながら僕はフラフラするのである
「そう言うことだ、君とは無理だ」
僕はきっぱりと断ると
髪がクロワッサンみたいにクルクルしている花神の所に行く
ここできが付いたが
感じにして読むと
(ハナガミ)ともよめる
「なあ、鏡」
「みよじで呼ばないで」
「其れじゃあなんて呼べばいいんだよ」
「呼ばないでちょうだい」
どうすればいいのか
そしてたぶん呼ぶこともなく終わることが予想できる
「しかし、どうだろう、君さえ良ければあだ名を付けたい」
「ハナガミだったら殺す」
僕は殺されないように、必死であだ名を考えた
どうしてあだなだけで死ぬのか
「・・・鏡はどうだろう」
「そのままじゃない」
「そうじゃないと呼べないだろ」
「ミラーにしなさい」
「・・マジ」
「冗談を言う訳ないでしょ、あなたとは違う」
かくして二度と呼ぶことがないだろう名前に近いあだ名がミラーになる
「しかし鏡さん」
「ミラーって言ってるでしょうが」
「本当に良いのですか」
「別に良いじゃない」
「それじゃー鏡さん」
「・・・ふざけてる」
首を傾げずにたずねる鏡 花神
「しかしそうなるとミラー鏡」
「そんなインチキマジシャンみたいな名前は遠慮します」
「残念・・それじゃあ」
「ああ・・そうね・・それじゃあって・・・待ちなさい」
「何ですか全く」
「用件があるのはこれからなの」
「僕は別にないので学校の教室に行って寝ていたいですが」
「・・・・・あんた、まだ橋が爆破した事件調べてる」
今度こそ首を傾げて聞いてきた
しかし何だ、最近そのことを良く聞かれている
もしかして僕なんかよりそっちに興味があり奴らは近づいてきているのか
だとしたらあの事件は実は近所に根付いた恐るべき事件か
めんどくさそうである
知りたくはなかったし
まだ知ったとき待ったわけではない
家にかえって覚えていて
さらには、朝顔の機嫌が良ければ話そう
幸い機嫌が悪いことをあまり見たことがない
どちらにしても覚えていればいいが
「まあ・・ぼちぼち」
「もっと具体的に言いなさいよ・・・いつ何時何分にどこでなにをするとか」
「そう言うことはプライバシー」
「そんな物あんたにあると思ってるの」
「あるでしょ」
僕は言葉の権限さえ失いかねない恐るべき事を言われ
何とか威厳を保とうと
なにかしらの言葉で打って出たが
「あったとしても私の全精力を持ってあなたを潰して見せます」
・・・・・・・僕は恐怖とともに恐ろしさを覚える
何でこんな事になっているんだ
なんなんだ
これだから学校は嫌なのだ
きっとたまりにたまった何かが今爆発しているのだ
そうでなければおかしい
おかしすぎる
なにがどうかは知らないが
何かおかしいだろ
いや全ておかしい
勉強が分からず
全て分からないようなものだ
みんながおかしいので
逆に自分がおかしいと勘違いするようなものだ
とにもかくにも
「あんでそんな権限があるんだよ」
僕は必死の形相で
無表情ながらに声だけその面相を表して
そう言うも
「あなたが私に勝てる権力をお持ちになって」
などとつっこむことが楽しくなるほどの強敵ぶりを露わにするも
僕としては別に張り合うくらいなれば逃げることが常なので
「はははあーーー」
とひれ伏すような目を一瞬見せて
そのまま脱兎の如く逃げだそうとした
言葉でダメなら実力行使だ
しかし、そいつは僕の実力行使のさらに上を行く
恐ろしき人物だった
正直其れは感に答えた
威厳の消滅
こう見えても、どう見えているかは知らないが
僕は足だけは早いと自覚していた
しかし其れを
其れを奴は肩にその手を掴むことで
止めた
なんて力だ
一瞬先ほどの宮下が再来したかと思われた
どれだけ恐ろしい女子がいるんだこの学校は
握力どれくらいなんだ
きっと80キロほど行く怪物に違いない
僕はその恐ろしさとまた、それでも壊れない肉体の神秘を思うが
果たして僕の肉体強度はどれほどのものだろうか
もしかした後一グラムでも重くなると肉が裂けるなんて事はないと言いきれるか
僕は其れを回避させるために
「分かった」と、言うしかないのである
「あら、物わかりが遅いけどよろしくて」
果たして褒めるかけなすかどちらかにして欲しいものだ
そしてどちらかと言えば褒めて欲しい
疑いを果たすほどに
其れを凌駕するくらいに
僕は死ぬほど疑り深くだまされやすいのだ
どちらにしても何かとんでもない約束を今させられている気がしてならない
「其れで俺になにをさせたいんだ、なにをするんだ」
