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第2話 侵食

SEASON 2 第2話になります。


前話で現れた“第二母体”。

静かだったはずの世界に、再び異変が広がり始めます。


この章では、新たな視点とともに、

HYDRAの存在が別の形で描かれていきます。


引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。

HYDRA CHRYSALIS

SEASON 2

第2話 侵食


最初に気づいたのは、ひとりの隊員だった。


「……おかしい」


小さく呟いたその声は、誰にも届かなかった。


だが異変は、確かにそこにあった。


足元。


アスファルトの隙間に溜まった水が、

ゆっくりと、形を変えていた。


風もない。

振動もない。


それなのに、水だけが動いている。


「全隊、周囲警戒――」


指示が飛ぶ、その瞬間だった。


水が跳ねた。


ポヨン、と。


まるで意思を持つかのように。


「来るぞ!!」


次の瞬間。


それは弾けた。


霧状の水が、一斉に広がる。


「ぐあああああッ!!」


触れた隊員の体が、溶け始めた。


防護服ごと。


皮膚が、筋肉が、

一瞬で崩れていく。


「なんだこれは……!」


パニックが広がる。


だが、それは始まりに過ぎなかった。


地面の至る所から、水が浮き上がる。


一つ、二つではない。


無数に。


それらは弾み、跳ね、転がりながら、

標的へと向かっていく。


「撃て!!撃ち落とせ!!」


銃声が響く。


弾丸が水塊を貫く。


だが――止まらない。


撃たれた水は、霧となって拡散するだけだった。


「くそっ……!」


逃げ場はない。


触れれば終わり。


その時だった。


――ドンッ!!


高所からの一発。


正確無比な射撃。


一つの水塊が弾け飛ぶ。


「……あれは」


隊員が見上げる。


ビルの上。


スコープ越しに、すべてを見ている男がいた。


水城。


彼は無言で引き金を引く。


次々と撃ち抜かれる水塊。


その動きは、異常なほど正確だった。


まるで未来が見えているかのように。


「まだ制御されていない……」


小さく呟く。


視線は一点に向けられていた。


遠く。


地下施設の方向。


「……第二母体」


その瞬間。


すべての水が、一斉に止まった。


そして――


逆流するように、引いていく。


「なにが……起きてる」


静寂。


だがそれは、嵐の前だった。


地下。


第二母体は、完全に目を開いた。


形はまだ不完全。


だがその意識は、すでに世界へと広がっている。


「……侵食、開始」


その言葉と同時に。


都市全体の水が、わずかに震えた。


―――


水城はゆっくりと銃を下ろす。


そして、確信する。


これはもう、局地戦ではない。


世界そのものが、戦場になる。


「来るな……」


だがその願いとは裏腹に。


水は、すでに広がり始めていた。


見えないところで。


確実に。


静かに。


侵食は始まっている。


―――続く

第2話を読んでいただきありがとうございます。


ここから物語は一気に動き始めます。

第二母体の存在によって、戦いの規模や意味が変わり始めました。


前作とは違い、「局地戦」ではなく、

より広い世界での出来事へと広がっていきます。


この先で描かれるものが何なのか、

ぜひ引き続き見届けていただけたら嬉しいです。

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