表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光の記憶 ~ AIアイドルと、静かな整備士の三年間の記録 ~  作者: 明見朋夜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/16

第9話 休暇のはじまり

ラボでも、エリーの存在はごく一部のスタッフしか知らない機密事項だった。生守(いもり)と連絡を取り合い、人目を避けて専用フロアへ向かう。


 白を基調とした通路は無機質で、足音だけが響いていた。扉を開けると、モニターの光が静かに揺れている。生守(いもり)が顔を上げた。


「おお、エリー! 見た目は元気そうだな。」


「お久しぶりです、陽介さん。」


 二人が笑顔を交わす。短い時間だったが、空気が少し和らいだ。


「メインの部品交換をしようと海外に連絡を取った。でも、早くても部品の到着は……五日後だ。」


「そんなにかかるんですか?」


 不服そうな折原の声に、生守が軽く肩をすくめる。


「そう! だから五日間、休み!エリーも、折原も、俺も!」


「え?」


 思わず間の抜けた声を出す折原に、生守は笑って言った。


「たまにはいいだろ。俺は久々に嫁さんと息子に会ってくる。奥さんたちにもエリーのことは機密事項だから連れてけないな。」


 コーヒーを一口すすり、生守は折原に視線を向けた。


 その視線を受け、折原は思った。


――いつも通りか……。


「……一緒にマンションに戻りますか。」


 エリーは立ち上がり、折原に近づいて腕をつかんだ。


「そうする! 収録も何もないなら、私行ってみたいところがあるの!アージェル連れてって!」


 子どもがおねだりするような、恋人が甘えるときのような、そんな声だった。


 生守はニヤリと笑い、再度折原へ視線を送る。


「よろしく頼んだよ、折原君」


「……はい」


――これは休暇なのか。


 複雑な気持ちだったが、嫌ではなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