「まあ、俺なんて、普段は僕でなくて」
「どうでも良いだろ、たまには良いかもしれない」
「そう言って人はおごりにおぼれ、自分を貶し窶れた頃に美しく見えると」
「どういう美的観念だ、そして俺はもう汚れている」
「あら、本当に」
「どこだ、言って見ろ」
「ついて行きますからね」
「どこにだ」
「橋に」
「橋・・・何でお前等はそんなにこの事件が気になるんだ」
「良いじゃありませんか、また落ちるとも分かりませんし」
「落ちてたまるか」
「でも落ちない証拠はない・・そうでしょ、早さん」
「まあ・・・何で落ちたのか分からないが・・しかしほかの場所が爆破される可能生もあるだろ」
「・・其れはないとは言い切れませんが・・・その目的は、果たしてどうでしょうか」
「・・何か知っているのか」
「ええ・・・あなたが犯人を捕まえたら教えても」
「・・・・・・早く言ってくれ」
「むりです、あなたを信用すべき人間でないと
私の第二の人格が言うのです」
「・・・其れはご愁傷様に、家でなにがあるか知らないが用心しろ
いや養生しろ」
「・・・・・とにかく、橋の調査、私のも同行させていただきますから」
「・・・しかし連絡はどうする、僕は普段から唐突に出かけたりするぞ
まさか、執念深いというか何というか
あれか、そんな妻が見たいにGPSでも、俺につけて同行を調べようってんじゃ」
「あら、もうつけてありますのよ、気づかないなんてお馬鹿で」
「なに」
「まあ、嘘はどうでも良いですが」
「嘘に聞こえないぞ」
「嘘ですよ」
「どっちのだ」
「そう言うきわどい会話はやめてください
こちらの品性が落ちます」
「・・・・分かった・・しかし、どうしてそこまでそんな詰まらんことが気になっているんだ」
「つまらなくはありません、それどころか」
そう言うと彼女は、
「まあ、其れは解決してからにしましょう、ではご機嫌よう」
すぐに合うというのにたいそうな言葉を残して
僕の前から立ち去る
しかし何だ、奴の言い方だと犯人が確実にいることになり
そして奴は其れを知っているらしい
しかし警察に届けないのはどう言うことだ
言えない事情
またはそこがまだ分からないのかもしれない
しかしどうしてそこまで知ろうとするのだ彼女という人間とどういう関連があるというのだ
僕はそう思ったが
「あんたまだそんなところにいたの」
と言う、宮下の声で振り返り
「授業始まるわよ」
と言う声と同時期に
チャイムが鳴り響いた
「其れじゃあ今日橋に行き訳ね」
宮下がそう言っている
どうせ連れてかなければ後が怖い
そしてあの鏡・・いやミラーも、誰も連れてくるなと言っていなかった
其れ以前に
奴はどちらかと言えば
同行者の姿勢をとっていたようにも思える
まあ・・どちらにしても、僕が出来る事なんてなにもないと思っていた
そう、本当に
「しかしどうしてそこまで一緒に橋のことを調べたいんだ」
「だってそこに行きたいんでしょ、デートじゃない」
「デートじゃない、そして僕には彼女がいる」
「どうせ空想でしょ」
「違う、断じて違う」
「まさか、光、君」
「誰だ其れ」
「だから、光、通君・・いや、ちゃん付けか」
「・・・そう言えば」
そう言えば、みよ字かそんなんだった気がするが
あまり覚えていない
いつも下の名前であった
いや逆に
上のみよじだけでの会話というのも何なんだろう
「そう・・ならライバル出現って事かしら」
今現在ホームルームまえであり
何でも担任の黒帽先生が、ぐわいが悪くなってきゅうきょ代わりを要しているそうだ
「そう言えば今日転校してくるって言ってた」
「何」
「あらおはようございます」
どこからか悠々と遅刻してさっきまでご機嫌ようと言って去っていった
ミラーがそこにいた
「どうしてそんなに遅れているのよ」
と、宮下
ちなみに真ん前がみやしたである
「あら、しょうしょうおといえれに」
「・・・・・・長いでしょ」
「あら下品な、事件がありましたのよ」
「事件」
「ええ、女子トイレにも関わらず男が出てきたんです」
「・・・・」
「・・・・・」
どうも二人の間に共通認識人物が出てきた
そして幼稚園より一緒行いであるからにして
奴の顔を知っている
「其れでどうなったんだミラー」
「何其れ、いじめ」
「違う、あだ名だ」
「あだな・・・そんな物つけて喧嘩を売ろうって言うわけ」
「どうしたらそうなるんだ、鏡自身がつけたのだ」
「まあ、そう言う事にしておきましょう」
「そう言うことだったんだ」
