第15話 笑顔の裏で
屋上で心を落ち着けた後、折原は生守の作業場にもどった。
ドアを開けると、生守とエリーの笑い声が廊下まで響いた。
「あ!アージェルお帰り!」
折原の姿を確認すると、エリーは折原の傍まで駆け寄りハグをした。
「すごく身体が軽くなったよ!ありがとう!」
エリーは折原に抱きついたまま、彼をみつめる。折原は彼女の笑顔をまっすぐみることができず、エリーの頭を軽くなで椅子に座った。
「……軽くなったのなら、よかったです。」
折原の隣にすわり、エリーは話始めた。
「陽介さんの奥さんが、エリーファンなんだって!だから今いくつかサインしてたんだぁー」
「それは、ちょっとマネージャーの僕に通していただきたいですね」
「まぁ、かたい事いわないでくれよ折原くん」
生守の何も変わらない対応に関心し、折原も彼女に心配かけないよう平静を保った。
「止めてたスケジュールが、どんどん入ってくるので忙しくなりますよ。歌番組、バラエティー番組の収録にアルバムの制作、写真集の撮影…」
「人気者は大変だな」
「うん、あともう少しだから頑張るね。」
エリーの無邪気な笑顔、生守と折原は一瞬の沈黙を置いてから笑顔を返した。
彼女はただ役割を全うする為に生まれてきたのだ。
余計な感情はもたないように生守は設計した。
そのはずだった…




