第18話 アルバムと写真集
――アルバム発売日。
SNSは、エリーの話題で溢れていた。
「最高のアルバム」
「何度も聴いてる」
「引退しないで」
折原は、エリーと一緒にそれを見ていた。
後日、見本の写真集も折原の家に届いた。
「エリーの輝き」というタイトルになった。
表紙はプライベートショットで撮影されたエリーの笑顔。
表紙をめくると、金色の衣装を纏ったエリーが、笑顔で空を見上げている。次からは、エリーのプライベート写真とライブの写真がバランスよくのっていた。
最後のページには、銀色の衣装を纏った彼女が、静かに俯いている。
エリーは、隣で写真集をめくっていた。
「綺麗に撮ってもらえたね」
その笑顔は、かわることなく輝いていた。
「あ!これ見て!」
写真集が入っていた袋から封筒がでてきた、その中には写真集には使われなかったエリーの写真が数枚と、エリーと折原のツーショット写真が入っていた。
「嬉しいね。」
「そうですね。」
涙をこらえていることを悟られないように、折原はキッチンに向かった。
「エリーもコーヒー飲みますか!?」
「飲みたい!」
残された時間は限られていたが、2人に流れている時間はかわらなかった。
――あと1か月。ライブが終わってもエリーが稼働できる状態だといいんですけど…
「みんな、喜んでくれてるね」
エリーは嬉しそうだった。でも、時々、目を閉じる時間が長くなっていた。
折原は気づいていた。
――彼女の限界が、近づいている。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
もしこの物語を気に入っていただけたなら、
世界のはじまりを描いた神話にも、少しだけ触れてみてください。
本作は、拙作「二つの月の神話」の設定をもとに紡いでいます。
誕生を司る金の月の女神、
そして終わりを司る銀の月の神。
ふたりの物語は、
この世界の“祈り”と“終わり”の原型でもあります。
全5話、2,659文字の短い神話です。
物語の余韻のまま、静かに読める長さになっていますので、
よろしければぜひ、あわせてお楽しみください。