「それで、どうなったの」
「・・・いや、ある物を見せていただいたので一応は納得しましたが
偽造でないとは言えません」
「何をお前はみたんだ何を」
「あらそんながっついて
男の方に趣旨が」
「違う、何をみたんだ、其れは多分僕の彼女だ」
「別に良いじゃないですか、どうせ女同士ですし、まあ私はどちらでもかまいませんが」
「そこは構えておけ」
「しかしですよ、今さっき話を聞いていたところ、宮下さん、あなたも橋の探索に一緒に行くとか」
「どこから聞いていたの」
「最初から」
「いやそう言う事じゃなくてね、鏡さん」
「ミラー」
鏡が言った
「ミラー、あなたはどこで聞いていたのかって事」
「あら、障子に目あり、畳に耳あり」
「・・あなたが言うと、商事に目ありエレベーターに耳ありって事になりそうだわ、しかも言葉の順序的な諸々間違ってるし」
「それで、その女の肩はいつ頃この学校に来られますの」
「ああ・・今日って言っていたけど・・・其れで何をみたんだ」
「そんなの学生証明書に決まってますわ
それとも何ですか、私がそこまで破廉恥なことを」
「・・いや良い・・ちなみにどこから聞いていたんだ」
「あらさきほども言いましたわよ、私の知らないことはないと」
「・・・・・・・・まあいい、其れじゃあ今日の放課後、家に帰ったら
すぐに十頭橋の袂へ集合」
「ダメですわ」
「何でダメなんだミラー」
「そんな物は遅すぎます、ですから私の家で送ることにしましょう
時間はかねなりですわ」
「・・中学生で其れを言うか」
「別にいいんじゃない、楽だし」
「お前もか」
「いや、時間は大切よ、今日の六時から、「ファイヤー刑事と姫」が始まるんだから」
「あら、庶民も見ますの」
「庶民が見るものでしょ・・と言うか、あんたが見ているのあんな物」
「あんな物とは、これだから下々の人間はあの巧妙なトリックにもみた
芸術的ユーモアが分からんのです」
「言ってくれるわね」
「まあ、まあお二人とも」
そんなときちょうど良く扉が開いて
教頭の蛞鯨 京介教頭がはいってきた
「えーおはようございます」
「「おはようございます」」
「今日はまた転校生の方が来ますので
みなさん話を聞くように」
「あの、黒帽先生の様態は」
「ああ・・死ぬとか言っていますが、どうも食中毒みたいで、
医者もに三日休めばいいと
ですから今日から私が朝と終わりのホームルームは来ます
全て変わらずに行ってください」
「はい」
聞いてきた奴が言った
「其れではお入りください」
教頭がそう言って扉の方へと声をかける
其れを合図に出てきた物に
みなみないきを飲んだのが分かった
それほど其れはあか抜けて
そして常人ならざる雰囲気を所有している
其れが何かと聞かれても
それが何を指すのか比べる物も知らず
ただただただただ
唖然と黙りしてしまうのであった
「みなさんこんにちは、早君の彼女で、光 通と言います
みなさんよろしくお願いします」
僕は唖然とその話を聞いた数秒後に
とんでもないことを聞いていたことに気が付いたが
そのときには見なそう言う雰囲気になっていた
「なんだそれ」
「早って誰だ」
「どういう紹介だ」
などなどなどなど
教頭自身も一瞬唖然としたが
しかしさすがに貫禄を所有しているので
うろたえるわけには行かず
そのまま押し込めて奴らを静かにして
そのまま席を指名して帰って行った
しかしとんでもないことに僕の席の後ろであった
どう言うことだ
僕に窒息死しろと言うのか
僕は囲まれて死にそうなナメクジを思い描く
もはやしおを蒔かずとも
自らの分布する汗で溶けてしまいそうだ
「おはよ、早」
「ああ・おはよ」
僕はついにそんなことを言ったが
其れは何の気にもしないかのように
僕の後ろに座った
次の授業が始まるまで
いよいよ人が取り囲むと思われるが
しかし一人として現れない
どうやら何かを感じて其れが壁となっえいるのか
しかしどちらにしても僕という事件が徐々に薄めていくことの布石となっているのであれば
もう何も言うことはない
結局その日はたわいもない会話もなく
午後になったが
ついに放課後になりかけたそのとき
ふいに肩をたたかれた
僕としては振り返ってもそこにいる人物が違うわけはないから
どうたいようすべきかと迷うこともある
と言うのも
なまじ学校という場は緊張する
しかし
それでも普段通りより一段
上のランクの会話を求めていることから
彼女の存在が実は非常に特別なのが分かる
「なに」
僕は振り返りながら言う
「今日一緒に帰れる」
「・・・」
不味い
どうも不味い
僕はそのとき後ろを振り返ると
猛烈に首を振る宮下と
首に親指を当てて
クイッとしているミラーがいた
こいつ等何なんだ
「其れなんだけど、ちょっと」
「そうか・・ちなみにどこに行くんだ」
「ああ・・橋を見に行くんだ」
「橋か」
「ああ、この前何者かにはしが爆破されて
其れで犯人を調べているんだ」
「大丈夫なのか」
「まあ、逃げることに関しては一級品だよ」
「そうか、なら私も行く」
「でも危険じゃ」
「ノープログレムだ、逃げるのは君と同じくらいうまいよ」
「・・大丈夫」
「心外だ、君を保育園のとき捕まえるのに
僕がどれほど苦労したことか」
「・・そうだっけ」
「ああ・・あれは保育園児にしておくには惜しい逃亡魂だった」
「・・ははは」
そのとき僕の袖が引っ張られた
「私たちは心配じゃないんだ」
「・・・・・まあ・・俺より強そうだし」
「何で僕から俺になってるの
それに其れは一体全体どういう」
「彼女らは・・ああ、あなたは宮下殿でしたね」
「これは久しぶり」
「私はお初にお目見えします、鏡ミラーとも押します
ミラーと」
「・・ミラーさん・・外人ですか」
「そうだとしたら何か」
「いや、私のハーフな物で」
初耳だった
「ほう、そう言えば髪が少し薄い色をしてますね」
「ええ、そんなとこです」
「私もブルガリアの血を引いていますが
なにせ、日経ブルガリア人なものですから、もはや日本人と変わりません」
「その割に髪が金髪っぽいな」
「ああ・母が、アメリカ人の両親で日本で育ったの」
「・・・なんか逆輸入だな」
「そんな物みたいに扱わないでくれます
ジャポン」
「お前もだろ」
「其れでいつ行くんです」
「ああ・このあとすぐに」
「・・・・・まあ連れて行っても良いでしょう」
「いやならいいんだぞ、二人で行くし」
「・・・・・まあ仕方ありません
それではまいりましょうか」
かくして橋を見に行くことになる
この付近にある橋は
人があまりいない
川の上流の十頭橋
人が比較的多い中心街にある銅人橋
そして県境に面した葦切り橋の主な三つである
そして今回爆破されたのが
一番上の十頭橋であり
目撃者は少なく
そして犯人の足取りはゼロである
果たして僕は何をしているのか
もはや僕にとっての利益はない
それどころかこの何が興味を見いてきているのか分からない
三人がいる
果たしてその裏にうごめく思想とは
一体何があるというのか
僕はただ其れをリムジンという
何も言えないほど落ち着かない物にのって
第一のはしに向かう・・そう言えば、あの橋だけじゃないって言ったのは誰だっけ・・・確かミラーか・・大丈夫だろうか
物の30分ほどで
一見川しかないように見える場所に着くが
ここは橋があったのだ
そしてその巨大な残骸が
川の中に点在しているが
しかし、川をせき止めているようには見えない
「・・・なかなか面白い光景ね」
宮下が言った
「ああ・・そういえる精神が僕は面白いよ」
皮肉を乗せて送る
「そう・・・で、これからどうするの」
一応は僕に向けて聞いてる
「ああ・・・ここら辺をとりあえず調べようと思うんだ」
「・・・無かったんじゃないの」
とミラー
「まあ・・十日くらい調べたけど・・全くと言って」
「其れじゃあ別の物を調べない」
「たとえば」
僕は聞いた
「この事件のあった場所、またはこの事件に関連した人物・・たとえば老人が居たって言っていたじゃない」
「ああ・・・其れなんだけど」
「消えたのね」
「何で知ってるんだよミラー」
「このまちで知らないことはないわ
少なくとも私が調べたいことでは」
「そうかい、しかしその老人についてどうして興味が合ったんだ」
「あなたバカじゃない」
其れはフンと鼻を鳴らしてから持ったいつけて
「老人が猫を持ってこのはしまで来る時点でおかしいと思わない」
「でも・・其れはそう言うもんじゃ」
「どういうもんじゃよ、食べてみたいわ」
「腹こわすぞ」
「腹壊すわよ」
「壊れるぞ」
僕
宮下
通
「何よその突っ込みの三重奏は」
「其れでどういうことなんだ」
「・・・つまりあれは演技だとは考えられない
もしくは催眠でもされたか」
「そんな催眠なんてあるのか
それに誰がそんなことして得になるんだ
大体、それ自体が間違っているかもしれないだろう」
「そう・・・それなら老人がはしって逃げた先でこんな事が起きることがあると思う
私は老人がそんな物を持って
さらにはあの人間狂気みたいな朝顔よりも早く走れたことが驚きだわ」
「あれ・・朝顔知ってたっけ」
「・・・まあ其れは良いわ、つまりはその老人は消えた
そして考えなければいけないのは
次はどこにその事件が起こるのか
そしてなぜこんな事をしたかよ」
「なあミラー、お前は何を知っているんだ、どうして次が起こると分かるんだ
もしかしてお前・・・・」
「何よ」
「犯人か」
「違うわよ、少なくとも・・・それに私はそしするための人間なんだから」
「阻止・・・何から」
「・・・・だから犯人を捕まえたら言うって言ってるじゃない」
「だから其れが分かればずっと犯人を捕まえやすくなるかもしれないじゃないか」
「言っておくけどあなたたちは其れが捕まるまで其れが本当とは絶対信じないでしょう」
「・・・・まあ・・ミラーが男と言われたら少し」
「どういう事よ」
「つまり、これは普通の事件じゃないと」
そこで熱した夜間にドライアイスをぶちまけるような
冷やし方というか緩和したした言い方で
通が話しにわって入った
「まあね・・・でも良いわ・・あんんたたちに教えてあげる」
「いやいいや、なんか面倒そうだし」
「あんたあれほど聞きたがってたじゃない」
「いや、なんか其れ以上に面倒そうになってきている
と言うか、以前に、このパターンからすると
ものすごく面倒そうなことが待っている気がする」
「・・・うんうん・・私も賛成」
宮下が珍しく同意見を言った
「僕は良いかな・・気になる」
通の意見がもっともらしく聞こえた僕は
「其れじゃあお願いしますミラー」
「・・・・いいのね」
「・・ああ」
「ええ」
「うん」
僕
宮下
通
「あの川わ」
そこでミラーは川を指さし
「竜なの」
そう言い放った
「・・流れって事かしら」
宮下
「・・・昔の地名で、竜みたいだから竜見たいなものじゃないのか
そう言えばそんなはなしがあったような気がする
ほらこの川まがりくねっているだろ」
「ああ・・・さすが」
褒められ嬉しい僕である
「・・・・何でそんなに驚かないの・・・もし其れがうそだと思うなら
あなたたち後悔するわよ」
「いえ、おきになさらず、僕も其れのような組織にはいっていますので」
「あんたは誰よ」
「ブラックデューイングとでも申しましょうか・・あなたの同業者です」
「別に商売なんかやっていないわよ・・・っていうか・・あれよね、黒蜂
・・そんな奴がどうして」
「まあ、良いでしょう、どうせやることは同じです」
「全く違うわよ、あんたの場合は殺すでしょ」
「あなただって人は殺すでしょ」
「私が言っているのは別の物の存在よ」
「私が言っているのはまた別の意味ですが
「うるさいうるさいうるさい
とにかく目的は真逆よ」
「其れはどういう」
「あなたたちは人間営利に物事を進めているのけど
私たち暁は、人間だけじゃない
真理を追究しているの」
「そうですか、その失敗が、この体たらくと」
果たしてどんな失態を犯したかは知らないが
二人でよく分からないことを言っている
「あのお二人とも、どういう事なんですか」
「どうもこうもないわよ
本来なら最小限の知識を与えて事件を解決するはずだったのに
こいつのせいで」
「何を言っているんですか、あなたが勝手に、良いわね
なんて事をいって話し始めたことでは」
「・・・・どうも気にくわない」
「其れはこっちの台詞です
あなた方のせいで私たちの組織が結成されたのも理由の一つとしてあるんです
言い迷惑ですよ本当」
「何が本当・・よ、あんたみたいな自己営利だけに動く組織つぶれた方が言いに決まっているじゃない
何が殺人から世界征服までよ」
「いつも事を言っているんですか
そんな物引っ張り出されても
そんなこといったらこの前のウイルス事件
あれはどう説明するんですか
私に理解できる説明と言えるいいわけをお聞かせ願いましょうか」
「二人とも、どういうことなんだ」
僕は聞く
「その組織っていうのは」
「ああ、君か、僕の愛しの人よ」
「・・その呼び方はやめてくれないか」
「・・・つまりは、この世には二つの顔がある
実際には見えないだけで其れが複雑怪奇に絡み合う
そして僕が知っている世界の事情は
つまりは、昔の物事の処理だよ」
「物事」
「この世を誕生させるに当たって
この世では理不尽に隠された昔話を
この世で対処しきれないから
僕のような組織が存在する」
「何をやるんだ」
「何もしないんだよ、ただ何もなかったことにする
それだけのこと」
「良く言うわよ、あんたそう言ってこの前
荒神殺したじゃない」
「其れはタイムの不注意で」
「其れがいけないって言ってるのよ」
「僕がやった件じゃない」
「・・・ちなみにミラーの方は」
「私はその人間が出しゃばりすぎたが故に出始めた新たな現象
どちらかと言えば、ウイルスに関連する物を当たっているのよ
まあ、言葉は新しいけど、そこの黒蜂よりかは、よっぽどふるい
なにせ陰陽道よりかなり昔からある
どちらかと言えば
研究道とも、昔話とも言える」
「・・・良くわからんが、今回は何をしにここまで来たんだ、
僕を巻き込む必要性があるのか」
「・・あんたはしらないんかもしれないけど
あんたの親が死んだのは何でか知ってるの」
「・・・嵐の夜に川に出かけて」
「其れが大きな間違い
あんたの親二人は、竜にかみ殺されて死んだんだよ
この地方では、噛まれ人と言う伝承がある
嵐や雨の番になると
上半身や下半身のみが噛みきられて死んでいる遺体が見つかる
これ全て雨の日にだけ動き出せる竜が
人間を襲った後
竜もルールがあって
一口しか食らえない
其れも単純な遊びに近いかもしれないけどね」
「・・・・それじゃあ、僕のお母さんとお父さんは」
「・・まあ、ぎりぎりで封印したみたいだけど
その一つが今壊されそうになっている」
「と言うかこわされましたけど」
「あんた何やってたの」
「私が知ったのは昨日の晩ですぐにヘリでこっちに来たんです」
「ヘリで来たの」
「来ました、まあ、あなたのことが心配できたのもありますが」
「・・・・・・」
「そんな恋恋慕の情が絡んだもんでよく仕事ができるわね」
「あなたこそ、何悠々と金持ちずらしてるんですか
そんなことしている間に
事件を」
「仕方ないじゃない、元々家は金持ちだし
それに其れと事件解決の遅さは無関係じゃない
私だって色々してたんだから」
「ウイルスの後始末ですか」
「・・・仕方ないじゃない、いつ巨大な未知の奴が来るか分からないし」
「其れで世界滅ぼしたら訳ないですね」
「・・・・・・」
「其れで良く分からないけど・・・ふたりはその・・・早君に
その竜を封印して欲しいとお思っているの」
何で理解してるんだよ宮下は
と言うかなんでだ
いつから冒険譚というか
良く分からない奇っ怪な話になった
これは流れから言えば
もっとまともな話になるはずだろ
どこにもトリックがない
なんだこれは
夢か
夢なのか
夢に違いない
夢だと言ってくれ
と言うかなにさらっと父と母の死因が
・・・・・・
どうやって封印したんだよ
何なんだよ
「今回事の発端が現れ始めたのは「神取り」シラトリのれんちゅうが動き出したことに起因します、しかし其れもほとんどばれていない極秘中とのことで、できるだけ員を入れるわけには行かず
其れでその気配がない人間がここに呼ばれたわけです
私は其れが消せますが
あのくりくり金髪は
元々何もありません」
「何言ってるの
私はこの頭脳があるんです」
「・・つまり其れなしだと無力です」
「やるかこら」
「・・・・そんな個というまえから積んで差し上げる」
普段の無口さからは想像もできない饒舌クールさで
徹はミラーと言い合っている
ただ端から見ている宮下はと言うと
何か「フムフム」と某子供番組の虫の名前を連呼していた
「・・・・其れでどうする、宮下」
「何がです」
「帰った方がいいんじゃないのか
ろくな事になりそうもないぞこれは」
「そうみたいですね」
「そう見たいって」
「実は前々から気になっていたんです」
「何が」
聞くのが恐ろしい
こんなドミノ倒しに恐るべき自己紹介が起こっているのだ
そして自分の場合
知らずに何かを暴露されている状況だ
「この地方には、異様に変死体の伝説が伝説として残っている
そしてその場合、大体教訓めいた物があるんですが
これにはない
何かに気をつけろと言うことだとしても
果たしてこんな半分無い死体のどこにそんな物があるのか
私はそんなとき
一人休日を使って
川のあたりをうろついていたんです
死体は全てではありませんが
その半分が川の近くでして
そんなときに私は、ある物を発見したんです
其れは橋のしたに、貼られた御札
そしてその真下にある石
しかし其れはいくら調べても何が起因なのか分からず
そして後の二つにも同じ事がされていた
しかしどういう事か
その三つより上の上流には
その橋の下になく
下流も同じでした
ちなみに、海まで行きましたが、同じでした」
「良く行ったな、と言うか、そこまで調べっ子ちゃんだったのか、歴史マニアだったのか」
「いえ、オカルトマニアです」
ろくでもない物がでた
「まあ、そう言ってもそれほど怪しいものじゃないです」
「いや怪しいだろうよ」
「いえいえそれほどでもありませんし、本当に本当ですよ本当」
「・・・・」
「私が調べているのは、たとえば、部落差別を元にする呪術にかんしてだったり、いわながすむ場所から2キロはなれた洞穴に捨てられたイワナの怪だったり・・・現実に由来する物だけです」
「・・ちなみにイワナの怪とかいうのはどうだったんだ」
「さあ」
あっけらかんと首をひねる
「さあって・・動物とかがやったんだろ」
「其れが監視カメラを仕掛けたりしたんですけど
其れが気が付くと、もうイワナがおいてあるんです」
「どういうことだよ」
「其れがノイズが走って、其れで写り始めるともう」
「なんだよそれ」
「まあ・・・そう言う話です」
「どういうはなしだよ」
「と言うことで、今のところノーマークのあんたが
今回の呪術式習字を書くことになった訳よ」
「どういうことだよ」
いきなり言われ僕は二人を見た
「あんたはとりあえず三枚の習字をかかなければなら無い訳よ」
「しゅうじ」
「そうよ、何で片言なのよ・・あんたにでも書ける文字を用意したから
其れを書くのよ」
「そんなもんで大丈夫なのか」
「まあ、文字自体に対した意味はない
しかし、問題はあんたの血であるのよ」
「血」
「そう、ここに意味がある
あんたはそれぞれの名前を書く
まず、「十頭」「同人」「葦切り」
其れはつまり
頭は、そのまま頭
同はつまりは、胴
まあ、葦は、足・・しっぽだけど
それぞれを橋という鎖で封印していたのが壊された
そして今後其れ全てが破壊される危険性がある」
「それじゃあ、頭だけを、また封印すれば」
「そこが問題なのよ、今あたまだけ別の場所にあの」
「どういう事だよ」
「よくみなさい、川の流れがほとんどないのは
其れは頭がそこにないから
流れが止まっているの
其れが手っ取り早く見つかるとしたら
残りの二つが解き放たれて
その三つがそれぞれの体に自然と戻れば
その時がチャンスって訳よ」
「・・・そのさっき聞いたけど
その御札を一瞬全部剥いだら
其れで良いんじゃない」
「そんな簡単ならもうとっくに全ての橋がやられているでしょうね」
「どういう事だよ」
「あの橋自体が巨大な足かせであって
あの御札とほこらは
あくまでも目印程度でしかない
それにあのとき実は三つ同時に
爆破されるところだったけど
私たちがきて事なきを得たんだから」
「でも・・・それじゃ後はまかせっきりで良いんじゃない」
「そうはいかないのよ、暇じゃないから」
「良く言うわね、あんたがろくでもないことに時間を割いている時間があったら」
「もうその話はいいでしょ」
「でも、もし封印した後、またこわされたらどうするの」
「簡単よ、もっと強力な物にするから、そう簡単には壊せない
従来までは、その力を封印するまでにとどまっていた
問いよりも、流動する力を
押し返す力をそのまま封印の術にしていた
しかし、時代は流れ
もはや骨董品とも言える部署が
ようやく役に立つような物が最近開発された
其れはその物を、生まれさせる物質から直接力を吸収して
ぎょだいなちからの幕にする
そのおかげで少なくとも核爆弾が落ちようが、竜が崩れることはない
なにせ、物体のない術だから
このたびのような
壊されたら暴れ出すようなことにはならないんだよ」
「・・・其れは凄いけど・・暴れた竜をどうにかするの」
「・・・まあ、ひとの姿かもしれないしね」
「人」
「ええ・・物だから・・そこは曖昧なのよ物だから」
「でも暴れ出したら」
「・・まあ、そこであんたの力が必要な訳よ
その腕で書いた血判習字によって
あんたの血が物を封印する
其れっぽくない」
「其れっぽいなんて事は不適切ですミラー」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・いいじゃない」
「でも、なにをかけばいいの・・血ってどうやってとるき」
「注射器でも斧でも鉈でも・・なんでも、よかったら、そこの吸血鬼もどきに吸引してもらえば」
「・・・・・・なぜ知っている」
「あらあらららら、そんなこともばれていないと」
良く分からないことを二人が言っている
「・・・おまえはどうして其れを知っている」
「私のコードネームは、件・・ウンガイキョウが良かったけど、まだ母が継いでるから」
「・・・まさか予知」
「まあ、私のは逆で、逆さ廻りの砂時計だけど」
「・・・・・・・・まあ良いわ、書いた物は一日で期限が切れる
だからその時が来るまで待たなければいけない」
「・・・・でも、いつ来るの」
「其れは分からない」
「・・・・壊しちゃえばいいんじゃない」
恐ろしいことを言った宮下
どういう精神構造をしているんだ
戦国時代に生きていたら
さぞ立派な暴君か
奇抜な策略家になっていたかもしれない
しかし今は時代が違う
正しさが正しいという
バカがまかり通りすぎている時代だ
そのせいで人々はコンピューターという
嘘にのめり込む
本当という物を愛しすぎたが故の
嘘までの本当に溺れた結末だ
しかしながら、そんなことがまかり通るのだろうか
「そう言う手があったか・・早速手配しよう」
「っえ」
驚く僕
なにやら片手を携帯をはなしているような手つきにして
パントマイムのように
話し始めた恋人
「・・まあ、いかしかたありませんわね
先に打って出た方が良いこともありましょう」
「でも、その頭だけとられていたらどうするんです」
と僕・・・良く分からないしそれに、誰がそんなことをしているというのだ・・たしか神取りとか言っていたが
どういう組織なんだ
もしかしたらあの二人の方が
悪いと言うことも考えられる
その意味は
どちらとも取れるが
「ちなみに、ミラー、神取り、とはどういう組織なんだ」
「まあ単純に、辺り構わず、封印を解いて
そのままの生態にするという
お気楽主義者で
いくら人が死のうが地形が変わろうが
それどころかこの世界が終わろうが
いっこうに気にしない組織です
最近神に潰されていましたが
どうやらもどりつつあるようなんですよ」
「・・神なんているのか」
「居るというかあるんです」
「違うのか」
「神は生きては居ませんが其れは人間的主観以上の存在であるからにして
其れ以上のエネルギー対ともいえます
まあようは、赤子のようなものですよ」
「・・・・・・・おまえの組織はどういう組織なんだ」
「知識の組織
そしてそれに対抗すべき意味を見いだす組織です」
「・・・・・つまり」
「どうしぜんに受け流せば被害があまり受けないか
最悪の場合
どうたい処するか
そう言う感じです」
「・・・でも、竜がでたらどうするんだ」
「まあ出たとこ勝負です」
「・・おいおい」
「まあ、文献でも、色々居ますから、ある竜は封印が解かれたところ
今までの積年の恨みで
全ての子供を山の中で喰ったとも
またある竜は
引きこもり生活が好きすぎて
祈りを置いて呼び出したにも関わらず
また邪魔をする村人全員を殺して
また空間に戻ったとも」
「どうして全員死んだのに分かるんだ」
「そのころから我々は存在してましたから
過去を知ることはできます」
「どうして分かるんだよかこを
未来人か」
「こうは考えられませんか」
彼女は首を振って
こう言った
「今日は雨が降りそうだ・・・どうしてそう思うんです」
「・・・」
僕は一瞬空を見上げたが
空はわずかに曇っていたが
そこまで降りそうではない
「・・まあ、風とか空気の感じとかで見るかな」
「そんな感じです、それに特化した人間が居ても何らおかしくはないはずです、私はそう言う訓練を受けてきました
其れはまるでコンピューターのように
ありとあらゆる事の成り行きを体験させられ
其れによりこれから起こることまたは
起こったことを当てるのです」
「・・予想を立てると言うことか」
「ああ・・ビジョンとしては風景として感覚として五感的に捕らえますが
そんなところです」
「大変だな」
「まあ、人それぞれでしょう」
「おまえはどうなんだ」
「さあ・・・でも雨が降りそうです」
先ほどまで雨などあまり降りそうでもなかった空が
いよいよ降りそうな空気とともに
曇っていた
「・・二人とも、行くわよ、爆破したから」
「私も行きます」
「無理ですよ、死にます」
「・・・どうせ死ぬんなら、何か知りたいじゃないですか」
「・・・何でそんなこと知っているの」
「え」
僕一人何かを知らずにそんなことを聞いている感覚にとらわれたが
そんなとき
一台の車が
橋の袂に猛ブレーキをかけて
少しながらにスリップしたため
川に
落ちそうになりながらも
その余韻で
僕たちの前に止まった
「乗りなさい、もうやばいかもしれない」
その運転している人物は
車と走りで分かったが
朝顔である